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O・HU・RO・⑧
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二十分ほど経っただろうか…。
用意した着替えを着てはいるものの、タオルを首に掛けた父さんとセイ兄が、目隠し代わりの布を掻き分けるように出てきた。
風呂上がりにタオルを首に掛ける…はレクチャーした内容に入ってないんだが…?
そして…
「あ…あなた…何か、凄い素敵になってないかしら?」
「ん?………そうかい?」
レイナを抱えながら、父さんに言う。…頬を朱に染めながら…。
………砂糖を吐きそう、とはこういうことか。と思いつつ、父さんとセイ兄を眺めると…。
なるほど…。
原因は鑑定先生に自動錬金してもらって創られた『最高級』のボディーソープやシャンプーたちか…。
ボディーソープで肌を磨かれ、シャンプー・リンスで二人の髪はサラサラツヤツヤと極上の輝きを放っている。…もう夕方から夜になるというのに。
つまり二人の優男っぷりが上がったのは…俺のせい、か…。
父さんにうっとりしている母さんを見ると、義母さんたちもああなるのは目に見えている。…まっ、いいか。と思っていたら突然『グリンッ』と母さんがこちらに顔を向ける。…いや怖いよ。
「ねえ、ユーリウス…?」
「な………なに?」
…何だ?目は笑っているのに………レイラ母さんが恐ろしい。背中に冷たい汗が流れる…一瞬で?
こんな…『精神耐性』も『恐怖耐性』も抜けて…。俺は…
「お風呂に入ればアリウスみたいに肌も髪も綺麗になるのかしら?」「なりますっ!」
「次は…」「次は母さんたち三人で入ったら如何でしょうか?俺はお湯を入れ替えておきますのでっ!」
「あら、そう?じゃあ二人、呼んでくるわね、うふふ…」
食い気味に答えてしまった。だって怖かったもの。ユリお。
ユリお。ってなんじゃいっ!?とツッコミたくなるが仕方なかったんや。と気持ちを落ち着かせる。
やはり女性は美に目敏い…と言うことだろうか?
「レイラが怖かった…」
「母さんが怖かった…」
ポカーンとしている父さんとセイ兄を本邸に行かせて、俺は浴室へ。お湯を抜き(『無限収納』へ入れ)新しいお湯を張る。
本番では追い焚きあった方が良いかな?
お湯が貯まるのを待っているとレイラ母さんが義母さんたちを連れてやってくる。レイナはいないからメイさんあたりに預けたのかな?
「あ、あの…その…」
「わ、私たちも…入っていいの…かしら?」
義母さんたちは、まだ気にしているようだけど、俺はもう気にしてないんだよな。
だから…
「もちろんっ!」
笑顔で答える。
「「あ、ありがとう…ユーリウス」」
少し涙を滲ませながらだったけど、初めて義母さんたちの笑顔を見た。
この時、俺は…ゼハールト家は一つになれたな。…そう思った。
長兄、長女のことを忘れて。
用意した着替えを着てはいるものの、タオルを首に掛けた父さんとセイ兄が、目隠し代わりの布を掻き分けるように出てきた。
風呂上がりにタオルを首に掛ける…はレクチャーした内容に入ってないんだが…?
そして…
「あ…あなた…何か、凄い素敵になってないかしら?」
「ん?………そうかい?」
レイナを抱えながら、父さんに言う。…頬を朱に染めながら…。
………砂糖を吐きそう、とはこういうことか。と思いつつ、父さんとセイ兄を眺めると…。
なるほど…。
原因は鑑定先生に自動錬金してもらって創られた『最高級』のボディーソープやシャンプーたちか…。
ボディーソープで肌を磨かれ、シャンプー・リンスで二人の髪はサラサラツヤツヤと極上の輝きを放っている。…もう夕方から夜になるというのに。
つまり二人の優男っぷりが上がったのは…俺のせい、か…。
父さんにうっとりしている母さんを見ると、義母さんたちもああなるのは目に見えている。…まっ、いいか。と思っていたら突然『グリンッ』と母さんがこちらに顔を向ける。…いや怖いよ。
「ねえ、ユーリウス…?」
「な………なに?」
…何だ?目は笑っているのに………レイラ母さんが恐ろしい。背中に冷たい汗が流れる…一瞬で?
こんな…『精神耐性』も『恐怖耐性』も抜けて…。俺は…
「お風呂に入ればアリウスみたいに肌も髪も綺麗になるのかしら?」「なりますっ!」
「次は…」「次は母さんたち三人で入ったら如何でしょうか?俺はお湯を入れ替えておきますのでっ!」
「あら、そう?じゃあ二人、呼んでくるわね、うふふ…」
食い気味に答えてしまった。だって怖かったもの。ユリお。
ユリお。ってなんじゃいっ!?とツッコミたくなるが仕方なかったんや。と気持ちを落ち着かせる。
やはり女性は美に目敏い…と言うことだろうか?
「レイラが怖かった…」
「母さんが怖かった…」
ポカーンとしている父さんとセイ兄を本邸に行かせて、俺は浴室へ。お湯を抜き(『無限収納』へ入れ)新しいお湯を張る。
本番では追い焚きあった方が良いかな?
お湯が貯まるのを待っているとレイラ母さんが義母さんたちを連れてやってくる。レイナはいないからメイさんあたりに預けたのかな?
「あ、あの…その…」
「わ、私たちも…入っていいの…かしら?」
義母さんたちは、まだ気にしているようだけど、俺はもう気にしてないんだよな。
だから…
「もちろんっ!」
笑顔で答える。
「「あ、ありがとう…ユーリウス」」
少し涙を滲ませながらだったけど、初めて義母さんたちの笑顔を見た。
この時、俺は…ゼハールト家は一つになれたな。…そう思った。
長兄、長女のことを忘れて。
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