異世界召喚されました……断る!

K1-M

文字の大きさ
上 下
99 / 225
VS王国+勇者

セッキョウサレシモノ

しおりを挟む
 
 魔王国アディス
 魔王城 正門前


 突然俺の前に現れた女神様に手を繋がれ、転移した先が修羅場だった件。

 なんかラノベにありそうだな…って、喧しいわっ!

 そう脳内でボケてツッコミを入れつつ、俺は繋ぎっ放しだった女神様の手を離し…

「………正座」

 そう告げる。

「………ふぇっ?」

 何だ「………ふぇっ?」って、あざといし可愛いなおい。
 しかし…

「………女神様、「ふぇっ?」じゃありません。………正座」

 俺は『ビシィッ』と地面を指差し、早くしなさいと促す。

「えっ?えっ?いや………でもですね」「でもですね、じゃありません。………せ・い・ざ」「………はい」

『クイクイ』と地面に向けた指を動かし、は・や・く、とさらに促し、女神様がシュンとしながら正座した…。
  シュンとしちゃうのも可愛いな、おい。

 そしてソレも読まれ…

「………えへへ」

 と正座しながら赤面する女神様………チョロい。

「チョロくないですっ!」

 と正座しながら手をブンブン上下に振る女神様可愛『ガシッ………ミシミシ』

「早く話しを進めろ…」

「………あい」

 俺は後頭部を再び先輩に鷲掴みにされ、さらに持ち上げられブラーンとされていた…。

 そろそろ頭蓋骨に罅とか入ってない?大丈夫?




~~~~~~~~~~~~~~~~


 魔王城 正門前


 先ほどまでの刺さるような闘気と殺気に溢れた空気はすっかり霧散し、警戒は解かないまでも呆れを含んだ空気が場を支配していた。
 なんだその空気…?

 その空気の原因の一人、トーイチは正座をしているもう一人………いや一柱の女神ヘルベティアに質問を………いや説教をしていた。

「………で、何故俺をここに転移させたんです?」

「………いえ、その、あの…」

 邪神を何とかしないと………その思いで自らが動き、自分の加護………恩寵を与えたトーイチに協力をしてもらおうとしたのに、戦闘中の現場に着いたとたんに何故か正座させられ説教をされたため、女神ヘルベティアはしどろもどろになってしまっていた。

「女神様………」

「ひゃいっ!?」

「あのですね………現場を見ればなんとなく予想はつきますが、協力させたいのなら、ちゃんと言ってからにしてください。………突然現れて、突然転移なんてされたら準備も状況把握も何もできないでしょう?」

「………はい、ごめんなさい」

 トーイチに正論を言われ、素直に謝る女神ヘルベティア。
 ある意味で先ほどよりもカオスな状況だが、この場にいる者達の反応は…

「ぷっ………アハハハ、何アレ?何で女神が説教されてるの?」

 転がる勢いで笑っている、勇者シュウヤ・アーク・ルティマ………いや、邪神アーシュマの一欠片。

「………フフフ。彼がトーイチですか………面白い人物の様ですが、さて…」

 この光景が面白いとは思っているようだが、どうやって大魔王石を譲ってもらえるか考え始めるシュウ・博士ドクター・ホワイトリバー。

「アレが女神様………キレイな女神ひとね…」

 ズレた発現をする魔王姫ヴィーネ・ベルウッド。

「トーイチさん………女神様を正座させて説教とか、何してんですか…」

 唯一、まともな反応をする冒険者ギルド・グランドマスター:マサシ・コバヤシ。

「………お前が言うな」

 唯一、まともなツッコミを入れるトーイチの先輩、ソウシ・ベルウッド。

 そして…

「………アレ?………戦闘の気配が収まった?………終わった………のか?」

 裏門で戦闘の終わりを待つ魔王ルシファス・ヴィ・サタニアが蚊帳の外で一人呟いていた…。




~~~~~~~~~~~~~~~~


 ??????


「何をやっているんじゃ、ティアは…戻ったら…」

 説教じゃな………と人知れず………いや、神知れず女神ヘルベティアへの主神による説教が確定していた。



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓



主人公が参戦?したらシリアスさんが行方不明にっ!?
途端に進まなくなる物語。
そしてスキル:ルビLv1を覚えた作者。

次回もよろしくお願いします。

書籍発売は3月25日前後の予定です。
また発売にWeb版がレンタルになります。範囲はプロローグ①~皇都ルセリア~ベルセの街 道中②まで。
初期の頃(まあ今もですが)の拙い文章をもう一度見てみてください。
※私は恥ずかしかったです。
しおりを挟む
感想 1,255

あなたにおすすめの小説

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

超越者となったおっさんはマイペースに異世界を散策する

神尾優
ファンタジー
山田博(やまだひろし)42歳、独身は年齢制限十代の筈の勇者召喚に何故か選出され、そこで神様曰く大当たりのチートスキル【超越者】を引き当てる。他の勇者を大きく上回る力を手に入れた山田博は勇者の使命そっちのけで異世界の散策を始める。 他の作品の合間にノープランで書いている作品なのでストックが無くなった後は不規則投稿となります。1話の文字数はプロローグを除いて1000文字程です。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ
ファンタジー
 主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?  管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…  不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。   曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!  ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。  初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)  ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。