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VS王国+勇者

ベルセ襲撃⑩

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 ルセリア帝国
 ベルセの街 南門


「我が名はゼーガンっ!ゼーガン・D・ミカヅチっ!勇者の剣也っ!!」

 大刀:散華を高く掲げ名乗りをあげる。
 その声に、叫びに合わせる様に大刀:散華はより大きな刀に型を変化させた。

 ゼーガンは『気』を解放し…

「吼えろっ、散華っ!!でやあぁあぁぁっ!!」
『ドンッ!』

 高く………高く跳び上がった。

「………………」
 さっきの俺よりも高く跳んだか…。
 ………チッ、先に跳ばれると追うのも待つのも不利。
 ………なら

 俺も『気』を解放し、スキル『身体強化:極』を使用。
 さらに『グラディマーグ』に『硬化』『斬撃強化』を付与。

 ………なら正面から突破、撃ち倒すっ!!
 


 視線をゼーガンのいる上空に向ける。
 ゼーガンは遥か上空から加速しながら打ち下ろしてくる。

「大刀:散華『眩耀』っ………チェェストオォォッ!!」

 ………速いっ………だがっ!!

「『縮地:改』っ!!」

 こちらは『縮地』を超える神速の移動術だ。
 ソレを上空に向かって使い…

「『対空迎撃:翔龍剣』っ………『炎華』っ!!!」







『ドッ………ゴオオォオォォッッ!!!』

 打ち下ろしと斬り上げ。
 二人の技が激突し、剣と刀の金属音よりも大きく爆発する様な音が響く。
 そして音に遅れて凄まじい衝撃波が周囲に及ぶ。








 そして一人…。
 その戦いを見ていた男は姿を消していた…。



~~~~~~~~~~~~~~~~


 ルセリア帝国
 ベルセの街 東門


「………………で、何?あの黒い靄に乗っ取られていて、意識はあったけど身体も会話も全然自分じゃないんですって事で合ってる?」

 土下座した『リッチ』さんは必死に俺に説明してきた。
 涙腺も眼球も無いのに涙を流すって、どんだけ命懸けで泣いてんだよ?って話なんだけど…。
 あぁ、もう死んでるから命無いのか…。
 お前は何処の海賊団の音楽家だよっ!?と脳内でツッコんでおく。

「いや、本当に乗っ取られてまして…。それに貴方の力は見ていましたから………絶対に勝てない相手に喧嘩を売る様な事は私はしません。どうか…」

『ガンガンガン』と頭を地面にぶつけながら命乞いをしてくるリッチさん。
 お前、頭ぶつけても痛くねえだろ…?
 というツッコミは入れないが、さすがにちょっと哀れである。

「で、アンタはどうしたいの?」

「出来れば貴方と契約して召喚獣という形で、研究とかしたいなぁ~と…」

「ヤだけど…」

「「………………」」

「な、何故でしょう?自分で言うのもなんですがノーライフキング『リッチ』と言えばかなり高レベル高ランクの魔物だと自負出来るくらいの、最高レアな魔物だと思うのですがっ?」

「だが断る」

「「………………」」

「………………シクシクシク」

 うわっ、泣き出した…うぜぇ。
 っ~か、その涙はどっから出てんだ…?

「いや、まあアンタが高ランクなのは分かるよ?でも研究したいって事はずっと喚び出してるって事だろ?さすがに骸骨は連れて歩けねえよ…」

 ふっ、完璧な言いわ………理由だ。ぐうの音も出まい…と思っているとシクシク泣いていたのをピタッと止め…

「なるほど…この姿が問題でしたか。なら生前の姿に…」

「………………は?何て…」

「言った?」と聞く前にリッチさんは足元に現れた魔方陣の光に呑まれる。
 そして光が収まった時、そこにいたのは…




 金髪翠眼、巨乳の聖女の様な雰囲気を持つ美女だった…。
 





 リッチさん何処行ったぁっ!?



~~~~~~~~~~~~~~~~

 ルセリア帝国
 ベルセの街 


「………………」

 もう少しで南門に着く………と思った瞬間…。

『ドッ………ゴオオォオォォッッ!!!』

 爆発音と遅れて衝撃波が襲ってきた。

「………くっ」

 俺は腕で顔を覆い、衝撃波が収まるのを待つ。
 リュウジは大丈夫か?
 と思い感知を起動。

 リュウジは勝ったっぽいな…。
 ………ん?

「………………」

 もう一人がいない…。







 ………ん?


〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


大刀:散華『眩耀』=雲燿のオマージュ
『対空迎撃:翔龍剣炎華』=るろ剣のオマージュ。スト2ではない。炎華は花火を変化、打ち上げの意で付けた足した
リッチさん=何故か美女化
ギルマス=まさかのバトル無し


なんとか十話でベルセのバトル終了。
次回は事後処理編。はたして何話かかるのか?

次回もよろしくお願いします。
 
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