上 下
132 / 250

ゴブリン迷宮 二階層ボス戦

しおりを挟む
ゴブリン迷宮二階層ボス部屋へ入る。一階層と同じく、俺たちが侵入すると入口の扉が自動で閉まり、部屋中央の地面に魔方陣が浮かび上がる。

俺としては、あの魔方陣を地面ごと破壊したらボス戦が終わるんじゃなかろうか?などと思ったりするのだが、お約束的にアカンか…と、前世でもさすがに試したことはない。
まあ多分、地面は破壊出来たとしても魔方陣は宙に浮いた状態で生きているだろうな…という予想はしている。…知らんけど。

さて、ボス戦である。
二階層はゴブリンリーダー率いる、ゴブリンソルジャー、ゴブリンアーチャー、ゴブリンシールダー、と相変わらず物理だけだが、今回は上位種を揃えてのパーティー編成である。
ゴブリンリーダーは戦闘力だけなら他の上位種と大して変わらないのだが、いるだけでパーティーとしての戦力が若干上がるので厄介と言えば厄介なのだが…。

「リーダーは最後で良い。アーチャーを魔法で牽制しつつ、ソルジャーから倒せ。シールダーは同じ盾で押さえろ。支援魔法忘れるな」

「「「応っ!!!」」」
「「はいっ!!」」

…と指示は出しても、言うほど先ほどまで…ボス戦前の通常戦闘と然程変わりなく対処していく仲間たち。レベルも突入前より二~三ほど上がっていて、これまでの戦いで身体の動かし方や魔法を行使するタイミングなどに慣れたこともあるのだろう。
苦戦する様子もなく、ゴブリンたちを圧倒している。

ここでリーダーの周りに魔方陣が4つ浮かび上がる。追加のゴブリンが四体出現した。中々に厭らしいが…。
今までの戦闘なら、この追加のゴブリンには俺が当たるのだが…戦闘中に敵の追加など有って当たり前のことなので、気を引き締めてもらうために自分たちで対処してもらおうか。

「「っ!?」」
「追加っ!?」
「うそぉっ!?」
「大丈夫っ!支援魔法いきますっ!」

回復役の娘が後方にいるのもあって、落ち着いて対応する。良い判断だ。
支援魔法をもらったからか、残りみんなも落ち着きをすぐに取り戻す。

「『挑発タウント』っ!!」

盾をドンッと地面に刺すように叩き付け、アーツを発動する。
おおっ!?あれは盾役のアーツか。
アーツを発動するとゴブリンたちのヘイトが盾役に集中する。

「『防御魔法プロテクション』っ!」

防御魔法の青い光がみんなを包み込む。『防御上昇』と違い、攻撃そのものを防ぐ魔法だ。効果は短時間だが状況を変える時間が欲しい時には非常に有効だろう。

「みんなっ、今のうちにっ!」
「「「応っ!!!」」」
「十秒後っ、撃つよっ!」

掛け声と共に一斉攻撃。リーダーも『挑発』に釣られ前に出てきている。ゴブリンたちを撥ね飛ばしたところで十秒、攻撃陣が引いたところに…

「『火炎壁ファイアウォール』っ!!」

集まっていたゴブリンたち、そして前に出てきていたリーダーも巻き込み、炎の壁が吹き上がる。
………アレって防御系の魔法じゃなかったっけ?

炎の壁が収まるとほぼ全滅しているゴブリンたち。体力が多かったのだろうシールダーに止めをさして戦闘終了。
俺は最初に口出ししただけで、あとは全部自分たちで対処していたし出来ていた。うん、良いパーティーだと思う。

…で、結構魔力使っちゃってたけど…回復薬使う?
しおりを挟む
感想 107

あなたにおすすめの小説

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

異世界でネットショッピングをして商いをしました。

ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。 それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。 これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ) よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m hotランキング23位(18日11時時点) 本当にありがとうございます 誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。

神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~

雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。

小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です  2024年6月中旬に第一巻が発売されます  2024年6月16日出荷、19日販売となります  発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」 中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。 数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。 また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています 戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています そんな世界の田舎で、男の子は産まれました 男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました 男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります 絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて…… この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです 各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

小桃
ファンタジー
 商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。 1.最強になれる種族 2.無限収納 3.変幻自在 4.並列思考 5.スキルコピー  5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。

処理中です...