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VS王国+勇者
ワシヅカムモノ
しおりを挟む魔王国アディス
魔王城 正門前
神々しくも禍々しいオーラを放つ、金色龍眼の男が赤黒い刀身の長剣を持ち構えている。
その正面には指抜きグローブを両の拳に着けた男が怒りの闘気を放ち、今にも飛び掛かりそうな雰囲気で構えている。
少し離れた場所には聖なる力を持っているであろう黄金色にも見える白銀の刃を持つ長剣を構えている男が、その剣に凄まじい力を溜めている。
さらに離れた場所、魔王城の正門には魔族と思われる女性と、どこかで見たことがある様な誰かに似ている紫髪の白衣の男が。
そして…
そのちょうど中心に突如として…
何もせずとも神々しい雰囲気とオーラを放ち、金の刺繍を所々にあしらった衣装を身に纏った金髪碧眼の女性と手を繋がれたまま現れた男…
そう…
俺である…
「………ん?」
金色龍眼の男は何やら面白可笑しそうに…
「………あっ?」
白銀の長剣を持つ男は…というかマサシは「………えぇ」という感じで…
「………あら?」
「………おや?」
正門の方ではヴィーネさんと白衣の男が…
そして…
「………ぁあっ!?」
マジ切れ寸前の先輩が『ギラリ』とこちらに視線を向ける。
………ええ。何で先輩、キレ気味なの…?
俺は周囲を確認し、状況の把握を瞬時に行い結論する。
「(………うわぁ、面倒くさそうな…)」
「(………女神様、相変わらず可愛いな…)」
「(………女神様、手ぇ小っさいな、柔らかいな…)」
………おい、並列思考の小さいオッサン達は出て来なくていいんだ…。
そして当然というかなんというか…、手を繋いでいる女神様には、そんな並列思考も読まれちゃっているワケで…。
「………えへへ、そんな…」
とか小さい声で呟きながら顔を赤らめていた…。
いや、聞こえちゃってますよ?
あとチョロい。
「チョロくないですっ!」
「(あ、読まれてましたね)」
「(いやチョロいですよ)」
「(怒った顔も素敵やな)」
「もう!………もう!」
繋いでいない方の手をブンブンと上下に振る女神様を見て、カオスの様なこの場にいながら俺はホッコリしていた。
しかし…
このカオスな場は…
ホッコリしている俺に…
牙を剥いた…
『ガシッ………ミシミシ…』
「トーイチ………説明………」
「っ!?………痛だだだだっ………ミシミシいってる…ミシミシいってるからっ!?」
というか先輩だった…。
いつの間にか俺の背後に回り、後頭部を鷲掴みにされていた。
今の俺のステータスで感知できないとか………何だソレ?スキルなの?技術なの?
「「………やれやれ」」
とマサシとヴィーネさん。
「………ぷっ………アハハハッ!」
「………トーイチ?」
と龍眼の男と白衣の男。
「早く『ミシ…』………説明『ミシミシ…』………しろっ『ミシミシミシ』」
「あ痛だだだだっ………する………説明…するから………離し……ギャーーーーッ!?」
「………フンッ………成敗…」
『パッ』と手を離す先輩。
「いや、成敗っ!………じゃないですよ………何するんですか、まったく………割れるかと思ったじゃないですか、まったく………脳筋め」
俺は頭をさすりながらブツブツと文句を言い…
「………ほう?まだ足りない様だな『ゴキリ』」
と指を鳴らし、そう言う先輩。
「ごめんなさい」
『ペコリ』と速攻で頭を下げた俺は悪くないと思うんだ…。
………で、女神様はずっと手繋ぎっ放しで「えへへ…」ってなってるけれど、早く俺にも説明してくれませんかね?
可愛いけれど…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
魔王城正門についに役者が揃った。
しかし魔王城なのに魔王様は参戦できず。
四天王的な奴らは?
六将軍的な奴らは?
…果たして?
遂に参戦?したトーイチ。
次回【未知の称号:真剣殺し】
剣と魔法が交差するとき、物語は始まる?
↑
嘘です、すみません。
次回もよろしくお願いします。
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