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魔王国アディス~アライズ連合国
調査隊『ティターニア』包囲
しおりを挟むアライズ連合国
港町プエルト
リディアに手を引かれ連れて来られたのは、プエルトの詰所。
あれ?何か俺、連行されてる?
そしてリディアは躊躇うことなく詰所の扉をドアバーンッと開け放ち、ズンズンと中に入っていく。
もちろん後ろ手に俺を引っ張りながらなワケだが…。
「お疲れ様」
リディアの挨拶に、中にいた数人のエルフ達は全員バッと立ち上がり…
「リディア様っ!?お疲れ様ですっ!」
「「「お疲れっすっ!!!」」」
「何すかソイツ?何かの犯人っすか?」
「おいお前、何したんだ?早く吐けっ」
既に犯人扱いである。リディアさん早く説明して。
「隊長さん、いる?」
「はっ!奥におります」
「分かった。行こ」
「あっ、おい」
リディアは何の説明もせず、未だ俺の手を離さないまま、所内の奥へと進む。
お仕事中のエルフさん達は俺達を………いや、俺にだけ鋭い目を向けてきている。
止めてっ!トーイチは無罪よっ!?
そんな一人針の筵を通り抜け、奥の扉に向かうリディアは扉の前に着くと、こちらも躊躇うことなくドアバーンッと開け放ち中へと入っていった。
ちなみに詰所内にいるエルフさん達はやはりというか何というか…。
革の軽鎧を纏ってはいるものの、日に焼けた薄褐色細マッチョなエルフさん達で、イケメンではあるものの、その野性味溢れる鋭い眼光で睨まれるのは怖かったです。
~~~~~~~~~~~~~~~~
港町プエルト 詰所
「隊長さん、お疲れ様ぁ」
「リディア様っ!?………お疲れ様です。このような場所にどうされました?」
詰所内の奥の部屋。隊長室と思われる部屋に躊躇うことなく入室するリディアに隊長と思われるエルフさんが応える。
しかし………しかしである。
「(何故俺を睨む…)」
詰所内にいた他のエルフさんとは違い、かなり立派な感じのハーフメイルを装備した金髪ロングの白い肌を持つ細マッチョな隊長さんは、その切れ長な目を細め、俺を超睨んでいた。
「ちょっとお願いがあってねぇ」
「はっ!リディア様の願いならば………何なりと」
さすが………この旧エルフ国で元王族のリディアである。兵士達にも随分と慕われているのは非常に好感が持てる。
持てるのだけれど………早くこの状況を説明してっ!早くっ!
「コイツですね?捕まえれば良いのですか?拷問ですか?殺せば良いのですか?おいっ!いつまでリディア様の手を握っている?よし、殺そう、良いですねリディア様?よし、コロス…」
おいぃぃぃっ!?良くねえよっ、何がよしなんだよっ!?
隊長さんは瞳の色を消しながら、スラァっと腰の細剣を抜いた。
ハイライトさんちゃんと仕事してっ!?
っ~~~かお前は…
「早く説明しろぉっ!」
『ビシィッ』と俺はリディアの脳天にチョップをお見舞いした。
「あ痛ぁっ!?」
両手で頭を押さえ、ちょっと涙目で蹲るリディア。ここで俺を引いていた手がようやく離されたワケだが…
「っ!?貴様っ!」
細剣を構え直し、力を入れる隊長さん。
さらに…
「「「リディア様っ!?」」」
隊長室の扉を開け放ち、ドタドタバタバタと入ってくる衛兵さん達。
おや?
囲まれたっ!?
「………………どうしてこうなった」
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
詰所のエルフさん=専属ではなく漁師兼任
隊長エルフさん=専属。書類中も金属製のハーフメイルを装備。仕事しづらそう
涙目で蹲るリディアさん=あざとい。戦犯
シリアスさん、連続はもたず。
次回もよろしくお願いします。
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