異世界召喚されました……断る!

K1-M

文字の大きさ
上 下
90 / 225
VS王国+勇者

魔剣と聖剣

しおりを挟む
 
 魔王国アディス
 魔王城 正門前


『魔剣:イエロルタール』
 元は聖剣だったがシュウヤの変化に伴い、刀身の色の変化に合わせてその性質も変化した魔剣。
 闇の属性と自己修復機能を持つ。

「………勇者が持つ剣にしては禍々しいな。相応しい剣とは思えないが?」

「フフ………元は由緒正しい聖剣だよ。元は…ね」

 妖しい眼で魔剣の刀身を見るシュウヤ。
 
「(『元』は………という事は変化・変質したってことか。それは…)」

 持ち主も変化・変質している、と言っているようなモノだ…。
 マサシはそう思うも口にはださない。

 そして『聖』が『魔』になったという事はただの変化・変質ではなく『反転』。
 つまりシュウヤも『反転』している事を指すワケだが…。

「(『勇者』の『反転』………そんな事があるのか?………いや、目の前にいるのだから現実としてあるのだろうが…)」 

 今考えても答えは出ないな、と思考を切り替える。
 どちらにしても厄介な相手には変わりない………それならばと、魔剣に対抗すべくマサシは右手に魔力を集め始めた…。

「その『元聖剣』が相手なら、素手では分が悪いな…。俺も武器を出させてもらおう…」

 右手に集めた魔力は光に変化し、その光の中から柄が静かに出てくる。
 マサシはその柄を右手で握り、光からゆっくりと引き抜いた…。

『聖剣:クラルシュヴェルト』
 黄金色にも見える白銀の刃の長剣。
 聖の属性と自己修復機能を持つ。

「………へぇ、良い剣だ」

「………そいつはどうも」

 クラルシュヴェルトを見たシュウヤの目が妖しく光る…。
 ソレはまるで狙いを定めた様な…。

「………フフ。ソレもボクのモノになればイエロルタールの様に変わるかなぁ?」

 シュウヤのその言葉に、煽られていると分かっていながらもピクリと反応するマサシ。
 ならばと…

「変わるワケがないだろう?何故なら君にこの剣を握る機会なんて訪れないのだから…」

 ヤレヤレと首を振り、マサシが煽り返す。
 そして…
 
「フフ………言ってくれる…」

「そりゃ言うさ…」

 お互いの目を見て…






 お互いが口の端を釣り上げた…。








 再び魔王城正門前の空気が変わっていくなか…




「いいぞっ、もっとやれっ!」

 缶ビールを持ったソウシ・ベルウッドがその空気を一人、ぶち壊していた…。



~~~~~~~~~~~~~~~


 魔王城 裏門前


『魔王姫』と『博士』が相対し、戦闘が始まろうとした時…。
 この強者二人を前に割り込む存在が現れる…。






「悪いけど………そいつは譲ってもらうよ従姉さん」





『魔王:ルシファス・ヴィ・サタニア』
 今回の勇者一向の標的が玉座を離れ、そこに現れた…。




~~~~~~~~~~~~~~~~


 ルセリア帝国
 ベルセの街 冒険者ギルド


 
 魔物のスタンピードと王国の同時襲撃を犠牲者0という、奇跡の様な結果で終息したのも束の間。
 国境に王国軍、それも第二・第三騎士団が進行中との情報が入る。

 冒険者ギルド・ベルセ支部長ステルクは各方面に戦力の要請を行い、国境の守備隊を結成すべく奔走する。

「(リュウジ・ベルウッドの協力は得れた。あとはアイツらにも連絡しておくか…)」

「こんなこともあろうかとっ!」とどこかで誰かが騒ぎそうだが、念のためにと『アイツら』にステルクは通信魔道具を渡していた事に内心、自画自賛する。

 そしてニヤニヤしていると…

「………支部長」

「ん?ティリア…」

「………書類、早く回してください」

「………はい」

 助けてくれた事に感謝はしているが、そのままベルセに戻らなかったトーイチに怒るもそのぶつけ先が無く、機嫌が非常に悪いギルドの美人受付嬢ティリアに冷たい目で怒られた。

 

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


魔剣と聖剣=名前考えるのが大変
先輩=野次馬化
魔王=横取り
支部長=八つ当たりされる
トーイチ=出番が無いのに怒られるのが確定

先輩がシリアス展開に耐えられなかった、先輩が。
魔王様、横取りとか………後が恐くないのか?
ティリアさん、オコで支部長に八つ当たり?

次回もよろしくお願いします。
 
しおりを挟む
感想 1,255

あなたにおすすめの小説

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

超越者となったおっさんはマイペースに異世界を散策する

神尾優
ファンタジー
山田博(やまだひろし)42歳、独身は年齢制限十代の筈の勇者召喚に何故か選出され、そこで神様曰く大当たりのチートスキル【超越者】を引き当てる。他の勇者を大きく上回る力を手に入れた山田博は勇者の使命そっちのけで異世界の散策を始める。 他の作品の合間にノープランで書いている作品なのでストックが無くなった後は不規則投稿となります。1話の文字数はプロローグを除いて1000文字程です。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ
ファンタジー
 主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?  管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…  不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。   曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!  ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。  初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)  ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。