二度目の転生は傍若無人に~元勇者ですが二度目『も』クズ貴族に囲まれていてイラッとしたのでチート無双します~

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俺がやれば良かった…。

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【第一回パワーレベリングの会INゴブリンの集落】が開始された。
シーバスはゴブリンたちをトレインするべく、集落の奥に向かった。義祖父さんはそれを合流予定地点近くの繁みに身を隠す。
そこから少し離れて俺とセイ兄だ。

俺は隠蔽をしつつ魔力を練り上げていく。魔力感知されてバレても面倒だしね。セイ兄は緊張のためか表情が固い。でも、やる時はやる男だって俺は信じてる。

『ドドドド…』

しばらくすると集落の北に向かってゴブリンたちがいろんな方向から集まってくる。シーバスの仕業だろうが同時に集まってくるって…どうやっているんだ?「あくまで執事ですから」とかネタも知らないクセに言いそうだな…。

ちなみに集落の北…は俺たちがいる方向で、一応集落の入口のようになっている場所である。つまり義祖父さんは入口付近の繁みにいるワケだ。

『ドドドドドドドド…』

おお…どんどん増えてくる。中央の集団後方には一際デカいゴブリンを発見。アレがキングだろう。キングの周りにはジェネラルやらナイトやらも見受けられる。

セイ兄はその数に少し怖じ気たか…表情が固いどころか青冷めていた。
リラックス効果のある魔法は覚えてないので「セイ兄…セイ兄がやらないなら俺だけ強くなっちゃうよ?」と声をかけた。
いつもみたいに甘いことは言わない。それに今のセイ兄にはこの言い方の方が良いと思ったのだ。

「っ!?………そう…だね。僕も………僕も強くなるよっ。家族を護れるようにっ!」

セイ兄の瞳から怯えが消え、光が戻る。うん、さっきの言い方で正解だったようだ。

『ドドドドドドドドドドドド…』

ゴブリンの大部隊をシーバスがトレインしてくる。そろそろか…

「マリウス様っ!」
「応っ!!」

シーバスの叫びに反応し、義祖父さんが返す。
ガサッと繁みから飛び出し、入口にいた二匹のゴブリンを捕獲…『ブンッ…ブンッ』とシーバスの方に投げ飛ばした。
シーバスはなんともない感じでソレを避け、義祖父さんと交差。

「任せます。私は散っているのを集めます」
「応よっ!任されたあぁっ!!」

シーバスは義祖父さんと一言二言交わしたあと『シュッ…』と消えた。………斥候ってああじゃないと思うんだけどなぁ…と思ったり思わなかったりが今は気にしないようにしよう。

入れ替わった義祖父さんは盾を構える。そして…

「来いっ、ゴブリン共っ!いつまで経ってもゴブゴブ喧しいんじゃあぁっ!!」

お、おおぅ…アレで『挑発』スキルが成立しちゃってるよ…。何でだ…?

「ユーリ、ユーリ。お祖父様、凛々しいね」

セイ兄がまるで英雄を見るかのような目を義祖父さんに向けていた。
ぐぬぬ…盾役、俺がやれば良かった…。
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