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アライズ連合国~ポークレア王国
逃げる龍と遅れた刀
しおりを挟むアライズ連合国
死の山岳地帯側 交易都市
情報収集のため、酒場に入った俺達三人。
大した収穫も無く、そろそろ宿に帰ろうか…となった辺りで、リュウジは大店の商会長を見かけたから挨拶へ…と席を外し、俺は店を出る前にトイレ、トイレ…と席を外した。
トイレから戻ると…
案の定と言うか何と言うか…
テーブルに一人残っていたリディアが冒険者風の人間族四人に囲まれていた。
リディアさん絡まれてるじゃないですかヤダー。
「どこにでもいるもんだな、こういう奴らは…」
ボソッ…と呟いただけのつもりだったが、ガッツリ声に出ていたらしい。
ソレが聞こえていたのだろう、俺の声に反応したリディアは花が咲くような笑顔でこちらを向く。
その本性を知らなければうっかり惚れてしまいそうだが………残念。俺には見えているぞ?お前の後ろのハイエ□フのオーラが獰猛な笑みを浮かべているのが…。
………ちょっとそのオーラ、俺の方見てない?舌舐めずりしてない?
そんなふざけたことを考えつつも「(どうやってO・SHI・O・KI・してやろうかな?)」と同時に思考する。
~~~~~~~~~~~~~~~~
トーイチが脳内で、どのお仕置きにしようかな?と思考を始めた頃…。
リュウジは大店の商会長との挨拶を終えてテーブルに戻ろうとしていた。
そして…
「(おおぅっ?リディアさん絡まれてんなぁ………何だ?ナンパかっ?)」
自分のいたテーブルの異変に気付くも…「まあ、どうせ大丈夫だろうな…」と思いつつ自分もトイレ行こうかな?とその足をトイレのある方向に向けると…
「(あの人は何で悪い顔しているんだ?)」
悪い顔をしながら、小さく「クックックッ…」とほくそ笑むトーイチを発見。
ソレを見たリュウジは「ふむ…」と少し思考し…
「(商人、ドラゴンに近寄らず………ってね)」
………と、さらに自身の行き先を変更。
そうだ、会計済ませておくか…とお財布の役目を果たすべく店員の所に向かった。
もちろんその姿をトーイチにもリディアにも見られていることに気付かずに…。
「(リュウジ………逃げたわね。後でお仕置きかしら…)」
「(リュウジ………早朝◯ズーカ(早朝ではないが…)の動画、先輩達に加えてリサさんとクラウさんに視せるのも確定だな…)」
~~~~~~~~~~~~~~~~
一方…
冒険者風な四人(まあ冒険者なのだろうが…)はリディアに冷たくあしらわれても未だしつこく誘いをかけていた…。
「(ホントしつこいわね………興味無いのがわからないのかしら?………わからないからしつこいのよね…)」
はぁ………とため息を吐き、そろそろ一人にスマッシュすれば諦めるかしら?と思い始めた頃…
四人のうちの一人がついにリディアの隣に座り、肩に手を回す…。
瞬間………リディアはアイテムバッグに手をやり、杖を取り出そうとし、余計なことを考えていたトーイチも一歩足を踏み出そうとする。
だが…
『『『ガタッ!!!』』』
だがリディアとトーイチよりも早く…
店内にいたエルフ達が…
魔術師ギルド所属の魔術師達が…
一斉に立ち上がり、四人を射抜くような視線と殺気を放ち始めた…。
リディア達のいるテーブルに一番近いところにいたエルフが口を開く…。
「私達エルフのトップに何してくれているんですかね………お前らは…」
エルフのその美しい容姿から絶対零度の視線と言葉が放たれる。
「魔術師ギルドのトップに何してくれてんだ………テメエらは…」
如何にも魔術師といったローブ着込んでいる青年から魔力が込もっているような視線と言葉が放たれる。
さらに立ち上がった全員からの威圧の込もった視線を受ける四人…。
「「「「………………えっ?」」」」
一気に冷や汗をかきはじめ動きが止まる…。
そしてトーイチは…
「(………………出遅れた?)」
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
商人、ドラゴンに近寄らず=君子~………の異世界バージョン的な?
スマッシュ=何を………とは言ってない
次回もよろしくお願いします。
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