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召還状

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痛アーマー誕生からしばらく経つと、何故か街中でローブやマントに可愛い女の子が描かれている物を身に付けているやつらが現れ始めた。
通称:痛装備の誕生である。

俺はどうやらアカン奴らの琴線に触れる文化を生み出してしまったらしい。まさか異世界で萌え絵が流行るとは思わなかった。

まあ、ソレは置いておいて…だ。

「ユーリウス、君に国王からの召還状が届いているんだけど…何したの?」

ゼハールト家で食事中に父さんからの報告。
父さん…何で俺が何かしたの確定で話をするんですかね?

「ユーリウス…」

母さん…何で悲しそうな顔をしているんですかね?

「ユーリ兄…」

十歳になったレイナにまで心配そうな顔をされている俺は一体…。

「ガッハッハッ!遂に何かやらかしたかユーリウス!素直に言えば儂が王に減刑してもらうよう頼んでやらんでもないぞ?」

黙れジジイ…ぶっ飛ばすぞ。

「義父さん…召還状ですから。逮捕状じゃないですから。さすがにユーリウスも罪になるようなことは………で、何したの?」

全然信用されてませんねっ!?

「…いや、何もしていないし、覚えもないけど…」

「ユーリウス…」
「ユーリ兄…」
「「何したの?」」

いや、何もしてねぇって言ってるんですけど?

「いや、だから何も…」

「ユーリウス…君がリリアーナ王女殿下を口説いていた…という噂が僕のところにも届いているんだけれど…そのことじゃないのかい?」

「はあっ?そんなことまったくしていないし、大体王女と絡んだのだってちょっと前…」

いや、ソレか。
ソレが王様の耳に届いて、で召還状がここに届くまでのタイムラグになったのか…。

「やっぱりか…いや、君がリリアーナ王女殿下に好意を持つのは構わないのだけれどね、家は男爵家…君が王族に嫁ぐのも王女が降家するのも、立場的にはちょっと…いや、大分難しい話なんだよ?」

「ちょっと待ってくれ父さん。だから俺は何もしてないんだ。誤解も誤解、本当に何もないからな。その辺は本人なり王女の取り巻きなりに聞いてもらえればすぐに分かるはずだ」

「まあ、分かるだろうね。…で王家がそんな聞き取りもしないで召還状を送ってくると思う?」

「…なん…だとっ!?」

マジか…聞き取り調査とかをしたのなら誤解だと分かっているはずだ。それなのに…か。
待て待て待て…何かしたか?俺…。いやいやいや…王家になんか何もしていないはずだ。
王女も男爵家の五男との噂なんてしてほしくはないはずだ。そもそも俺は大人の女性が好きで、中高生になど正直興味は無い。
まあ、リリアーナ王女が可愛いくないとは思わないが、それでも俺のストライクゾーンからは外れているのだ。

おかしい…何か別の巨大な力でも働いているんじゃないか?
でなければまったく説明がつかない。一体何が…?






「いやいや…国王の親バカが出とるだけじゃろう。大きな力も変な組織も動いてりゃせんわい」
「大旦那様、そういうことはもっと早くおっしゃいませんと…」

「お前も黙っておったじゃろう…」
「その方が面白そうだったので…」

「お前も悪じゃのう…」
「いえいえ、大旦那様ほどでは…」

この、義祖父さんとシーバスの会話は二人以外に聞いている者はいなかった…。
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