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エンジェルダウン!
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「こんばんは」
「あぁん?何だ坊主、こんな時間に?ガキが出歩いていい時間じゃねえぞ?」
その日の夜は雲一つなく、夜空に浮かぶ二つの月は満月…いつもよりも明るい夜だった。…普通は新月の闇夜を選びませんかね?こんな明るい夜に襲撃とか、侯爵はアホなのかな?
まあ、明るい分には俺も視やすくて良いけど…。
俺は一人で都市ヴァーチェの貴族区…ではなく、ヴァーチェの城門外周に在る侯爵の隠れ家…いや、拠点に向かった。
義祖父さんとシーバスは念のため本邸の護りである。…あと顔が割れてそうだしね。
門番に挨拶をするとチンピラかゴロツキか、テンプレよろしくな返事が返ってくる。
それでこそ悪党!だよな。容赦する気はないけれど容赦しねぇぞ?
「馬鹿で無知で、間抜けで阿保な小物侯爵…呼んでくれる?」
「………ガキィ、お前…何しに来やがった?」
おや?この門番…意外と優秀?
何を察したのかは知らないが、腰に携えていた長剣を抜き、構えはしなかったが周囲の警戒を始める。
ただ、俺が幼児ということもあり、俺には油断している。
「何か知っているなら喋りな…そうすりゃ命までは取らねえ」
いつでも俺に斬りかかれるようにしつつも未だに構えず、周囲の警戒をしている。すぐに拠点の奴らも呼んでくれれば多少楽だったんだけどな…。
何が楽かって?
室内だと立体的に動かないといけないじゃん?外ならほぼ平面だし…。
ま、やることに大した違いはないが…。
「………おいっ?何か喋れガキ…」
おっと?ただ黙りこくっているようになっちゃったかな…。
意外と優秀…とは言っても、あくまで意外と…だ。俺が魔力を高め、循環させていることにも気付いていない程度の…な。
「なっ!?」
バサリ…俺は黄金色に輝く三対六枚の光の翼を顕現させ魔力を放出。『身体強化』の魔法で能力値を爆上げする。
ギラリ…と瞳を輝かせ、門番に一撃。
「っ!?」
拠点…と言っても侯爵家の建物であるソレはなかなかに立派な物で、門番は『ズドンッ』と俺の蹴りから出たとは思えない音を響かせ、鉄製の門二枚をひしゃげて吹き飛ばし、そのまま一直線に建物の大きな木製の扉二枚を破壊し、建物内奥で爆発音を残していた。
どうやらギリギリ生きているようだ。…しぶとい。
扉が無くなったので建物内の様子が良く分かる。さすがに今ので気付かない馬鹿はいないようで一階のエントランスホールのようなところにワラワラと悪そうな顔の奴らが出てきていた。
俺は光の翼を広げながら、建物までの道をゆっくりと歩き近付く。
建物内から俺を発見した奴らは、そのあまりの異常さに警戒を強めていく。…が建物から出てこようとはしなかった。
警戒じゃなく怯え…かもしれない。
そして俺は玄関の扉が在ったところまで歩き、建物内を一瞥。結構集めてるじゃないか。
こんなに集めて、誘拐やら拉致やら襲撃やらする気だったのか?
………家の………俺の家族をっ!
魔力放出を強め、身体からパリッ…パリッとスパークが漏れ出る。
俺は静かに………だが、この場にいる全員に聞こえるように呟く…。
「目標を殲滅する」
「あぁん?何だ坊主、こんな時間に?ガキが出歩いていい時間じゃねえぞ?」
その日の夜は雲一つなく、夜空に浮かぶ二つの月は満月…いつもよりも明るい夜だった。…普通は新月の闇夜を選びませんかね?こんな明るい夜に襲撃とか、侯爵はアホなのかな?
まあ、明るい分には俺も視やすくて良いけど…。
俺は一人で都市ヴァーチェの貴族区…ではなく、ヴァーチェの城門外周に在る侯爵の隠れ家…いや、拠点に向かった。
義祖父さんとシーバスは念のため本邸の護りである。…あと顔が割れてそうだしね。
門番に挨拶をするとチンピラかゴロツキか、テンプレよろしくな返事が返ってくる。
それでこそ悪党!だよな。容赦する気はないけれど容赦しねぇぞ?
「馬鹿で無知で、間抜けで阿保な小物侯爵…呼んでくれる?」
「………ガキィ、お前…何しに来やがった?」
おや?この門番…意外と優秀?
何を察したのかは知らないが、腰に携えていた長剣を抜き、構えはしなかったが周囲の警戒を始める。
ただ、俺が幼児ということもあり、俺には油断している。
「何か知っているなら喋りな…そうすりゃ命までは取らねえ」
いつでも俺に斬りかかれるようにしつつも未だに構えず、周囲の警戒をしている。すぐに拠点の奴らも呼んでくれれば多少楽だったんだけどな…。
何が楽かって?
室内だと立体的に動かないといけないじゃん?外ならほぼ平面だし…。
ま、やることに大した違いはないが…。
「………おいっ?何か喋れガキ…」
おっと?ただ黙りこくっているようになっちゃったかな…。
意外と優秀…とは言っても、あくまで意外と…だ。俺が魔力を高め、循環させていることにも気付いていない程度の…な。
「なっ!?」
バサリ…俺は黄金色に輝く三対六枚の光の翼を顕現させ魔力を放出。『身体強化』の魔法で能力値を爆上げする。
ギラリ…と瞳を輝かせ、門番に一撃。
「っ!?」
拠点…と言っても侯爵家の建物であるソレはなかなかに立派な物で、門番は『ズドンッ』と俺の蹴りから出たとは思えない音を響かせ、鉄製の門二枚をひしゃげて吹き飛ばし、そのまま一直線に建物の大きな木製の扉二枚を破壊し、建物内奥で爆発音を残していた。
どうやらギリギリ生きているようだ。…しぶとい。
扉が無くなったので建物内の様子が良く分かる。さすがに今ので気付かない馬鹿はいないようで一階のエントランスホールのようなところにワラワラと悪そうな顔の奴らが出てきていた。
俺は光の翼を広げながら、建物までの道をゆっくりと歩き近付く。
建物内から俺を発見した奴らは、そのあまりの異常さに警戒を強めていく。…が建物から出てこようとはしなかった。
警戒じゃなく怯え…かもしれない。
そして俺は玄関の扉が在ったところまで歩き、建物内を一瞥。結構集めてるじゃないか。
こんなに集めて、誘拐やら拉致やら襲撃やらする気だったのか?
………家の………俺の家族をっ!
魔力放出を強め、身体からパリッ…パリッとスパークが漏れ出る。
俺は静かに………だが、この場にいる全員に聞こえるように呟く…。
「目標を殲滅する」
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