106 / 225
VS王国+勇者
ハナシアウモノタチⅢ~そして伝票へ~
しおりを挟む魔王国アディス
魔王城2F会議室
「………では勇者………いや、邪神はこのまま元の世界に還る。という事でいいか?」
魔王ルシファス・ヴィ・サタニアの言葉に頷く邪神アーシュマ。
「あぁ、シュウヤも納得したよ。こんなに強い人達とは、もう合いたくないってさ。私もここで全力出しても面白くない結果にしかならなそうだしね」
ヤレヤレ…といった雰囲気を出すアーシュマ。
そしてシュウ・"博士"・ホワイトリバーは…
「私はまだ用が済んでませんので残りますよ」
との発現。
「………だろうね」
と言う邪神に…
「「「………えぇ」」」
と言うトーイチ、ソウシ、マサシ。
「まぁ、そうよね」
と納得しているヴィーネ。
「………………」
沈黙してシュウを見つめる女神ヘルベティア。
「用………とは?」
質問するルシファスにシュウは…
「『大魔王石』…」
「「「「っ!?」」」」
瞬間………会議室に殺気が溢れる。
「てめえ………また召喚でもする気か?」
『ゴキン』と指を鳴らし、怒気を顕にするソウシ・ベルウッド。
「この世界で、まだなにかすると言うのなら…」
『スゥ』と目を細め、目に見えるほどの闘気を発するマサシ・コバヤシ。
「(『大魔王石』って………確か俺が持ってたよな…)」
微妙に………いや、全然違う事を考えているトーイチ。
「(『大魔王石』を使った召喚?そんなの主神クラスの邪神がっ…)」
とんでもないモノを召喚してしまうっ!?と焦る、女神ヘルベティア。
「ソウシ!マサシ!大丈夫よ」
待ったをかけたのはヴィーネ・ベルウッド。
「………従姉さん」
「大丈夫よルシファス…この人はそんな事しないから」
「ヴィーネ………何か知っているのか?」
「ええ。さっき裏門から正門に向かう時にね」
「フフフ………話しておいて良かった。私の用………目的は…」
そして語られるシュウ・"博士"・ホワイトリバーの目的…
「それは…」
『ゴクリ』と全員から聞こえる様な会議室内…。
「私のゴーレムの完成…」
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王城2F会議室
結局、先輩の…
「ヴィーネがそう言ってるんだから、譲ってくれるよね?トーイチくん?」
『ニコリ』として『ゴキン』と指を鳴らしながらの説得?に折れた俺は、『大魔王石』をシュウに渡した…。
そして…
「もう一個有るわよね?トーイチくん?」
と脅さ………お願いされたのは言うまでもない。
ちなみに女神様は…
「何で持ってるんですかぁっ!?しかも二個もっ!?」
と涙目で頭を抱えていた。可愛い。
「もうっ!もうっ!」
魔王城 正門
「じゃあ私は還るとするよ………それじゃあね」
とあっさりと還る邪神。で…
「アンタは残るんだな…」
「フフフ………この世界の『大魔王石』ですからね。この世界で調整した方が良い」
こんな感じで、あっさりと『従者契約』を破棄。
シュウ・"博士"・ホワイトリバーはこちらの世界に残った。
「ヴィーネ………アイツに『大魔王石』だっけ?ホントに渡して大丈夫だったのか?」
「大丈夫よ多分…だってあの人、自分のゴーレムの完成以外に興味持っていないもの」
「あぁ、ソウシさん。ソレは俺も聞いたから多分本当だと思う」
「………まあ、ヴィーネとルシファスが言うなら大丈夫か…」
そんな会話がされているなか、俺は…
「ねえ女神様?」
「はい?」
「俺、戦ってないんだけど必要だった?」
「………え?そ…それは、もももちろん必要だったに決まっているじゃないですかぁ」
「何でどもって目ぇ逸らすんですかねぇ」
それは暗に要らない子だって言ってない?泣くぞ?
「まあまあトーイチさん」
「マサシ…」
「トーイチさんが来てくれなかったら邪神はまだまだ戦う気でしたよ?」
「………………」
………そうなのか?
「多分………邪神はトーイチさんに何か感じたんじゃないですかね?」
「………何か?」
「まあ多分…ですし、ソレが何か俺にも分かりませんけど…」
「………………」
「あのまま戦っていたら、この辺は酷い事になっていましたし、俺達も無傷ってことはなかったでしょうから………」
「感謝してます」って………何か分からないのに?
そんな言葉で俺が納得すると思っているのか?
まあ?今回は?今回だけはソレで勘弁しておいてやらないでもないけれど?
こうして…
勇者による魔王城襲撃は終息した。
結果は………無効試合かな?
あと女神様?
その生暖かい目は止めてもらえます?
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王城 客間
「先輩、コレ…」
「あん?何だコレ?」
「伝票です」
「伝票ぉ?………何の伝票だよ?」
「『大魔王石』のです」
「はあ?」
「いや、ヴィーネさんが先輩に回せって言うから」
「………じゃあしょうがないな」
ヴィーネの名前を出されると何も出来ないソウシ・ベルウッドであった…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
魔王城襲撃編終息。
ちょっと強引だった………色々と。
特にサブタイとオチは。
そして戦わなかった主人公。
次回は…?
次回もよろしくお願いします。
1
お気に入りに追加
6,878
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたので暗殺される前に国を出ます。
なつめ猫
ファンタジー
公爵家令嬢のアリーシャは、我儘で傲慢な妹のアンネに婚約者であるカイル王太子を寝取られ学院卒業パーティの席で婚約破棄されてしまう。
そして失意の内に王都を去ったアリーシャは行方不明になってしまう。
そんなアリーシャをラッセル王国は、総力を挙げて捜索するが何の成果も得られずに頓挫してしまうのであった。
彼女――、アリーシャには王国の重鎮しか知らない才能があった。
それは、世界でも稀な大魔導士と、世界で唯一の聖女としての力が備わっていた事であった。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
父が死んだのでようやく邪魔な女とその息子を処分できる
兎屋亀吉
恋愛
伯爵家の当主だった父が亡くなりました。これでようやく、父の愛妾として我が物顔で屋敷内をうろつくばい菌のような女とその息子を処分することができます。父が死ねば息子が当主になれるとでも思ったのかもしれませんが、父がいなくなった今となっては思う通りになることなど何一つありませんよ。今まで父の威を借りてさんざんいびってくれた仕返しといきましょうか。根に持つタイプの陰険女主人公。
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。