上 下
101 / 225
VS王国+勇者

YU・E・TSU

しおりを挟む
 
 魔王国アディス
 魔王城 正門前


「ちょっといいかい?」

「邪神アーシュマ…」

 O・HA・NA・SHI中の俺達に近付き話し掛けてくる、邪神と目される神物じんぶつ
 それに女神様が反応し『アーシュマ』という言葉が聞こえた。
 
 十中八九『アーシュマ』が名前なのだろうが…とりあえず笑顔が胡散臭いので警戒を強める。
 
 ちなみに俺以外は座りながらも、とっくに臨戦態勢だったりするのだけれど…。

「「「「………………」」」」

 女神様を含め、俺以外は若干顔を強張らせ、直ぐに立ち上がれる様な状態だけれど…俺は…

「ちょっとこっちの話しが終わってないんで後にしてもらえます?」

 平常運転である。

 そして邪神は…

「………………」

 一瞬惚けたかと思うと…

「ぷっ………アハハハっ!いいねキミ」

 吹き出して笑う。
 何?褒められたの?バカにされたの?

 俺は『ムッ』とするでもなく冷めた目で邪神を見て、ついでだ…と『鑑定EX』を起動。

「っ!?………ノイズ?」

『鑑定EX』で視てもノイズで見ることが出来なかった事に驚き、思わず呟いてしまった…。

「おっ?『鑑定』したね?無理無理………どんなに高性能な『鑑定』でも私は視れないよ。シュウヤの時なら視れたけれどね」

 バレた。あとシュウヤって誰?

「トーイチさん、勇者です勇者。それで邪神の宿主です。あと『鑑定』は神の類いは視れません」

 俺の心を読んだ女神様のフォロー。
 ふ~ん、勇者ねぇ。あと『鑑定』の件は初耳なんですがそれは?

「だって神を視る事になるなんて思わないじゃないですかぁ」

 そりゃそうか。
 
「………で話しを戻してもいいかい?」

「………どうぞ」

 ん?俺はさっき「こっちの話しが~」って言ったと思うんだけれど………まあ、いいか。

「そこの女神様が言っていたろう?『狂暴』を司る神だって…。訂正しておこうと思ってね」

「………………」

「………………え?」

 俺は無言で、女神様は少し驚いたような反応を見せる。

「私は確かに『アーシュマ』で合っているけれど『狂暴』を司る神じゃあない。私の司るモノは『愉悦』。『狂暴』は私の名前に似ているけれど、別の世界の神なんだよ」

 驚愕の事実っ!とは俺はならない。
 だって、あまり興味がないから…。先輩達もそんな感じだな。
 反対に女神様だけは「えっ?うそっ?そんなっ?」みたいになっていた。

「………主神様、情報が違いますよぉ…」

 とか言っているが、とりあえず…

「………『愉悦』の神ね。うん、分かったから、こっちの話しが終わるまで向こうで待っててくださいね」

 早くあっち行けと促す…。

「お前はホント凄ぇな…」
「トーイチさん…」
「トーイチくんってアホなのかしら?」

 味方陣営からの呆れオーラが凄い…。



 うん、俺もちょっとアレかなって思った。




 しかし『愉悦』か…。






 麻婆豆腐が食べたくなってきたなぁ…。





~~~~~~~~~~~~~~~~


 魔王城 正門


 開いた正門の陰に人影があった…。

 人影は気配を消し、魔力を抑え、正門で姿が見えないように身を隠しながら、正門の外の様子を伺う。

「(何故、机と椅子が用意されているのだろう?あと、あの女の人………何故、正座しているのだろうか?というか誰?)」

 裏門で戦闘が終わったと思って、そっと正門まで様子見にきた魔王様だった…。



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


トーイチ=ブレない
愉悦=麻婆豆腐はしょうがないと思う
魔王様=置いてきぼりでちょっと寂しかったらしい

邪神のキャラがブレッブレに。
ネタが纏まらず、かつ短めに。
次回もよろしくお願いします。
 
しおりを挟む
感想 1,255

あなたにおすすめの小説

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

パーティを追い出されましたがむしろ好都合です!

八神 凪
ファンタジー
勇者パーティに属するルーナ(17)は悩んでいた。 補助魔法が使える前衛としてスカウトされたものの、勇者はドスケベ、取り巻く女の子達は勇者大好きという辟易するパーティだった。 しかも勇者はルーナにモーションをかけるため、パーティ内の女の子からは嫉妬の雨・・・。 そんな中「貴女は役に立たないから出て行け」と一方的に女の子達から追放を言い渡されたルーナはいい笑顔で答えるのだった。 「ホントに!? 今までお世話しました! それじゃあ!」  ルーナの旅は始まったばかり!  第11回ファンタジー大賞エントリーしてました!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~

つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。 政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。 他サイトにも公開中。

公国の後継者として有望視されていたが無能者と烙印を押され、追放されたが、とんでもない隠れスキルで成り上がっていく。公国に戻る?いやだね!

秋田ノ介
ファンタジー
 主人公のロスティは公国家の次男として生まれ、品行方正、学問や剣術が優秀で、非の打ち所がなく、後継者となることを有望視されていた。  『スキル無し』……それによりロスティは無能者としての烙印を押され、後継者どころか公国から追放されることとなった。ロスティはなんとかなけなしの金でスキルを買うのだが、ゴミスキルと呼ばれるものだった。何の役にも立たないスキルだったが、ロスティのとんでもない隠れスキルでゴミスキルが成長し、レアスキル級に大化けしてしまう。  ロスティは次々とスキルを替えては成長させ、より凄いスキルを手にしていき、徐々に成り上がっていく。一方、ロスティを追放した公国は衰退を始めた。成り上がったロスティを呼び戻そうとするが……絶対にお断りだ!!!! 小説家になろうにも掲載しています。  

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。