53 / 250
出来る!
しおりを挟む
「孫のユーリウスだ」
「ほう…アンタが孫を連れて来るなんて珍しいにも程がある。何かある…そう言っているようなもんだぞ?」
義祖父さんに襟首を持たれ、ぶらーんと突き出された俺を一瞥したあと、また視線を義祖父さんに戻す商会長。…俺は無視ですかそうですか。
「孫をそんな風に持つもんじゃない、離してやりな」
おっ、そうでもないのか。義祖父さんはそう言われ「ふん…」とソッと俺を下ろす。
「マリウスが済まないな、ユーリウス坊っちゃん。グラム商会商会長のケイビル=グラムだ」
ケイビルは何かある、と思ったからこそなのか…俺の目を確りと見ながら、そう挨拶をしてきた。
なら俺も取り繕う必要は無いだろうし、逆に失礼にあたるだろう。
「初めまして、ユーリウス=フォン=ゼハールトだ。早速だが、グラム商会長…『マヨネーズ』って調味料………聞いたことはあるか?」
~~~~~~~~~~~~~~~~
結果から言うと物は用意出来た。
生卵、オリーブオイル、酢は柑橘系の果汁を代用することで、だが。
ネックはやはり卵だった。
大都市であるヴァーチェでは養鶏などの牧畜業などは行われておらず、近くの村から仕入れている。
元々、腹を壊すから、とその仕入れもしていない卵は入手困難というよりは販売自体されていなかったのだが、なんとか入手してもらった。
輸送時は氷を用意してもらい、出来るだけ早く届けてもらう。また割れ安いのでクッション性を高めてもらうなどやたらと手間暇が掛かるため、多少、お高くなるみたいだ。
まあ、グラム商会長は俺の話を聞き…
「万能調味料…それは興味があるな。だが本当に出来るのか?」
キラーン…と目を光らせて聞いてきたので…
「出来る!」
と自信満々に返答。ならば用意しよう、と物は集まったワケだ。
まあ、輸送しなければいけなかったので、集まったのは初めて訪問した日から二日経っているのだが…。
そして…
「来たか…」
「こんにちは、グラム商会長」
俺は再びグラム商会に訪問。ちなみに義祖父さんは「グラム商会行くけど来る?」と聞いたらソッと目を逸らしたので、一緒には来ていない。
「用意は出来た…出来たが卵はどうする?生で使うんだろ?このままでは使えんだろう?」
そう…それが最大のネック。
火を通しすらしない生卵なんて、この国では…もしかしたらこの世界全体でかもしれないレベルで使われていない。
原因はサルモネラ菌。まあこの異世界で同じサルモネラ菌かどうかまでは分からないのだが、その辺りは鑑定先生にお任せしよう。
…そう言えばシーバスの持っていたモノクル『能力査定』は異世界人が作った物のレプリカだったな…。
何でその時、生卵を使えるようにしなかったんだっ!?と今さらながら憤ってみる。
まあ憤っていてもしょうがないので話を戻そう。
俺はグラム会長の質問に答える。
「解決策は『浄化』です」
「ほう…アンタが孫を連れて来るなんて珍しいにも程がある。何かある…そう言っているようなもんだぞ?」
義祖父さんに襟首を持たれ、ぶらーんと突き出された俺を一瞥したあと、また視線を義祖父さんに戻す商会長。…俺は無視ですかそうですか。
「孫をそんな風に持つもんじゃない、離してやりな」
おっ、そうでもないのか。義祖父さんはそう言われ「ふん…」とソッと俺を下ろす。
「マリウスが済まないな、ユーリウス坊っちゃん。グラム商会商会長のケイビル=グラムだ」
ケイビルは何かある、と思ったからこそなのか…俺の目を確りと見ながら、そう挨拶をしてきた。
なら俺も取り繕う必要は無いだろうし、逆に失礼にあたるだろう。
「初めまして、ユーリウス=フォン=ゼハールトだ。早速だが、グラム商会長…『マヨネーズ』って調味料………聞いたことはあるか?」
~~~~~~~~~~~~~~~~
結果から言うと物は用意出来た。
生卵、オリーブオイル、酢は柑橘系の果汁を代用することで、だが。
ネックはやはり卵だった。
大都市であるヴァーチェでは養鶏などの牧畜業などは行われておらず、近くの村から仕入れている。
元々、腹を壊すから、とその仕入れもしていない卵は入手困難というよりは販売自体されていなかったのだが、なんとか入手してもらった。
輸送時は氷を用意してもらい、出来るだけ早く届けてもらう。また割れ安いのでクッション性を高めてもらうなどやたらと手間暇が掛かるため、多少、お高くなるみたいだ。
まあ、グラム商会長は俺の話を聞き…
「万能調味料…それは興味があるな。だが本当に出来るのか?」
キラーン…と目を光らせて聞いてきたので…
「出来る!」
と自信満々に返答。ならば用意しよう、と物は集まったワケだ。
まあ、輸送しなければいけなかったので、集まったのは初めて訪問した日から二日経っているのだが…。
そして…
「来たか…」
「こんにちは、グラム商会長」
俺は再びグラム商会に訪問。ちなみに義祖父さんは「グラム商会行くけど来る?」と聞いたらソッと目を逸らしたので、一緒には来ていない。
「用意は出来た…出来たが卵はどうする?生で使うんだろ?このままでは使えんだろう?」
そう…それが最大のネック。
火を通しすらしない生卵なんて、この国では…もしかしたらこの世界全体でかもしれないレベルで使われていない。
原因はサルモネラ菌。まあこの異世界で同じサルモネラ菌かどうかまでは分からないのだが、その辺りは鑑定先生にお任せしよう。
…そう言えばシーバスの持っていたモノクル『能力査定』は異世界人が作った物のレプリカだったな…。
何でその時、生卵を使えるようにしなかったんだっ!?と今さらながら憤ってみる。
まあ憤っていてもしょうがないので話を戻そう。
俺はグラム会長の質問に答える。
「解決策は『浄化』です」
1
お気に入りに追加
1,695
あなたにおすすめの小説

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています

転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。


外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。
異世界で等価交換~文明の力で冒険者として生き抜く
りおまる
ファンタジー
交通事故で命を落とし、愛犬ルナと共に異世界に転生したタケル。神から授かった『等価交換』スキルで、現代のアイテムを異世界で取引し、商売人として成功を目指す。商業ギルドとの取引や店舗経営、そして冒険者としての活動を通じて仲間を増やしながら、タケルは異世界での新たな人生を切り開いていく。商売と冒険、二つの顔を持つ異世界ライフを描く、笑いあり、感動ありの成長ファンタジー!

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる