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魔王国アディス 首都サタニア
買いました?読みました?
しおりを挟む魔王国アディス
魔王軍訓練場
首都サタニアに到着して一週間が経過した。
先輩からも魔王城からも連絡が無く、「平和だなぁ」と思いながら、俺が連戦連敗について物思いに更けていると連絡が入る。
王城、来られたし
さすがに断るのもどうかなぁと思いつつ、「(面倒くさっ)」と嫌々、本当に嫌々登城すると、何故か訓練場に通される。
もちろん、そこには先輩がいたのだが…。
『バチィッ………バチチチ』
「………雷◯っ!!」
『バチィッ!!』
「「「ギャーっ!!」」」
『キィーーーン………』
「………螺旋◯っ!!」
『スドォオォォン!』
「「「うわあぁあぁっ!!」」」
『バチィッ………バチチチ』
「………◯鳥っ!!」
『バチィッ!!』
「「「ソレさっきと同………ギャーっ!!」」」
「………………」
どこかで見た事も聞いた事もある技でヴィーネさんが無双していた。
「………先輩」
「………なにかな、トーイチくん?」
「………NARUT◯、買いました?」
「………買ったね」
「………ヴィーネさん、読みました?」
「………読んでたね」
「「………………」」
「………じゃあ、しようがないですね」
「………そうだね」
魔王軍の兵士達はこの後、雷属性耐性と風属性耐性のスキルをゲットしたとかなんとか…。
「………ん?」
「魔王様、どうかされましたか?」
「………いや、訓練場の方が何か騒がしくないか?」
「ああ、ヴィーネ様が新技を試すと訓練場に行ったみたいです」
「従姉さんが?………………ならいいか」
一瞬ソレはマズイ、と思いかけるも、逆に喜びそうな奴らも多そうだし、まあいいか。と思ったらしい…。
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王国アディス
魔王城厨房
「何で呼び出したのかと思ったら、まさかカレーを作らされるとは…」
「悪ぃな、俺一人じゃ量作るのがキツかったからさ。でも生、食いてえだろ?」
と言う事で、呼び出しの理由はカレー作りである。
先輩と二人、特大鍋を前にえっちらおっちらと作業をしていた。
しかしカレーを現役の魔王様が口にするのかね?と疑問に思いつつ、焦げない様にかき混ぜる。
既にルーは投入済みなので厨房内はカレーの匂いに支配されていた。
いや、魔王城全域に届いているのではなかろうか?
だって厨房の外に人が集まって来ているもの。
良い匂いだからしょうがないよね。
ちなみに城のコックさん達はエ◯ラさんの被害者で餌付け済みとの事。
先輩何してんの。
ルーも出来上がり、ライスも炊けたところで、豚バラ肉を炒め、ライスを盛ったところに乗せ、ルーをかける。
仕上げに生卵を落とし………完成、と。
完成までの流れをコックさん達に見せたので後はやってくれるだろう。
っ~かヤれ。
完成した『スタミナ生』を持って大食堂へ。
久しぶりのカレーだから楽しみである。
では…
「「「いただきます」」」
「………………」クンクン
「………魔王様?」
「何か良い匂いが…」クンクン
「………………確かに」クンクン
「………ちょっと食堂に…」
「………まだ書類が終わってませんぞ」
「………はい」チッ
魔王が食堂に行った頃、特大鍋のカレーは既に無く、『orz』ガクーンと崩れ堕ちた魔王が可哀想だったので先輩がもう一鍋作ったそうな…。
俺?
俺はカレー食った後、直ぐに宿に帰りましたけど?
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王国アディス
魔王城客間
「………あら?今度は何読んでいるの?」
俺がちょうど『マッスルマン』のタッグ編を読んでいるところにヴィーネが風呂から戻ってきた。
ソファーで読んでいる俺の肩越しに漫画を見ると…
「あら、この技………コレが元だったのね。へえ~」
と一巻から読み始める。
「………この技、出来そうね」
「………コレも良いわね」
「………コレは…明日…」
とかなんとか言っているが、俺は知らない。
ただ、明日も訓練場は騒がしくなりそうだな、と俺はベッドにそっと入り意識を飛ばした。
多分、NARUT◯よりは被害はマシだろう…と。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
雷◯=アレ
螺旋◯=アレ
千◯=アレ
スタミナ生=魔王城を制圧
スタミナ生=魔王様も陥落
マッスルマン=もちろんモデルはアレ
次回もよろしくお願いします。
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