172 / 225
アライズ連合国~ポークレア王国
リョーサンの洞窟④
しおりを挟むアライズ連合国
リョーサンの洞窟 最下層
リョーサンの洞窟最下層のボス『スライムエピオン(EW)』を撃破した俺達三人は、ボス部屋の先の宝箱部屋へと踏み込んだ。
そして、俺達の視線の先には…
「コレは…」
「予想内といえば予想内………かなぁ?」
部屋の中には転移罠からの出口らしき魔方陣があった。しかし…
「もう一個魔方陣があるな…」
コレは一体…
なんて考えるまでもなく、恐らく、多分、十中八九という言葉が相応しいかどうかは知らないが…
「王国かどうかは分からないが誘拐先………もしくはソレに準ずるアジト的な場所に繋がっているんだろう…」
「だろうねぇ…」
とは二人の意見。
俺もそうだろうな、と思わないでもないが…。
「可能性として、出口がまたダンジョン………っていうこともあるんじゃね?」
「あるかも…」
「しれないな…」
何故、俺がそう思ったか…。それは…
此処に誰もいないからだ。
何故か?
罠で送られてきた者達をもう一つの魔方陣でもう一度送るには人員が必要なはず。………というか絶対必要である。
ならば何故、今現在その人員がいないのか?
送っている最中か、もう送る必要が無いか………どちらかだろう。
そして送り先。
その場所が何処に在るとしても、このダンジョンの位置が王国側に近いことから、その他複数のダンジョンに同じように設置するとは考えられない。………あと魔物も弱いしね。
そして一番の理由は魔力。
何度も往復することを考えれば、転移先がダンジョンであれば必要魔力の問題は解決する。必要なのは魔力を吸収して充填する装置だけだ。
………で最後に冒険者や追手だな。
俺達のような者が来たとしても、転移先でのダンジョンが勝手に妨害してくれる。まあ、普通なら見張りとかはいるだろうけど…。
「………なるほど」
「よく、そんなに思いつくわねぇ…」
「………おい、商人にギルドマスター。もっとちゃんと考えような…」
どうもこの異世界は脳筋が多いような気がする…。あっ、先輩もだな。と自分のことは棚にあげておく。『ブルッ』おっと寒気が…。なんかコメカミの辺りが『ヒヤッ』とするが気のせいだろう………多分。
「しかし、輸送が終わっているとなったら跡を追うのが面倒ですね…」
「リディア………追跡魔法みたいのって無いのか?」
「そんな都合の良い魔法があったら、とっくに使ってるわよ…?」
「だよなぁ…」
とりあえず、この部屋で一泊して誰かが来ることを待つことにした…。
来てくれれば大チャンスである。
「トーイチさん、また…」
「悪い顔になってるわよ?」
おっと、どうやって弄………痛………イジ………O・SHI・O・KI・してやろうか、顔に出てしまっていたらしい…。
まあ来なければ来ないで、この魔方陣に乗って乗り込むだけだし、その先にいなくても再び調査するだけだ。
………内心、転移先がアジトだと楽だな………と思ったのは内緒であることは言うまでもない。
~~~~~~~~~~~~~~~~
「ヘェーーークショイッ!!てやんでぇばぁろぅちくしょい…」
「風邪?」
「………いや。なんかトーイチに脳筋扱いされた気が…」
「そんなワケないでしょ?」
「ん~~~………あいつならしそうだがな…」
先輩、正解。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
ダンジョンの先は、またダンジョン?
ちょっと説明不足感がある気が…。
そして先輩の第六感よ…。
次回もよろしくお願いします。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
6,900
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。