異世界召喚されました……断る!

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VS王国+勇者

ベルセ襲撃 戦闘終了後①

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 ルセリア帝国
 ベルセの街 南門

 
 南門から離れた処に二つの影。
 一つの影は大きな斬り傷から大量の血を流し倒れている大柄な男。
 もう一つは倒れている男の傍らに佇む、日本人の様な黒髪黒目の男。
 
「………………ごふっ………見事…」

「お前もまあまあ強かったぜ…」

「………ふ………だが…ごほっ………本気を出させる事が出来なかった…」

「………気付いてたのか?」

「………勇者………我が…主は………強い…ぞ」

「………はっ………俺より強い奴はたくさんいるぞ?それもアホみたいに強いのがな」

 そう語るリュウジ・ベルウッド・サタニア。思い浮かべるのは自分の父『鬼人:ソウシ・ベルウッド』叔父『魔王:ルシファス・ヴィ・サタニア』師であり友人でもあるグランドマスター『戦神:マサシ・コバヤシ』。
 そしてトーイチを思い浮かべ…

「(………あの人はよくわからんな…ん、強いのか?)」

 最後に母『魔王姫:ヴィーネ・ベルウッド・サタニア』が浮かぶ…。

「(………いや、強いけどオフクロは別枠だからっ!?強いけどっ!?)」

 とリュウジの脳内ではアホなやりとりが行われていたが…

「………そう…か…。だが………ごほっ…勇者は狡猾…だ…。気を…つける…がいい…」

「………ふん。お前に言われんでも気をつけるよ」

「………ふ………………では…な」

「ああ…じゃあな」

 そしてゼーガンは光の粒子になり、散っていった。
 どうやら勇者に『従者召喚』された者は力尽きるとこの様になるらしい………が、リュウジはそんな事は考えていなかった…。
 結構重要な事ですけど?




 そんな重要な事とは露知らず、リュウジはゼーガンとの戦いにそれなりに満足した様な顔をしていた…。

~~~~~~~~~~~~~~~~


 ルセリア帝国
 ベルセの街 南門


 俺が南門に到着し、門はまだ閉まっていたので飛び越えて壁外に着地する。
 視線は既にリュウジを捉えているが、リュウジの横に倒れている男はちょうど光の粒子となり、消えていってしまったところだった…。

 俺は歩き出し、もう一度『感知』を起動するも…

「………………」

 やはり敵性反応はもう一つも無い…。
 
 ヤバい…。
 俺、戦ってないんですけど…?
 皇都から助太刀に来たのに、戦ってないんですけどっ?
 まあまあ気合い入れて来たのに、戦ってないんですけどっ!?

 リュウジも俺に気付いたのか視線をこちらに向けている………が、何かジト目で見られている様に感じるのは気のせいかなぁ…。



~~~~~~~~~~~~~~~~


 ルセリア帝国
 ベルセの街 東門


 リッチ跡には金髪翠眼巨乳の美女が現れた…。
 リッチ『跡』ってなんじゃいっ!?

 金の刺繍が施された法衣を纏い、聖女然とした佇まい…。
 しかし俺の視線は深く…深く入った前スリットに釘付けであった。
 チラチラどころかガッツリと見えるフトモモは、眩しいを超えてもはや神々しかった…。

 ってやかましいわっ!
 何だっ!?前スリットってっ!?
 神々しいって何だっ!?前リッチだろっ!?
 はっ!?
 お前………さては………◯ッチだな…?
 リッチで◯ッチって事か…。
 うん、トーイチ納得…。
 ………………。
 やかましいわっ!誰が上手い事言えと?
 納得もせんわっ!?

「………………」

 俺は『スキル:並列思考』を無駄に発揮し、脳内で小さい俺がボケ倒しツッコミ倒していた。
 小さい俺verオッサンが優勢なのは、見なかった事にしようと思う。
 しかし…

「この姿なら問題ありませんよね?」

「………いや、問題だらけですけどっ!?」





 俺の対リッチ戦は今始まったのかもしれない…。



~~~~~~~~~~~~~~~~


 ルセリア帝国
 ベルセの街 西門


 
 冒険者ギルド・ベルセ支部長ステルクは辺りを見回し…

「(軽傷者は多数いるが重傷者・死傷者はいない…この規模のスタンピードでこの結果は奇跡だな…)」

 周囲の雰囲気的にちょうど全ての戦闘は終わったのだろう…と感じ取り…

「(ティリアの言った通り、東側も問題無かった様だが一体誰が…?ギルマスがこっちに来ていないから、東に行ったのはギルマスか?)」

 外れた予想をしていた…。

「(しかし…ショウ達が来てくれて助かった。さすがに『カイザー』と『エンペラー』同時には相手に出来なかったからな…)」

 ショウ達の方に視線を向けて、無言ではあるが感謝の念を送る…。

「(死傷者が出なかったのは彼らのおかけだな…)」

 そう思うステルクの彼らに向ける視線は既に仲間を見る様な柔らかいモノになっていた…。

「よぉ~しっ、お前らあっ!!ギルドに戻って祝勝会だっ!!もちろん奢りだっ、死ぬほど呑めよっ!!」

「「「ぉおおおぉっ!!!」」」

「もちろんお前らもだぞっ、ショウっ!」

「………俺たちも?良いのか…?」

「当たり前だろうがっ!」

『ニカッ』と笑うステルクに釣られ、その周りはどんどんと笑顔が増えていく。

「よぉし、てめえらっ!奢りだってよっ!呑むぞおっ!!」

「「「よっしゃああっ!!」」」

 拡がる笑顔に、それを見たステルクは満足した様な笑みを浮かべた…。







「………支部長」

「ん?どうしたティリア…もちろんお前の分も奢りだぞ」

「いえ………ギルドの経費じゃ落ちませんよ?」

「………………え?」



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


『戦神』=やっぱりあったギルマスの二つ名
結構重要な事=このあと説明があるかは未定
リッチで◯ッチ=感想から拝借
小さい俺verオッサン=エ□担当
経費=出るのは忘年会と新年会、期末の納会です

次回もよろしくお願いします。
 
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