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VS王国+勇者
ベルセ襲撃 戦闘終了後⑤
しおりを挟む魔王国アディス
魔王城 城門前
契約時のリッチの名付け…。
そんな無茶なお題が出てきた為、城内に戻ろうとしていた先輩達を巻き込………取っ捕ま………協力してもらう為、呼び戻す。
「じゃあ私は執務があるのでお先に…」
と魔王様は仕事の為、離脱。
仕事…そう言われては仕方がない。
しかし先輩は…
「………チッ、ルシファスめ、逃げたな…」
「ルシファス………逃げたわね…」
ヴィーネさんも先輩と同意見のようだ。
正直なところ、俺も『逃げたな』と思ってはいるが…。
………でリッチの名付けだが…
「ニクスの時みたいにお前がちゃんと考えて決めればいいだろ」
いや、無理です。
「ニクスって?」
「コイツの従魔でスノウホワイトウルフの子供だ。今、ウチで預かってる」
「へぇ………その事、聞いてないんだけど?」
「………え?言わなかったか?」
おや?
ヴィーネさんの様子が…?
「………ソウシ…正座」
ヴィーネさんが地面を指さしながら言う。
「………は?」
「………正座」
「お前、何言っ「正座」………はい、ごめんなさい」
早っ!先輩折れるの早いよっ!
そして、どうやらニクスのせいでO・HA・NA・SHIが始まってしまった様だ。
俺が呼び止めて話を聞いてもらっておいてなんだが…うん、アレだ。
逃げようっ!
そう決めた俺は『くる~り』と振り返『ガシィ』………ガシィ?
「とぉ~い~ち~くん?………何で反対向いたのかしら?」
ヴィーネさんに後頭部を鷲掴みにされていた…。
「いや、ちょっとアレがアレなんでアレかなぁって思………ミシミシいってるっ!ミシミシいってるからぁっ!!」
この後、先輩と一緒に二時間正座させられた事は言うまでもない。
正座の痺れは『状態異常無効』が効かなかった。何故だっ!?
あとリッチ………二時間ずっとニコニコして見ていたお前は許さんっ!
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王国アディス
魔王城 城内
なんだかんだ言いながら御主人様(「トーイチ様」よりはマシだ、とのこと)により素晴らしい名前をいただいた。
『リーベラ』
その名をいただいた瞬間、御主人様との『魔力回路《パス》』が繋がり、理解した…。
ああ、敗北して当然だったのだ…と。
魔力量の多さだけではない。
質………というか密度が高い魔力なのだ。
ソレは同じ魔法でも少ない魔力での使用が可能ということを指す。
さらにイコールすると大量に魔力が必要な魔法も発動しやすくなる、ということでもある。
なるほど『空龍神召喚』なんて大魔法を使っても余裕なワケだ。
黒い靄に乗っ取られていた私は何故勝てると思ったのだろうか?
まあソレはソレとして、ずっと顕現していられるみたいだし、魔王城の研究職にも就けたし、生前出来なかった研究をいっぱいしよう!
私は『ぐっ』と両手で握りこぶしを作り、貰った白衣に袖を通し、研究室へと向かった。
ちなみに『リーベラ』という名前はリッチとなった私と非常に相性が良いようで、なにやらパワーアップしていた。
名付けの時に御主人様は見たこともない薄い板のような物を見ていたけれど、何か関係があるのかしら?
今度、聞いてみよう。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
ニクス=ベルウッド商会で預かってるトーイチの従魔。モフモフ枠。
リーベラ=冥界の女王ペルセポネーと同一視された生産と豊穣の女神から拝借。リッチ⇔研究職の聖女に偶々マッチした結果パワーアップ。
薄い板=もちろんタブレットPC。名前をうぃきで検索してました。
短くなってしまった。
もちろん名前決めに時間がかかったのは言うまでもない。
次回もよろしくお願いします。
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