210 / 250
だが俺はまだ…
しおりを挟む
「ぐぬぬ…」、「う~~~ん…」、とそれぞれ別の意味で悩む国王セツナ=フォン=エクシアと俺ことユーリウス=フォン=ゼハールト。
それを困った顔をする宰相のオッサンとニヤニヤを隠そうとしつつ隠せていないシーバスが見守る。…いやいや隠せよシーバスは…。まあ、お前はあとでSTFで絞めるけどな…。
「そんなっ!?」みたいな顔しても許さんよ?
そして数瞬…。
『ゾクリ』
「「っ!?」」
突然激しい悪寒を感じる。
悪寒を感じたのは俺と国王だけのようだ。チラリと見ても宰相とシーバスは何も感じていないのがわかる。
どういうことだ?俺は『危機感知』的なスキルは持っていないというのに…こんなに危険を感じるなんて。
何に…なのかわからないが戦々恐々としている俺と国王の二人。
そんな中…
『コンコンコン…』
「「っ!?」」
謁見の間隣に位置する控え室…俺たちのいる部屋に響くノックの音…。そして『ビクゥッ』とする俺と国王の二人。
間違いない…このノックをした人物が、この悪寒の正体…。
俺は『マップ』を展開し人物を確認する…って、えっ?これ…。
『マップ』の光点の色は青。青の表示ならば敵であることは絶対にありえないはず…。そして何より、俺の知っている人物だった…。
い、いかんっ!宰相のオッサン、その扉を開けては駄目だっ!…と俺が言うワケにもいかず…
「誰だ?今は陛下が…」『お父様…リリアーナです』
扉の向こうからリリアーナ王女の声が響く。扉を挟んでいるからか、少しくぐもって聞こえるにも関わらず、その声には高貴さと優しさを感じる………はずなのに、何故か怖いんですが…。
「王女殿下?何故こちらへ…いえ、今開けます」
そして宰相のオッサンが扉を開く。
そこにはドレスに身を包み、金髪縦ロールを輝かせるリリアーナ=フォン=エクシア第三王女殿下が………国王の持つ『GMソード』に似た剣を持って立っていた…。
「リ、リリアーナ…ヴァーチェにいるんじゃなかったか?何故ここに…それより学校」「お黙りなさいお父様っ!」「………はい」
弱っ!?国王、弱っ!?
「宰相とユーリウス君のお付きの方は下がってください」
「「はっ」」
「それでは国王陛下、失礼します」
「ユーリウス様、失礼します」
失礼します…じゃないっ!?おまっ、俺を置いていく気かっ!?「ぷっ…」笑ったっ!?シーバスっ、おまっ、今笑ったろっ?あとで覚えとけよっ!?
『バタン』
無情にも二人が出ていった扉が閉まる音が控え室に響く。
チラリと国王を見ると「ああ…行かないでくれぇ…」と言わんばかりの表情。どうやら俺とシーバスと似たようなアイコンタクトでの会話があったようだ。
…だが俺はまだ諦めない。
「リリアーナ王女、それでは私もこの辺」「ユーリウス君」「はい、すんませんした」
秒で諦めたのは言うまでもない…。
それを困った顔をする宰相のオッサンとニヤニヤを隠そうとしつつ隠せていないシーバスが見守る。…いやいや隠せよシーバスは…。まあ、お前はあとでSTFで絞めるけどな…。
「そんなっ!?」みたいな顔しても許さんよ?
そして数瞬…。
『ゾクリ』
「「っ!?」」
突然激しい悪寒を感じる。
悪寒を感じたのは俺と国王だけのようだ。チラリと見ても宰相とシーバスは何も感じていないのがわかる。
どういうことだ?俺は『危機感知』的なスキルは持っていないというのに…こんなに危険を感じるなんて。
何に…なのかわからないが戦々恐々としている俺と国王の二人。
そんな中…
『コンコンコン…』
「「っ!?」」
謁見の間隣に位置する控え室…俺たちのいる部屋に響くノックの音…。そして『ビクゥッ』とする俺と国王の二人。
間違いない…このノックをした人物が、この悪寒の正体…。
俺は『マップ』を展開し人物を確認する…って、えっ?これ…。
『マップ』の光点の色は青。青の表示ならば敵であることは絶対にありえないはず…。そして何より、俺の知っている人物だった…。
い、いかんっ!宰相のオッサン、その扉を開けては駄目だっ!…と俺が言うワケにもいかず…
「誰だ?今は陛下が…」『お父様…リリアーナです』
扉の向こうからリリアーナ王女の声が響く。扉を挟んでいるからか、少しくぐもって聞こえるにも関わらず、その声には高貴さと優しさを感じる………はずなのに、何故か怖いんですが…。
「王女殿下?何故こちらへ…いえ、今開けます」
そして宰相のオッサンが扉を開く。
そこにはドレスに身を包み、金髪縦ロールを輝かせるリリアーナ=フォン=エクシア第三王女殿下が………国王の持つ『GMソード』に似た剣を持って立っていた…。
「リ、リリアーナ…ヴァーチェにいるんじゃなかったか?何故ここに…それより学校」「お黙りなさいお父様っ!」「………はい」
弱っ!?国王、弱っ!?
「宰相とユーリウス君のお付きの方は下がってください」
「「はっ」」
「それでは国王陛下、失礼します」
「ユーリウス様、失礼します」
失礼します…じゃないっ!?おまっ、俺を置いていく気かっ!?「ぷっ…」笑ったっ!?シーバスっ、おまっ、今笑ったろっ?あとで覚えとけよっ!?
『バタン』
無情にも二人が出ていった扉が閉まる音が控え室に響く。
チラリと国王を見ると「ああ…行かないでくれぇ…」と言わんばかりの表情。どうやら俺とシーバスと似たようなアイコンタクトでの会話があったようだ。
…だが俺はまだ諦めない。
「リリアーナ王女、それでは私もこの辺」「ユーリウス君」「はい、すんませんした」
秒で諦めたのは言うまでもない…。
0
お気に入りに追加
1,695
あなたにおすすめの小説

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています

転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされ、生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれてしまった、ベテランオッサン冒険者のお話。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?


爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。
異世界で等価交換~文明の力で冒険者として生き抜く
りおまる
ファンタジー
交通事故で命を落とし、愛犬ルナと共に異世界に転生したタケル。神から授かった『等価交換』スキルで、現代のアイテムを異世界で取引し、商売人として成功を目指す。商業ギルドとの取引や店舗経営、そして冒険者としての活動を通じて仲間を増やしながら、タケルは異世界での新たな人生を切り開いていく。商売と冒険、二つの顔を持つ異世界ライフを描く、笑いあり、感動ありの成長ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる