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魔王国アディス~アライズ連合国
調査隊『ティターニア』合流
しおりを挟むアライズ連合国
森林都市サルトゥス
「………でエジル、獣人側の情報はないか?」
サルトゥスの役所を出て、先ほどの会話を思い返す。
エジルからの獣人側の誘拐被害などに関する情報は、魔王国でハルトを泣かした時の情報と差異はほとんどなかった。
この異世界………通信手段にやや難はあるものの、魔導具という便利アイテムがあるのだ。各国上層部や大店の商人なんかは大抵利用している。
つまり…
獣人国はあえて情報を渡してこない………と考えられる。
それは…
「独自調査を始めているのか、それとも何らかの妨害か…」
俺はそう独り言ちる………が…
「トーイチがレオを泣かしたからじゃない?」
「………………」
『レオ』じゃない、あいつは『ハルト』だ。
「いや、ソコはどうでもいいから…」
リディアからのジト目&ツッコミ!
泣かされたくらいで協力関係にある国や組織に情報を出さないとは………小っさいな…。
「いやいや、厳しい親でも子泣かされたらさすがに怒るわよっ」
「………………」
再びリディアからツッコミが入る。
フッ………どうやら十中八九『俺・の・せ・い』らしい…。
そして…
「そんなのは軟弱に育てた親が悪い」フンス
と俺は開き直った…。
開き直ったって言っちゃったな………まあ良しとしておこう。
「良くないでしょ…」ヤレヤレ
三度リディアからのツッコミである。
俺はソレを華麗に受け流し…
「よし、いい時間になったし、ヘリオに戻るぞリディア」
「………はいはい」
俺はリディアを連れて中立都市ヘリオに戻るべく『転移』する。
何がとは言わないがNo.1のダークエルフさん、俺はまた戻ってきます!………と誓いをたてて…。
~~~~~~~~~~~~~~~~
死の山岳地帯
中立都市ヘリオ
ヘリオの宿屋に戻ってきた俺たちは夕食にするか………と食堂に行く前にリュウジが戻っているか宿の受付に確認しに行く。
戻っているとのことなのでリュウジの部屋の前へ移動。
『コンコン………コンコン………』
返事がない…。………寝てんのか?
「寝てるの?」
『マップEX』で確認すると確かにリュウジは室内にいる。イコール寝ているのだろう。
「みたいだな…」
とリディアに返し、少し考える…。
「どうする?二人で食べる?」
「ん~………そうだなあ…。………………そうだっ!」
脳内に『ピコンッ』と電球が灯り、俺はタブレットでとある物を購入。クックックッ…。
「………うわぁ、悪い顔…」ヒキ
失礼な………。
しかし俺はそんなことは気にせず…
「ちょっと行ってくる」と『気配遮断』を使い、扉一枚向こうのリュウジの部屋へ『転移』する。
「………………すやぁ」
案の定リュウジは寝ていたのだが…
「チッ………真っ裸で寝てるとか、変な寝間着で寝てるとかはなかったか…」
と、かなりどうでもいいことに舌打ちをしつつ、ちょうど良さそうなところにビデオカメラを録画にして設置。
高い買い物だったが、仕方ない…。
俺は防音結界を展開し、先ほど購入したもう一つの物をアイテムボックスから出し、右肩に構える。
俺は大きく息を吸って…
「おはようごさいますっ!!!」
『ズドオォォォンッ!!』
この後………俺が先輩譲りのGフィンガーを喰らったのは言うまでもない…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
レオ=通称『ハルト』トーイチに泣かされた
『ピコンッ』と電球=古い
おはようごさいますっ!!!=早朝ではないが早朝なんちゃら。これも古い。知ってる人は知ってる
息抜き回。
リュウジの時系列はここで追い付き、合流しました。起こされ方はアレですが…。
次回もよろしくお願いします。
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