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VS王国+勇者
マガマガシイモノ
しおりを挟む魔王国アディス
魔王城 正門前
『ガンッ!!』
「………ぐっ!」
縮地で距離を詰めグラサン(エルム)を殴りつけるが、銃を十字にして受け止められた。
だが俺は構わず拳を振り抜く。
「おらっ!」
「ぬぅっ!」
グラサンは少し浮き、後ろに吹き飛ぶもバランスを崩す事なく足を地に着け、態勢を戻す。
「………チッ」
銃も硬えし、態勢も崩さねえか…。
俺は舌打ちを一つ打ちながら、死角から撃ち込まれたビームを左手のひらで受け止める。
ちょっと熱い…。
「………………」
ビームを死角から撃った奴(ヒイロ)は特に顔色を帰ることなく、俺の死角、死角へと移動を続けるが…
「(お前の相手は後だ………とりあえずグラサンを…なっ)『縮地』っ!」
既にこちらに銃を向けていたグラサンの右側に移動。気付いたグラサンは直ぐに反応し右手の銃を振ってくるが…。
「遅いっ!!」
『ガンッ!!』
「ぐあっ!?」
銃ではなく、右手の甲を左拳で打つ。
グラサンは銃を落とすも、左手の銃を俺に向けようとする。
「それも遅いっ!」
左手の銃口が向けられる前に、俺は右拳を振り抜いた…。
『ドゴォッ!!』
「っ!?」
グラサンの右頬を直撃し、サングラスは割れ顔から外れる。
グラサン(もう外れているが)は大きく吹き飛び地面を何度も転がり、そのまま起き上がらないのを確認する前に…
「…ぉっとぉ」
『バシィッ!』
俺が拳を振り抜いたところを間髪入れずにビームを撃たれるが…。
俺は避けずに打ち消す。
「………………」
「(無愛想な奴だな…。さっきもだがビームを打ち消されてもかわされても、仲間がやられても表情一つ変えやがらねぇ…)」
俺が一歩動くと同じだけ動いて、自分の距離を保つ………俺が縮地で一気に距離を詰めるのを見ていてるのに戦法を変えないとは…。
縮地に対する手段でも持っているのか?
一人を倒したので俺の死角を取るのは止めて、一定の距離を保ち、移動しながら二丁の銃で交互に撃ってくる…。
「………………」
「………………」
避け、打ち消し、距離を詰めようとするも、やはり縮まらない…。
それだけでもあの無愛想な少年兵の強さが窺えるが…縮地に対する手段が有ろうが無かろうが、とりあえず飛び込もうかっ!
「『縮地』っ!」
一気に加速し距離を詰める…
「………それを待っていた…」
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王城 正門前
「………ふっ!」
「………はっ!」
『ガッ………ゴッ………ガガガッ!!』
高速で動く、二人の勇者。
攻撃を放つもお互いの防御技術が高く、クリーンヒットは無い…。
お互いがまだ様子見であるのも理由の一端ではあるが…。
「(………これは………侮れないね。たかがギルドのトップ、そう思ったのだけど…。元勇者は伊達じゃない………か)」
「(………なかなかヤる。お互い様子見なのも分かっているだろうが………技術は高いな。勇者というだけのことはある。だが…)」
『ガンッ!!』
お互いの右拳をお互いの左腕でガードする。
一瞬目を合わせた後、距離を取る。そして…
「………………」
「………………」
少しの沈黙の後、シュウヤが口を開く。
「………フフ、『盾』との戦闘で武器が無くなったのかい?」
マサシの腰の鞘を指差す。
「………ああ。別に気にしなくても大丈夫だ…」
気にせず答えるマサシ。
「良いのかい?簡単に答えて。それとも余裕?」
「余裕とは違うが………武器はちゃんとあるからな」
「フフ…なら遠慮なく使わせてもらおうかな…」
そう言い、腰の鞘を掴み、柄に右手を添える。
『スラァッ』と抜いたその両刃の長剣は…
「………フフフ」
「………………っ」
黒とも赤とも言えない………そんな禍々しい輝きを放っていた…。
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王国アディス
衛星都市への街道
その頃、トーイチは…
『そこまでだ!………………畳み掛ける!………………いけえぇぇっ!!』
「(………今度、俺も使おう)」ウン
タブレットで動画を視て、自分の中では戦闘の勉強をしているつもりになっていた…。
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手のひらで受け止める=ちょっと熱いで済んだらしい
シュウヤ剣を抜く=禍々しい
トーイチ=勉強中(笑)
シリアスが襲撃中。
逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ。
次回もよろしくお願いします。
応援ありがとうございます!
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