上 下
81 / 250

開始!

しおりを挟む
俺とセイ兄のレベル上げのため、ヴァーチェ南東の森の中、ゴブリンの集落の側まで来ていた。

「さすが集落…うじゃうじゃいるな…」

まだレベル1だからな…がっつり上がりそうだな…。と俺はちょっとワクワクしていたが…

「アレがゴブリン…うぅ、僕に出来るかな…」

大丈夫、セイ兄は俺が守るよ。

「いえ、私がお守りしますので…」

シーバス、うるさい。早く偵察行ってきて。

そんな、どうでもいいやりとりをしつつ、シーバスを一度送り出し、準備をする。
とりあえずソコで張り切ってる義祖父さんは飛び出さないようにしてくれよ。

「えっ?」

えっ?…じゃない。俺たちのレベルアップが目的で、義祖父さんたちが暴れるのは目的じゃないから、あんたらはセイ兄の護衛だから。
ショボーンとする義祖父さんは放っておいて、俺たちは俺たちで準備を進めないとな。

用意したのはスリングと呼ばれる投石用の道具だ。コレを鑑定先生に見てもらいながら散弾で飛ばせるように、かつ広範囲に飛ぶように改良。
これで多くのゴブリンに石を当てることが出来るだろう。

もちろん使用するのはセイ兄だ。
セイ兄にこの散弾型改良スリングで出来るだけ多くの敵に当ててもらい、俺の広範囲魔法で殲滅する。
これが今回の作戦である。

まだ姿は見てないがゴブリンキングとかいると経験値が大量に入るんだがな…。『マップ』を見れば分かるけど…後の楽しみにしておこうか。

そんなことを考えながらスリングに小石を集めて準備していく。セイ兄には何度か投げてもらえるようにスリングはいくつも用具してある。
上手く上位種に当たってくれると良いんだがな…。

えっ?セイ兄にそんなに石の詰まった物が投げれるかって?そんなの俺の支援系付与魔法でバフ盛り盛りにするからまったく問題無い。寧ろ、傷一つも負わせないまである。
と言いつつ、一応可能かどうかは確認済みである。

準備も終わり、偵察に行かせたシーバスを待つか…と、ちょうどシーバスが帰ってきた。

「数は三百程度。上位種もまあまあいます。姿は確認していませんが…この規模なら恐らく…」
「キングがいる…か」

義祖父さんの言葉にコクリと無言で頷くシーバス。キングがいるならパワーレベリングにはお誂え向きだな。

「キング…大丈夫…かな?」

セイ兄はキングの存在に少し怯えを見せるも…

「セイ兄…大丈夫。俺たちがいて負けると思う?」

と俺が答えるが、正直この幼児の身体では説得力に乏しい。それでもセイ兄は俺を信じてくれたようで…

「ううん…なら絶対大丈夫だねっ!」

頭を振ったあと、笑顔を見せてそう言った。
俺も…いや、義祖父さんとシーバスも、ソレに笑顔で返す。

さあ、準備は整った。

狩りの開始だっ!
しおりを挟む
感想 107

あなたにおすすめの小説

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜

自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで150万PV達成! 理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」 これが翔の望んだ力だった。 スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!? ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。

異世界でネットショッピングをして商いをしました。

ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。 それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。 これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ) よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m hotランキング23位(18日11時時点) 本当にありがとうございます 誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。

処理中です...