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魔王国アディス~アライズ連合国

準備期間三日目~五日目

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 魔王国アディス
 魔王城 客間(トーイチ)

 準備期間に充てられた三日目、四日目もこれでもかと遊び倒ゲフンゲフン………待機して準備に勤しみつつ、たまに外に出て気分転換をしていた。

 そして五日目…

『コンコンコンコン』
「トーイチ様、魔王様がお呼びです。執務室までお願いします」

「はーーーい」

 ………何で女神様が返事するんですかね?まあいいけれど…。
 つーか、またいるし何故俺のベッドで漫画読んでるんですかね?
 一体何時還るのだろうか?

 飲んでいたコーヒーを飲み干しテーブルに置き、立ち上がり扉に向かい、ノブに手を掛けると…

「あっ、トーイチさん、行ってらっしゃーい」

 女神様のお言葉。
 俺はチラッと女神様を見るが…

 寝っ転がったまま漫画から目を離していなかった…。

「………………」

 お送りの言葉にちょっといいな、と思ったのは完全に間違いだと思い知らされた。
 あんなチョロ可愛いけれど、ぐうたら女神は無いわ。

「………行ってきます」

 俺は「はぁ」と小さくため息を吐きつつ客間を出た。


 
 魔王城 執務室


『コンコンコンコン』

「………入れ」

「失礼しまあす…」

「おお、トーイチか。すまないな呼び出して…」

 ノックの後、返事を待ってから入室。
 執務室にはルシファス、マサシ、リディア。そして大臣と宰相だっけか?オッサン二人の計五人がいた。

「ああ、別に構わないよ。それで用件は?」

「人員の件なんだがな…」

 ルシファスが「はぁ」と嘆息しつつ続ける。

「………なんと言うか…。………魔王国ってその………アレだ。………脳筋が多いだろう?」

 何故、今ぶっちゃける?

「それでどうも…その………な。諜報活動とかが苦手な者ばかりでな…」

「………なるほど。いや、分かった。これ以上無理して言わないでいい」

 凄い言い淀んでいたからな………言いづらいのはよく分かった。
 
「要するに魔王国に適性のある人員がいないってことだろう?」

「………すまん」

「すまないトーイチ殿」
「適性のある者は要職に就いているか、既に諜報部として活動している者しかいなくてな…」

 ルシファスが頭を下げ、大臣と宰相がそれに続いた。
 続けてマサシが…

「実力者で顔が売れていない、っていう条件は結構厳しいですね。冒険者ギルドでも探してみたんですが、それなりの冒険者っていうとやはり…」

 まあ、だろうな。
 しかしみんな間違っている。
 それは…

「まあ言いたい事は分かったけれど…。………前提が間違ってるぞ?」

「「「………前提?」」」

 俺はコクリと一つ頷き、続きを話す。

「必要な人員は調部隊のだろう?何かが前提になっていないか?」

「「「………あっ」」」

 そう。
 顔バレしていない、顔が売れていない………そんな条件だからかが前提で考えられていた。
 今回の部隊はあくまでも調だ。
 調査であれば顔バレしていても、顔が売れていても、寧ろソレで情報が手に入る可能性があるかも知れない。

「有名税………ですか…」

 マサシの呟きに応える。

「そうだな。有名税だって悪いことばかりじゃない」

 そして俺は続ける。

「これで余計な条件は取り除けただろ?ということは?」

「………寧ろ必要なのは」
「臨機応変な対応力…」

 大臣と宰相が続き…

「よし、人選の見直しだ。グランドマスター二人も一応見てくれるか?」

「「了解」」



 こうして五日目にして人員は決まらないも、先に進んだ………ような気がする俺だった。

 さて…

 昼飯は何かな~?

 昼食まではまだ少し時間があるものの、俺は足取りを軽くし客間に戻った。



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


三日目四日目を飛ばし五日目に突入。
ネタ切れではないんですよ。ホント
ここで調査部隊結成委員会が間違いに気付かされました。顔バレしていない→じゃあバレないように→潜入できる奴だな、と連想してしまったワケです。
そして結局この話し合い以外は遊び倒しているトーイチ達…。

次回もよろしくお願いします。
 
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