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魔王国アディス~アライズ連合国
調査隊『ティターニア』不憫
しおりを挟む魔王国アディス
リディアを売れ!とか言ってくるアホな男爵の騎士に、リディアの一撃(特攻:男子に特大ダメージ)が決まり、その場にいたリディア以外の全員がガクブルしていた。
もちろん俺とリュウジも含まれている。
そしてリディアからの一言。
「え~っと………男爵様だっけ?貴方も喰らってみる?」
満面の笑みを男爵に向け、そう言い放つリディアに男爵と残りの騎士達がさらに恐怖する。
もちろん俺とリュウジも恐怖したのは言うまでもない。
「(今度、オリハルコン製のファウルカップをドゥバルさんに頼もう…)」
「(トーイチさん、ソレ俺にもください…)」
俺とリュウジがアイコンタクトで、そう意見を一致させている間に男爵様一行は凄い速さで逃げていった。
おい、刺さっている騎士さんを置いていかないように。
「リュウジ頼む」
「了解」
リュウジは騎士の両足首を掴み「ほいっ!」と引き上げ…
「そおぉぉいっ!!」
と一回転して放り投げた。
投げられた騎士は綺麗な放物線を描き、男爵の乗る馬車の屋根に頭から刺さった…。
アンタはまた刺さっちゃうのか…。不憫な奴…。
そう思いながら俺は…
「ナイスショットッ!」
とリュウジに声を掛け『パァンッ』とハイタッチ。
騎士が屋根に刺さった馬車からは男爵がビックリしたのであろう叫び声が響き、その声に馬車に繋がれた馬が暴れ、さらに騎士達の乗る馬も暴れ、馬車は横転、騎士達は落馬………と向こうの方でわちゃわちゃしていた。
当然俺達は…
「じゃ、行くか」
「はぁ~い」
「行きましょ行きましょ」
そんなことは気にも止めず移動を再開した。
~~~~~~~~~~~~~~~~
死の山岳地帯 北部
中立都市ヘリオ
野営を挟み魔王国の国境を越え、さらに数回の野営を挟み、死の山岳地帯北部の中立都市ヘリオに到着した。
前回は帝国側の入口から入ったのだが魔王国側の入口も同様に門は開放されていて出入りは自由、門の両側には凄ぇ強そうな奴が配置されていた。
門を通り都市内部へ入ると前回と変わらず全ての種族が入り雑じり、活気に溢れているのが視てとれる。
俺達はとりあえず…と宿を確保。
二日ほど休息を取ってからアライズに向かうことにして、それまでは自由時間とした。
「じゃ俺は商業ギルドで魔物素材売ってくる」
そう言い宿を出たのだが…
「………何でくっついてくるんですかねぇ」
「いや、俺も売却しようかと…」
「私もっ!」
結局、三人で商業ギルドに向かい、道中に狩った魔物素材を売却した。
ちなみに売却したお金は調査隊のお金ではなく、それぞれのお財布へ入金。所轄、お小遣いである。
お小遣いをゲットした俺はソレを握りしめ~厳密にはギルドカードに入金されているのだが~前回来たときには堪能していないヘリオの街を堪能するべく…
「じゃ俺は散策するからここで…」
と商業ギルドを出て歩を進める。
そして…
この時…
捕食者の瞳が…
妖しく輝いたことに…
俺は気付いていなかった…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
リディアの一撃=技ではない
ファウルカップ=装備するとは言ってない
そおぉぉいっ!!=ハンマー投げの要領で
二回刺さった騎士=頭は多分血まみれ
屋根に刺さった騎士=ホラーである
前回堪能していない=読み返した
国境を越え中立都市に到着した調査隊。
イベントは………特にない予定。
次回もよろしくお願いします。
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