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VS王国+勇者
………次っ…
しおりを挟む魔王国アディス
魔王城 正門前
「サーセンっしたっ!!」
シュウヤは思う。
ボクの仲間を殴り飛ばしておきながら何をふざけているのか…。と…。
多少は強い様だが、こちらを嘗めすぎじゃあないか…?と…。
「(………面白い奴だけど、嘗められるのは好きじゃないんだよ…)」
第四………とはいえ、一国の王子であり、常に称賛されてきた勇者でもあるシュウヤを前にして、こんなにふざけている相手は今までいなかったのだろう…。
『面白い奴』と評価はしたが、反転した勇者であるシュウヤの心に冷たい炎が宿る…。
シュウヤは右手をソウシに向け…
「………………殺れ」
冷たく言い放つ…。
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王城 正門前
「………………殺れ」
その言葉に数人が俺に向かって一斉に攻撃を仕掛けてきた…。
「(………あの右手を前に出してる奴が勇者か…)」
敵が向かってくるなか、俺は冷静に観察し『そう』あたりをつける。
今向かってきている奴らの攻撃を避け、受け、流しながら、観察し思考する。
「(………アイツのあの眼…。『狂人化《バーサーカー》』に似ているな…。………が、違う)」
勇者が『狂人化』するなんて聞いた事がないし、勇者なら恐らく耐性のスキルも持っているだろう…。
なら何だ?
まあ『狂人化』もしくは『暴走』程度なら大した事ではないが…。
多分違うな…。
問題は纏っている『黒い光』の方だな…。
トーイチにワイトやリッチが『黒い靄』を纏っていて、Lvより全然強かった…って聞いたが…。
『黒い靄』を纏った魔物なら俺も過去に倒している。
確かに通常の同種の魔物よりも強かったが…。
「(『ソレ』とも違う気がするな…)」
どちらにしてもアイツは厄介そうだ………。
………さて、と。
思考を戦闘に戻し、今俺に攻撃している奴ら意識を向ける。
「(まだ数人…勇者の側に残ってはいるが…とりあえずコイツらから…)」
俺はちょうど袈裟にロングソードを振り下ろしてきた奴の右側に回転しながらかわし、右後ろ回し蹴りで顎を打ち抜く。
『バキィッ!』
「………あ…が…」
『ドサッ…』と前のめりに崩れ落ち、そのまま動きを止めた。
急に反撃に移った俺に驚いたのか、一瞬動きが止まるも直ぐに動き出す。
が………。
「遅え…」
『縮地』
『ズドンッ!』
「………ぐ………は…」
『縮地』で懐に入り肘を鳩尾に叩き込むと、膝から前に崩れた。
「く………このっ!!」
拳を『闘気』を纏って連打してくるも、軽くガードし、少し大振りになった右フックを左手で相手の内側(左側)に弾く。
「(こうされると次のガードがしづらいだろ?)」
と俺は右手を伸ばし相手の顔面を鷲掴みにし、地に叩きつける。
「………オラァッ!!」
『ズンッ!!』
「………がっ………」
『ユラァ…』と俺は立ち上がり、言い放つ。
「………次っ…」
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王城 正門までの道
怪我人の応急処置を粗方終え、正門までの道を急ぐ。
嫌な予感………また戦闘もしないで帰るのでは?という、「アレ?俺、いらない子?」感を持ってたまるかっ!
そう思い足を速める。
………一つ、また一つと感知している魔力が微弱になり、「これはソウシさんが無双してるな…」と少し焦りが出てくるが…。
「アレ?戦わないで済むなら楽で良いんじゃないか?」とトーイチに影響を受けた部分が顔を覗かせる…。
どうしようかな?と思考の天秤が揺れだしそうになったところで、シュウヤが後方警戒にと少し離れた場所に待機させていた男がマサシの前に立ち塞がる。
マサシはその男を見て…
「(今回は駆け付けるのが遅れても理由ができたな…)」
とホッとした、と同時に嫌な予感が消える。
出番があって良かった、と…。
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王国アディス
?????
その頃…。
首都サタニアから一先ず北の衛生都市を目指し、街道を歩くトーイチは…。
「………はっ?先輩が真面目に戦っている気がするっ!?」
そして…
「………ま、いっか」
と、まったく気にせず移動していた…。
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シュウヤの状態=反転。オルタ的な。
先輩=真面目に戦う。
ギルマス=出番
トーイチ=心配?美味いの?
珍しくツッコミなしでバトルする先輩。
ギルマスの嫌な予感=出番なしを予想された方は正解です。………が、今回は出番ありです。
主人公は我が道を進みますがはたして…。
次回もよろしくお願いします。
応援ありがとうございます!
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