異世界召喚されました……断る!

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魔王国アディス~アライズ連合国

調査隊『ティターニア』推測

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 死の山岳地帯
 中立都市ヘリオ 商業ギルド本部
 ギルドマスター私室


「昨日ぶりだなリュウジ。それと君は………初めましてだな、商業ギルドのギルドマスター、シーハン・ネィト・タクゥトだ。………で、リディアか………チッ…」



 翌日、朝食後にチェックアウトして、三人で商業ギルドへ向かう。
 ギルド内は多くの商人とギルド職員が忙しなく動いている。
 俺達はアポイント済みなのだろう、受付からスムーズにギルドマスターの私室へ通された………私室?
 普通、応接室とかじゃない?と思っていると、盗聴対策だとリュウジ。
 そりゃそうか…と納得して部屋へ入った。

 室内に入ると銀髪眼鏡の鋭い目をした男が一人用のソファーから立ち上がり、こちらを見る。
 そして冒頭である…。

「ようっ、シーハン」

「トーイチ・ムラセだ、よろしく」

「シーハン久しぶり…元気してた?」

「まあ掛けてくれ、お茶を用意しよう」

 その言葉に俺達は低いテーブルを挟んでソファーに座る。
 お茶はギルドマスター自ら淹れてくれるようだ。
 その間に…

「………で?お前何したの?」

 ギルドマスター、舌打ちしてたぞ…。

「えへへぇ…ちょっとね」

 とテヘペロするリディア。
 もれなく「テイッ」とチョップした俺は悪くない。

 そしてギルドマスターがトレイに人数分のコーヒーとお茶菓子を載せてテーブルに置いた。
 全員が一口飲んだところでギルドマスターが口を開く…。

「報告書だ。ああ、すまないが持ち出しはしないでくれ。ここでだけ読んでいってくれ………その後ソレは処分する」

『パサッ』と置かれた数枚の報告書に目を通す…。
 
 なるほど…。
 現場には魔力の残滓………転移石の使用後と推測。直接、王国へと送られているだろう…と。
 手引きしている者は無し。コレには一安心だが…。
 証拠らしい証拠が無い。逆にそのことから、教国残党の暗部………それも最上位の部隊と思われる…か。

 但し…
 今回の事件に関して、王国の王族は関与していない。不確かだが、一部貴族と教皇ら教国の上位者が動いていると思われる。

「「「……………」」」

「………読んだか?」

 ギルドマスターの問に俺は…

「ギルドマスター…」

「シーハンで良い…」

「ならシーハン………この一部貴族とやらだが…、怪しいのはどいつだ?」



~~~~~~~~~~~~~~~~


 三人が商業ギルドを出た後…

 部屋の主であるシーハンはテーブルの上を片付け、それから執務室へ移動する。………その前にギルドのごみ置き場へ向かい、報告書を燃やして処分した…。

 その報告書から出る火を見つめ、先ほどのことを思い返す…。

 トーイチ・ムラセ…。
 初めて聞いた名前………名前の響きからして恐らく同じグランドマスター、冒険者ギルドのギルドマスターであるマサシの同郷なのだろう…と当たりをつける。

「(………ということはソウシさんとも同郷。リュウジとはその流れか…)」

 この世界に流れて来た異世界人(日本人)は往々にして強力な力を持ってやって来る。どういう理屈かは当然シーハンは知らない。ただただ、そういうモノなのだと理解は出来ないものの納得はしているようだが…。

 しかし…

『ならシーハン………この一部貴族とやらだが…、怪しいのはどいつだ?』

「(………あの時の迫力………別に怒っていたワケではないし、凄んでいたワケでもない。なのに…)」

 ソウシやマサシが怒っている場面に出くわしたこともあるシーハンだが、トーイチのソレはまた別のナニカ………だと感じとる。

 怖くはないが恐ろしい…。

 矛盾しているようだが、正しい表現だな…そうシーハンは自信の心を納得させた。
 そして…

「(トーイチ・ムラセ………怒らすのは止めよう…)」

 そう思ったシーハン・ネィト・タクゥト…。
 元Sランクの冒険者にしてソウシ・ベルウッドの弟子である。



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


お前、何したの?=秘密です
豚王=関与無し
シーハン=元Sランク冒険者。ツオイ
弟子=唐突な設定

シリアスさんがアップを始めました。(出番があるとは言ってない)
しかし、リディアさんは一体何をしたのか?

次回もよろしくお願いします。
 
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