181 / 225
アライズ連合国~ポークレア王国
初日が終わる…
しおりを挟むポークレア王国
初級ダンジョン『ウァーアンダーの神殿』前
盗賊団への事情聴取を終えて俺達三人は一先ず街道を目指し移動を開始する。
盗賊団御一行はこれ以上精神的にお仕置きするのも可哀想になったので、移動先の街の警備隊とか冒険者ギルド等に引き渡すことにした。
どのみち引き渡すのだけれど、リディアのスマッシュは可哀想過ぎるからな…。
えっ?その間の食料とかはって?
ちゃんと置いてきましたよ………身ぐるみ剥いだけれど…。
対価としては盗賊団の持ち物なんて不足するだろうけれど、二束三文にでもなれば良いか………ってね。
と言うワケで盗賊団の連中は神殿前の岩の牢獄内で捕縛隊が到着するまでお留守番である。
神殿から数時間移動して街道を発見。
この街道を南下して街を目指すのだが…
「見える範囲に町とか街とか無えな…」
「うへぇ…」
「面倒ぉ…」
『マップEX』で見ても結構遠い…。
ここは『転移』一発でサラッと移動してしまいたいが…
「トーイチぃ………転移で跳べないのぉ?」
「行ったことないトコは無理だな…」
とサラッと嘘を付いておく…。
『マップEX』との併用で余裕だが、後々便利に使われても困るしな………俺がっ!
街道を南下し始めてからは植生が変わったのか、今まで見たことのない植物などが多く見られたので、スクエアビットを幾つか飛ばして簡単採取。
ついでに高く売れるように『アイテムボックス』内で錬金しておく。
また出てくる魔物も帝国・連合国に比べて若干変わってはいるが、こちらはリュウジとリディアがサクサクと倒していた。
解体は俺の『アイテムボックス』にお任せである。
結局、本日中には何処にもたどり着くことはなく日が落ちてしまったので、野営開始である。
バーベキューコンロや魔導コンロを出し、調理開始。
材料はまだまだあるし、今日狩った魔物の肉もある。
足りない物は『タブレット』で購入できるし、食事にはまったく困らないな。
串焼きの肉にはにんにくダレを漬けて焼き上げる。
極上の匂いを放つソレにかぶり付き、喉に冷たいビールを流し込む…。
「くぅ~~~っ………………美味い…」
「はぁ~~~………幸せ…」
「ぷはっ………………最高…」
俺も含めて三人ともご満悦である。
食べ終えて食休み中…
「しかし、誰ともすれ違わなかったな…」
街道に出るまで、そして街道に出てからも…。まあまあ長い時間移動していたのだが…
「人通りが少ない………というのも誘拐犯にとって都合が良かったんでしょうね…」
「初級………といってもダンジョンが在るんだから、もう少し人通りがあっても良いと思うんだけれどねぇ…」
リュウジとリディアが言う…。
恐らく、その辺も踏まえてのダンジョンの選択だったのだろうな…。
それに…
「移動時はそれなりに偽装しているだろうしな…」
「そうね………見た目だけでは分からないでしょうね…」
「ですね…」
ん~~~………………つ!?いや………ということは…
「町や街に入る時は検閲するよな?」
「?………するわね…」
「………つまり?」
「ソレをスルーするってことは…?」
俺の質問に二人は表情を変える…。
「「わざと見逃している…?」」
「………というよりソコの長なり権力者が犯人の一味………または主犯そのもの…」
まあ………もっと上の立場の人物かも知れないが協力者以上なのは間違いないと思うが…。
新たな推理から当りをつけて、翌日からの動きを決めていく…。
拐われたエルフさん達も心配だけど………獣人の子供たちは特に早く助けてあげないとな…。
こうして…
この異世界に召喚された時以来のポークレア王国初日が終わろうとしていた…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
『暫定:誘拐犯一味』改め『ただの盗賊団』は可哀想過ぎる………という理由でスマッシュ回避。
リディアさんは力を貯めた。
そしてラストはちょっとシリアス気味に…。
次回もよろしくお願いします。
0
お気に入りに追加
6,876
あなたにおすすめの小説
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
パーティを追い出されましたがむしろ好都合です!
八神 凪
ファンタジー
勇者パーティに属するルーナ(17)は悩んでいた。
補助魔法が使える前衛としてスカウトされたものの、勇者はドスケベ、取り巻く女の子達は勇者大好きという辟易するパーティだった。
しかも勇者はルーナにモーションをかけるため、パーティ内の女の子からは嫉妬の雨・・・。
そんな中「貴女は役に立たないから出て行け」と一方的に女の子達から追放を言い渡されたルーナはいい笑顔で答えるのだった。
「ホントに!? 今までお世話しました! それじゃあ!」
ルーナの旅は始まったばかり!
第11回ファンタジー大賞エントリーしてました!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
公国の後継者として有望視されていたが無能者と烙印を押され、追放されたが、とんでもない隠れスキルで成り上がっていく。公国に戻る?いやだね!
秋田ノ介
ファンタジー
主人公のロスティは公国家の次男として生まれ、品行方正、学問や剣術が優秀で、非の打ち所がなく、後継者となることを有望視されていた。
『スキル無し』……それによりロスティは無能者としての烙印を押され、後継者どころか公国から追放されることとなった。ロスティはなんとかなけなしの金でスキルを買うのだが、ゴミスキルと呼ばれるものだった。何の役にも立たないスキルだったが、ロスティのとんでもない隠れスキルでゴミスキルが成長し、レアスキル級に大化けしてしまう。
ロスティは次々とスキルを替えては成長させ、より凄いスキルを手にしていき、徐々に成り上がっていく。一方、ロスティを追放した公国は衰退を始めた。成り上がったロスティを呼び戻そうとするが……絶対にお断りだ!!!!
小説家になろうにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。