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アライズ連合国~ポークレア王国
リョーサンの洞窟③
しおりを挟むアライズ連合国
リョーサンの洞窟 十五層
刺々しい両翼に紫色のボディ。………そしてツインアイ…。
未来を見せられそうなソイツは…
『スライムエピオン(EW)』
うーーーん、この………
『(EW)』必要だった?
「なかなか強そうなスライムだな…」
「こんな変異種もいるのねぇ…」
リュウジ、リディアの感想はこんな感じ。
先輩なら盛り上がるかな?ドゥバルなら盛り上がるかもな…。
俺も嫌いじゃないが…
やっぱり『翼』派………かな…。
そして『スライムエピオン(EW)』は体の一部を器用に変形させる。
アレは…
『ヒート………ウィップ』かな?
鞭のように変形させたソレは熱を内包しているのか、赤く変色している。
『スライムエピオン(EW)』はソレを振るってくるが、悲しいかな………最下層のボスとはいえ初級ダンジョンの魔物。
俺達に当たるワケもなく…
「一生懸命振り回してるのが、何か可愛い…」
などとリディアに言われる始末である。
うん、確かに何か可愛い…。
『ヒートウィップ』が当たらないので動きが変わる。
頭上に魔方陣を展開させ、ソコには薄緑色の透明な刃が現れる。
多分『大型魔法剣』だろう………恐らく、きっと…。
そして『スライムエピオン(EW)』はその刺々しい両翼を広げ、こちらに頭?魔法剣を向け突撃してきた…。
しかし悲しいかな…(二回目)俺達はサラッと避け、『スライムエピオン(EW)』は壁に魔法剣を突き刺し、音にするならば『びよぉ~~~ん』となっていた…。
なんか可愛いなあのスライム…。
そんな『スライムエピオン(EW)』は、魔法剣を消し着地。くるりと振り返り、直ぐにまた魔法剣を頭上に展開する。
両翼を広げ再度突進してくる『スライムエピオン(EW)』。その動きは先程とは微妙に違いが見てとれる。ただの突進ではなく、『ゆらっ…』と方向を変えている。
「(アレか?やっぱり『スキル:0システム』搭載してて、少し先の未来でも見えてんのかな?)」
そして…
直前で起動を変えてリディアに突進………と見せかけて、さらに起動を変える『スライムエピオン(EW)』。狙いは…
「(俺かっ!)」
俺は右手を上げ『ランチャー』で迎撃の体勢。しかし『スライムエピオン(EW)』はそこからバレルロール。狙いを絞らせないつもりのようだ。
だが俺の『スキル:狙撃』はソレを逃がさない。………つ~か、いくら動いても、いくら未来が見えていたとしても…
「遅いんだよなぁ…」
そう………悲しいかな(三回目)どう足掻いてもレベルが足りない。
俺はそのまま『ランチャー』を撃ち放ち『スライムエピオン(EW)』との戦闘は終了した。
戦闘終了後…
「なんか可愛いかったねぇ、あのスライム」
「魔法剣で『びよぉ~~~ん』ってなってたとことかは笑いそうだったな…」
ダンジョン最下層のボス戦の感想とは思えんな。
ちなみに俺は…
「………教えてくれ、俺達はあと何人殺せばいい?」
………とボソッと呟いてほくそ笑んでいたのを二人に拾われ、ドン引きされた事をここに報告しておこう…。
さて最下層はクリアしたし、奥には宝箱部屋が残っている。
『マップEX』で見ると隠し階層………恐らくダンジョンマスターがいるであろう階層への階段があるが…。
とりあえず…
一つ目の目的地のラストだ。
さあ…
何が来るか…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
ヒートウィップ=ロッドも鞭という意味があるみたい
スキル:0システム=未来が見えるらしい?
バレルロール=カッコいい
ガンダ………スライムエピオン(EW)戦決着。
いくら未来が見えていようが遅いのです。
次回もよろしくお願いします。
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