73 / 225
VS王国+勇者
ベルセ襲撃⑩
しおりを挟むルセリア帝国
ベルセの街 南門
「我が名はゼーガンっ!ゼーガン・D・ミカヅチっ!勇者の剣也っ!!」
大刀:散華を高く掲げ名乗りをあげる。
その声に、叫びに合わせる様に大刀:散華はより大きな刀に型を変化させた。
ゼーガンは『気』を解放し…
「吼えろっ、散華っ!!でやあぁあぁぁっ!!」
『ドンッ!』
高く………高く跳び上がった。
「………………」
さっきの俺よりも高く跳んだか…。
………チッ、先に跳ばれると追うのも待つのも不利。
………なら
俺も『気』を解放し、スキル『身体強化:極』を使用。
さらに『グラディマーグ』に『硬化』『斬撃強化』を付与。
………なら正面から突破、撃ち倒すっ!!
視線をゼーガンのいる上空に向ける。
ゼーガンは遥か上空から加速しながら打ち下ろしてくる。
「大刀:散華『眩耀』っ………チェェストオォォッ!!」
………速いっ………だがっ!!
「『縮地:改』っ!!」
こちらは『縮地』を超える神速の移動術だ。
ソレを上空に向かって使い…
「『対空迎撃:翔龍剣』っ………『炎華』っ!!!」
『ドッ………ゴオオォオォォッッ!!!』
打ち下ろしと斬り上げ。
二人の技が激突し、剣と刀の金属音よりも大きく爆発する様な音が響く。
そして音に遅れて凄まじい衝撃波が周囲に及ぶ。
そして一人…。
その戦いを見ていた男は姿を消していた…。
~~~~~~~~~~~~~~~~
ルセリア帝国
ベルセの街 東門
「………………で、何?あの黒い靄に乗っ取られていて、意識はあったけど身体も会話も全然自分じゃないんですって事で合ってる?」
土下座した『リッチ』さんは必死に俺に説明してきた。
涙腺も眼球も無いのに涙を流すって、どんだけ命懸けで泣いてんだよ?って話なんだけど…。
あぁ、もう死んでるから命無いのか…。
お前は何処の海賊団の音楽家だよっ!?と脳内でツッコんでおく。
「いや、本当に乗っ取られてまして…。それに貴方の力は見ていましたから………絶対に勝てない相手に喧嘩を売る様な事は私はしません。どうか…」
『ガンガンガン』と頭を地面にぶつけながら命乞いをしてくるリッチさん。
お前、頭ぶつけても痛くねえだろ…?
というツッコミは入れないが、さすがにちょっと哀れである。
「で、アンタはどうしたいの?」
「出来れば貴方と契約して召喚獣という形で、研究とかしたいなぁ~と…」
「ヤだけど…」
「「………………」」
「な、何故でしょう?自分で言うのもなんですがノーライフキング『リッチ』と言えばかなり高レベル高ランクの魔物だと自負出来るくらいの、最高レアな魔物だと思うのですがっ?」
「だが断る」
「「………………」」
「………………シクシクシク」
うわっ、泣き出した…うぜぇ。
っ~か、その涙はどっから出てんだ…?
「いや、まあアンタが高ランクなのは分かるよ?でも研究したいって事はずっと喚び出してるって事だろ?さすがに骸骨は連れて歩けねえよ…」
ふっ、完璧な言いわ………理由だ。ぐうの音も出まい…と思っているとシクシク泣いていたのをピタッと止め…
「なるほど…この姿が問題でしたか。なら生前の姿に…」
「………………は?何て…」
「言った?」と聞く前にリッチさんは足元に現れた魔方陣の光に呑まれる。
そして光が収まった時、そこにいたのは…
金髪翠眼、巨乳の聖女の様な雰囲気を持つ美女だった…。
リッチさん何処行ったぁっ!?
~~~~~~~~~~~~~~~~
ルセリア帝国
ベルセの街
「………………」
もう少しで南門に着く………と思った瞬間…。
『ドッ………ゴオオォオォォッッ!!!』
爆発音と遅れて衝撃波が襲ってきた。
「………くっ」
俺は腕で顔を覆い、衝撃波が収まるのを待つ。
リュウジは大丈夫か?
と思い感知を起動。
リュウジは勝ったっぽいな…。
………ん?
「………………」
もう一人がいない…。
………ん?
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
大刀:散華『眩耀』=雲燿のオマージュ
『対空迎撃:翔龍剣炎華』=るろ剣のオマージュ。スト2ではない。炎華は花火を変化、打ち上げの意で付けた足した
リッチさん=何故か美女化
ギルマス=まさかのバトル無し
なんとか十話でベルセのバトル終了。
次回は事後処理編。はたして何話かかるのか?
次回もよろしくお願いします。
1
お気に入りに追加
6,888
あなたにおすすめの小説

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
超越者となったおっさんはマイペースに異世界を散策する
神尾優
ファンタジー
山田博(やまだひろし)42歳、独身は年齢制限十代の筈の勇者召喚に何故か選出され、そこで神様曰く大当たりのチートスキル【超越者】を引き当てる。他の勇者を大きく上回る力を手に入れた山田博は勇者の使命そっちのけで異世界の散策を始める。
他の作品の合間にノープランで書いている作品なのでストックが無くなった後は不規則投稿となります。1話の文字数はプロローグを除いて1000文字程です。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。