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VS王国+勇者
ロックオンサレシモノ
しおりを挟む魔王国アディス
魔王城 正門前
『勇者』だと思っていたら『邪神』で、『狂暴』を司る神だと思っていたら実は『愉悦』を司る神でした。
うん、全然分からん。
連れて来られて、真ん中に放り込まれて、先輩もマサシもいるし、俺が来てからはその『邪神』はそんなに暴れてないし…。
俺いなくても良くね?
うん、なんか面倒くさくなってきたし、先輩達がいるからもし戦闘になっても大丈夫だろう。
そう思い、俺は話しをまとめることにした。
「………『愉悦』の神ね。うん、分かったから、こっちの話しが終わるまで向こうで待っててくださいね」
と言ったが、俺はくるりと手のひらを返し…
「………あぁ、ごめん、ちょっと待って…」
「………フフフ、何だい?」
戻ろうとしたところを引き留め、本題。
「………アンタの目的は?」
「………………」
金色の龍眼を真っ直ぐ俺に向ける邪神。俺は怯むことなくその視線を受け止める。
「………………」
「………………」
「………フフフ、凄いなキミは…」
「………………ん?」
「私の事を『邪神』と知っても、敵意の無い目で見返してくるヤツなんてほとんどいなかったからね…そう言う意味で………ね」
うん、まあ、敵意も何も、今は面倒くさいから早く還ってほしいだけなんですけど?
「………そうか。で、目的は?」
一方…
「トーイチはブレねえな…」
「女神様はブレッブレッなのにね…」
「女神様落ち着いてください」
「ふむーーーっ、むぐーーーっ」
ちょっと女神様?おとなしくしててくださいね。
マサシはそのまま抑えておけよ。
~~~~~~~~~~~~~~~~
そして…
ここにもう一人…
早く終わらないかな?と思っている人物がいた。
そう…シュウ・"博士"・ホワイトリバーである。
ヴィーネ・ベルウッドの言葉に乗っかり、勇者との共闘より『大魔王石』を選んだ彼は、『大魔王石』を持っているという人物…トーイチの参戦により、目的の大半を果たしていた…。
つまり彼から見れば、今行われている話し合い?は既に茶番にしか見えていなかったのである。
もちろんそう見えるのは長机と椅子を用意したトーイチのせいなのだが…。
「(早く終わりませんかねぇ、この茶番…)」
『大魔王石』さえ手に入れば………しかも一度に二つも手に入れば、私の『グランザード』はさらなる力を得るでしょう………と、この茶番を胡散臭い笑顔を浮かべ、黙って見ていた。
しかし…
一方でトーイチに感心もしていた。
大抵の人間(魔族・亜人含む)は相手が邪神だとわかると敵意を表す。
それは勇者に向けるモノとは真逆のモノを…。
「(まあ、敵意を煽るようにしている部分もありますが…)」
それをトーイチは真正面から受け止めてなお平常心を崩さずに、さらには対等に会話をしていた。
それはシュウの"博士"の部分に引っ掛かるのに充分な理由になったのである。
「(この異世界………魔王を含め、面白い人物が多いですが彼は特別面白そうですねぇ)」
トーイチはまだ気付かない…。
シュウ・"博士"・ホワイトリバーにロックオンされた事を…。
トーイチはまだ感じていない…。
シュウ・"博士"・ホワイトリバーの纏う雰囲気を…。
トーイチはまだ知らない…。
『大魔王石』を勝手に取引されている事を…。
~~~~~~~~~~~~~~~~
ここからif
金色の龍眼を真っ直ぐ俺に向ける邪神。俺は怯むことなくその視線を受け止める。
「………………」
「………フフフ、………フハハハハッ!邪神アーシュマが命じるっ!我に従えっ!!」
金色の龍眼に紋章が浮かび上がり、妖しく紅く輝く。
「………っ!?」
コレはっ!?
俺の脳内に『ナニカ』がっ!?
「………フフフ。コレでキミは私のモノだ…」
「………………」
「トーイチィッ!?」
「トーイチくんっ!?」
「トーイチさんっ!?」
………俺は…
「………あっ、俺、精神系効かないから」
続かない。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
トーイチ=やっぱり飽きてきた
女神様=拘束中
シュウ=ロックオンした
if=やってみたかった
if展開だとバトルに突入してしまいそうだったので、カット。けっしてバトルが面倒だったワケではありません。ホント
次回もよろしくお願いします。
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