二度目の転生は傍若無人に~元勇者ですが二度目『も』クズ貴族に囲まれていてイラッとしたのでチート無双します~

K1-M

文字の大きさ
上 下
214 / 250

よし、行こう!

しおりを挟む
「貴様は王の命を無視する…というのだな」

そう言い放つ団長のオッサンの声は低く渋い。そしてもちろん、威圧感たっぷり増し増しである。具体的には…そう、某ソロモンのナイトメアさんのような…えっ?全然具体的じゃないって?良いんだよ、俺が好きなんだから…。
そして、そんな某ソロモンの悪げふんげふん…ナイトメアさんに似た、威圧感たっぷりの渋い声を向けられた我が愚兄はというと…

「そ、そそそ、そんなことはっ…」

と焦りの表情とともに噛みまくりである。

「黙れっ!ならば何故このような状況になっているっ?」
「そ、それはっ…そこの愚弟ユーリウスの…そうっ、ユーリウスのせいで我がゼハールト家がおかしくなってしまったのです。私はゼハールト家の嫡男としてユーリウスを倒しっ、ゼハールト家を正しい道へと戻さなくてはならないのですっ!!」

お、おおぅ…なんか途中から自分の言葉で盛り上がって上手いこと言えたっ!…みたいな雰囲気出しちゃってるけど…

「だからどうした…」
「………はっ?………いや、あの」「だからどうしたっ、と言っているっ!!」

ビクゥッ…とビビり散らす我が愚兄エリウス。ただし…今の声には俺とシーバスもビビったりしていたりする…。突然大声出さないでよねっ。

「貴様は騎士でありながらっ、王命よりも自家を優先させるっ!その上での私闘っ!それで良いのだなっ!?」
「っ!?け、決してそのようなこ」「では、どういうことだっ!?今、貴様が言ったことだろうっ!!」

「うぐっ…」

団長さん…詰め方がパじゃねえ。

「ユーリウス様に似ていますが、煽りが無い分あれは厳しいですね…」

シーバスが呟く。………何?ソレは暗に俺を揶揄してる?

「………いえいえ、そんな…」

う…嘘くせぇ。まあ、いいけど…。
ほっほっほっ…とそんな時だけ好好爺とするんじゃないよ。そんな筋骨粒々な爺が………結構いるな、この異世界には。

「…でエリウス=フォン=ゼハールト、貴様どうする?どうするべきか分かっているよな…」
「ぐっ…」

某沈黙なシリーズの主人公のような声で我が残念な愚兄に問う。
エリウスはそんな憎々しい目で俺を見てくるのは止めてくれないかな?全部お前が自身で招いたことだよ?分かってる?

エリウスはしばらく「ぐぬぬ…」と唸っていたが、ふと一息吐き、騎士団長に顔を向ける。

「申し訳ありませんでした。宿舎に戻り謹慎します」

ペコリと頭を下げ、くるりとこちらに身体を向け、歩いてきた。
おい団長さん、何も言わないの?もう終わり?と思っているとエリウスがすれ違い様にボソリ…呟く。

「覚えていろユーリウス…」



『ドゴンッッッ!!』

「あっ」
「あっ」

「………はっ」

…しまった、思わずぶん殴ってしまった。
エリウスの方が背丈は高いものの、打ち下ろし気味に右を叩きつける。正門前の石畳に罅が入る程度に強目に殴ったので、しっかり白目を剥いて気絶。
俺に殴られたエリウスの左頬からプシュ~と煙が出ているのは恐らく幻覚だろう…多分、きっと。

「よし、団長さん。案内お願いします」

「ええぇ………」
「ユーリウス様…」

そんな残念な目を俺に向けるのは止めてくれませんかね…。
しおりを挟む
感想 107

あなたにおすすめの小説

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった

Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。 *ちょっとネタばれ 水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!! *11月にHOTランキング一位獲得しました。 *なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。 *パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

異世界でタロと一緒に冒険者生活を始めました

ももがぶ
ファンタジー
俺「佐々木光太」二十六歳はある日気付けばタロに導かれ異世界へ来てしまった。 会社から帰宅してタロと一緒に散歩していたハズが気が付けば異世界で魔法をぶっ放していた。 タロは喋るし、俺は十二歳になりましたと言われるし、これからどうなるんだろう。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!

あるちゃいる
ファンタジー
 山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。  気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。  不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。  どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。  その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。  『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。  が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。  そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。  そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。   ⚠️超絶不定期更新⚠️

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

処理中です...