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貴族なら、男なら
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「避けるなあああっ!!!」
俺たちが揉めているところは昇降口である。どんどんと見物人…といよりは野次馬だな…が集まってきている中、俺は決闘だと言われて投げられた白い手袋を華麗に避けた。まあ、当然「避けるな」と叫ばれたワケだが…。
周りからは「ぷっ…」やら「クスクス」やらちらほらと聞こえてくる。手袋を勢いよく投げ、避けられたソイツはプルプルと震え、物凄い形相で俺を睨みつけてくるが、その顔は怒りからなのか、恥ずかしさからなのか…耳まで赤に染まっていた。
「おのれ…騎士の決闘を愚弄するかっ!?」
「いや、俺は騎士じゃねえし…」
「くっ…」
間髪入れずにそう返すと呻く姿に周りからはまた笑い声が小さく漏れていた。
「騎士でなくてもっ、貴族ならっ、男ならっ、決闘を受けろっ!!」
そう叫びながらもう一つ、ポケットから手袋を取り出す。まあ、両手分はあるよな…。そしてそのまま、再び俺に向かって投げつけてきた。
『ヒュッ』
『サッ』
『………パサ』
「………………」
「………………」
そこには先ほど起こったことが同じように繰り返された画が出来上がったワケだが…周りは同じ、とはならなかったようだ。
「「「ぷっ…」」」
「「「あははははっ!!!」」」
『わっ!』と笑いが起こる。
「あ、あいつ…二回も避けやがった」とか「可哀想…ぷっ」とか聞こえてくるが俺はまったく気にしないし気にならない。
………相手は別のようだけど…。
顔を俯かせ、自分の足下の辺りを見ているようだが…その表情は見えない。どんな表情をしているのか下から覗きこんでやりたいが…さすがに駄目かな。
あ~あ、リリアーナ王女も他の取り巻きと一緒にちょっと笑っちゃってるし…。
変に俺に絡むからこうなったんだよ?その辺り分かってる?
笑いが収まってくると、明らかに様子が変わる。俯いているせいで、未だその表情は見えないが…おいおい、校内で魔力を練るんじゃない。
そのことに今気付いているのは俺と、王女の取り巻きの数人だけ…か。
そして魔力を練っている、ということは次の行動も大体予想はつく。
「……れ、…のれ、おのれ、おのれっ、おのれっ!ゼハァールトオオッ!!」
俯いていた顔を上げ、身体強化したであろう状態で俺との距離を一気に詰めてくる。
その表情は血走らせた目を見開き、物凄い形相で襲い掛かってくる…のだけど…
「遅い」
俺は冷静にカウンターを取り、正確に顎をカツンと打ち抜く。
脳を揺らされた相手は俺の目の前で糸が切れたように崩れ落ちた。
ボコボコにしようかとも思ったけれど、あまりやり過ぎると後でさらに面倒なことになるからな…、こんなもんで良いだろう。
俺たちが揉めているところは昇降口である。どんどんと見物人…といよりは野次馬だな…が集まってきている中、俺は決闘だと言われて投げられた白い手袋を華麗に避けた。まあ、当然「避けるな」と叫ばれたワケだが…。
周りからは「ぷっ…」やら「クスクス」やらちらほらと聞こえてくる。手袋を勢いよく投げ、避けられたソイツはプルプルと震え、物凄い形相で俺を睨みつけてくるが、その顔は怒りからなのか、恥ずかしさからなのか…耳まで赤に染まっていた。
「おのれ…騎士の決闘を愚弄するかっ!?」
「いや、俺は騎士じゃねえし…」
「くっ…」
間髪入れずにそう返すと呻く姿に周りからはまた笑い声が小さく漏れていた。
「騎士でなくてもっ、貴族ならっ、男ならっ、決闘を受けろっ!!」
そう叫びながらもう一つ、ポケットから手袋を取り出す。まあ、両手分はあるよな…。そしてそのまま、再び俺に向かって投げつけてきた。
『ヒュッ』
『サッ』
『………パサ』
「………………」
「………………」
そこには先ほど起こったことが同じように繰り返された画が出来上がったワケだが…周りは同じ、とはならなかったようだ。
「「「ぷっ…」」」
「「「あははははっ!!!」」」
『わっ!』と笑いが起こる。
「あ、あいつ…二回も避けやがった」とか「可哀想…ぷっ」とか聞こえてくるが俺はまったく気にしないし気にならない。
………相手は別のようだけど…。
顔を俯かせ、自分の足下の辺りを見ているようだが…その表情は見えない。どんな表情をしているのか下から覗きこんでやりたいが…さすがに駄目かな。
あ~あ、リリアーナ王女も他の取り巻きと一緒にちょっと笑っちゃってるし…。
変に俺に絡むからこうなったんだよ?その辺り分かってる?
笑いが収まってくると、明らかに様子が変わる。俯いているせいで、未だその表情は見えないが…おいおい、校内で魔力を練るんじゃない。
そのことに今気付いているのは俺と、王女の取り巻きの数人だけ…か。
そして魔力を練っている、ということは次の行動も大体予想はつく。
「……れ、…のれ、おのれ、おのれっ、おのれっ!ゼハァールトオオッ!!」
俯いていた顔を上げ、身体強化したであろう状態で俺との距離を一気に詰めてくる。
その表情は血走らせた目を見開き、物凄い形相で襲い掛かってくる…のだけど…
「遅い」
俺は冷静にカウンターを取り、正確に顎をカツンと打ち抜く。
脳を揺らされた相手は俺の目の前で糸が切れたように崩れ落ちた。
ボコボコにしようかとも思ったけれど、あまりやり過ぎると後でさらに面倒なことになるからな…、こんなもんで良いだろう。
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