二度目の転生は傍若無人に~元勇者ですが二度目『も』クズ貴族に囲まれていてイラッとしたのでチート無双します~

K1-M

文字の大きさ
上 下
219 / 250

VSセツナ=フォン=エクシア②

しおりを挟む
『刻を視る者』と『可能性の獣』を持つ俺と『変革者』を持っている…かどうかは知らないが国王セツナ=フォン=エクシアとの激しい絶戦…いや舌戦は続いていた。

内容は自分の主張を言葉を替えて押し付けあうような酷いものであったが、それぞれの理由が自分の自由と自分の身の安全ということもあり、それはもう必死である。

まあ理由が酷いのは自覚してはいるが譲る気はこれっぽっちも、一欠片も俺には無い。国王陛下…残念だがさっさと諦めるがいいっ!

「はあ…はあ…はあ…」

「はあ…はあ…はあ…」

お互いに息を荒くしつつも睨み合いは続く。実際は薄っぺらい笑みを浮かべた仮面を被っているかのような表情なのだが…。

「本音が透けて見えているのに、それを言葉に出さずに伝えられるのは凄いですね」
「その本音がどうしようもないんですがね」

どちらが言ったのかはわからないが団長のオッサンとシーバスの会話である。
二人にも伝わっているのだから、当然俺と国王はお互いの本音を理解しているワケだ。
だからこそ…負けるワケにはいかんっ!!

しかし…

「良いのか?ユーリウス=フォン=ゼハールト…」

「………?」

「君が断るのであれば…」

「………………」

「この話は………君の兄に行くぞ?」

「なっ………なんだってえぇっ!?」

こ…この野郎、ここにきてセイ兄を人質にっ!?

「最低ですね…」
「最低ですな…」

「くっ………卑怯な」

お、俺にはセイ兄を裏切ることなんて…。

「ユーリウス様は気付いていないようですね」
「そうなったらなったで、その兄に任せれば良いだけの話なのだがな…」

そんな二人の会話も聞き取れず、俺はなんとか出来ないかと思考する。
考えろ、考えろ…。

「ふっ………さあ、どうするユーリウス=フォン=ゼハールト。大人しくこの話を受けるのであれば、君の兄が犠牲になることは無い…だがっ!」

「くっ………陛下、それは少し待ってください」

「一国王のすることではありませんね」
「陛下…それはさすがに…」

くそっ、なにか…なにか無いか?この現状を打破出来るようななにかがっ!

『キュピーン』

その時、俺の『刻を視る者』が反応する。これは…

「ふっ………何も無いようだな。では潔くこの話を受け『コンコンコン』むっ…誰だ?今良いとこ」『あなた?ちょっとお話があります』「っ!?マリナっ!?」

ノックの後に続く女性の声…。それに『マリナ』ってたしか…

『ガチャリ』

入室の許可を国王が出す前にその女性はドアを開け入ってくる。
リリアーナ第三王女に良く似た顔立ち、長く輝く金髪は後ろでアップにして纏められている。豪奢なドレスを身に纏ったその人物は…

『マリナ=フォン=エクシア』

粉うことなきエクシア王国の第一王妃である。
しおりを挟む
感想 107

あなたにおすすめの小説

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。

アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。 両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。 両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。 テッドには、妹が3人いる。 両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。 このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。 そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。 その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。 両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。 両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…   両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが… 母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。 今日も依頼をこなして、家に帰るんだ! この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。 お楽しみくださいね! HOTランキング20位になりました。 皆さん、有り難う御座います。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

異世界でタロと一緒に冒険者生活を始めました

ももがぶ
ファンタジー
俺「佐々木光太」二十六歳はある日気付けばタロに導かれ異世界へ来てしまった。 会社から帰宅してタロと一緒に散歩していたハズが気が付けば異世界で魔法をぶっ放していた。 タロは喋るし、俺は十二歳になりましたと言われるし、これからどうなるんだろう。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

処理中です...