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シーバス!④
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「かくごするのはおまえだ。だれにケンカ売ってるのか思いしれ!」
ユーリウス坊っちゃんがそう言った次の瞬間…私は自分の目を疑います。…いえ、多分、この応接室にいるユーリウス坊っちゃん以外、全員が目を疑ったことでしょう。
何故ならば、ユーリウス坊っちゃんの背に黄金色に輝く、三対六枚の翼が生えているのですから…。
私は長年、常に求められていた『無表情』により、動揺などは表にこそ出していませんが、内心は激しく焦っています。
ユーリウス坊っちゃんのその姿はまさに『天使』…翼が光っているせいでしょう、対峙している私には後光が差しているようにも見えます。
ちょっ!?天使っ!?
神の使いって…え?俺、天使と戦うのっ!?人間って天使相手にして勝てるのっ!?
私が心の中でそう思っても仕方がないと思うのです。
焦っている一方で、冷静に対応しようとする私もいます。
魔力感知のスキルこそ持っていないものの、あの翼が魔力で形成されているのは私でも感じられます。
それならば…と焦る気持ちを無理矢理に落ち着かせ、私は『能力査定』を起動させ、もう一度ユーリウス坊っちゃんを見ます。
先ほどと能力値が変わっていないっ!?
バカなっ!?…と私は再び驚きます。
あれだけの魔力の塊を顕現させて、かつ留めているにも関わらず、能力値に変化が見られないなんて…。
考えられるのはユーリウス坊っちゃんは『隠蔽』と『偽装』のスキルを持っている?
それともこれは…これが『天使』なのか…?
私はユーリウス坊っちゃんの得体の知れなさに恐れつつも、しかし顔に出さぬよう、冷静さを保つよう、思考を巡らせます。
今の私はB級冒険者並みの力を有している。B級冒険者ならば『大鬼』も単独討伐出来るほどの強さを持っていることになる。相手は三歳の幼児…天使だとしても…。
………あれ?天使って大鬼より強い?弱い?
どうやらこの状況を目の前に私は冷静にはなりきれないようです。
天使…神の使いと戦ったことなど無いのですから。
私は油断…慢心…していたか?………………いや、そりゃあするよっ!?相手、三歳だよっ!?成人すらしてないんだよっ!?身長なんて俺の半分くらいしかないんだよっ!?油断するに決まってるじゃんっ!?慢心するに決まってるじゃんっ!?
あれ?ユーリウス坊っちゃん?…ちょっとぉ?…魔力とか練ってない?気とか溜めてない?ヤバいヤバいヤバいヤバい…。
『能力査定スカウター』を見てもユーリウス坊っちゃんに変化は見られない、が明らかに感じる魔力と気の高まりに、私は思考するのを止め、全力で身体強化を始めます。…間に合うか?
『能力査定スカウター』越しに…レベル1と能力値Gの文字の向こう側に見えるユーリウス坊っちゃんは右拳を握り締め、大きく振りかぶっていた。
あ…死んだわ、俺…。
瞬間…思考が加速する。
次に目を覚ました時…知らない天井だ…とか言えればいいなぁ、とか下らないことを思いつつ、思考が加速している中でもなお姿を見失ったユーリウス坊っちゃんの右拳が私の腹に大きな衝撃をもたらす。
『ズドンッッッ!!!』
「グハアァッッ!!!」
私はドサリ…と顔から床に倒れ、その衝撃と共に意識を失った…。
ユーリウス坊っちゃんがそう言った次の瞬間…私は自分の目を疑います。…いえ、多分、この応接室にいるユーリウス坊っちゃん以外、全員が目を疑ったことでしょう。
何故ならば、ユーリウス坊っちゃんの背に黄金色に輝く、三対六枚の翼が生えているのですから…。
私は長年、常に求められていた『無表情』により、動揺などは表にこそ出していませんが、内心は激しく焦っています。
ユーリウス坊っちゃんのその姿はまさに『天使』…翼が光っているせいでしょう、対峙している私には後光が差しているようにも見えます。
ちょっ!?天使っ!?
神の使いって…え?俺、天使と戦うのっ!?人間って天使相手にして勝てるのっ!?
私が心の中でそう思っても仕方がないと思うのです。
焦っている一方で、冷静に対応しようとする私もいます。
魔力感知のスキルこそ持っていないものの、あの翼が魔力で形成されているのは私でも感じられます。
それならば…と焦る気持ちを無理矢理に落ち着かせ、私は『能力査定』を起動させ、もう一度ユーリウス坊っちゃんを見ます。
先ほどと能力値が変わっていないっ!?
バカなっ!?…と私は再び驚きます。
あれだけの魔力の塊を顕現させて、かつ留めているにも関わらず、能力値に変化が見られないなんて…。
考えられるのはユーリウス坊っちゃんは『隠蔽』と『偽装』のスキルを持っている?
それともこれは…これが『天使』なのか…?
私はユーリウス坊っちゃんの得体の知れなさに恐れつつも、しかし顔に出さぬよう、冷静さを保つよう、思考を巡らせます。
今の私はB級冒険者並みの力を有している。B級冒険者ならば『大鬼』も単独討伐出来るほどの強さを持っていることになる。相手は三歳の幼児…天使だとしても…。
………あれ?天使って大鬼より強い?弱い?
どうやらこの状況を目の前に私は冷静にはなりきれないようです。
天使…神の使いと戦ったことなど無いのですから。
私は油断…慢心…していたか?………………いや、そりゃあするよっ!?相手、三歳だよっ!?成人すらしてないんだよっ!?身長なんて俺の半分くらいしかないんだよっ!?油断するに決まってるじゃんっ!?慢心するに決まってるじゃんっ!?
あれ?ユーリウス坊っちゃん?…ちょっとぉ?…魔力とか練ってない?気とか溜めてない?ヤバいヤバいヤバいヤバい…。
『能力査定スカウター』を見てもユーリウス坊っちゃんに変化は見られない、が明らかに感じる魔力と気の高まりに、私は思考するのを止め、全力で身体強化を始めます。…間に合うか?
『能力査定スカウター』越しに…レベル1と能力値Gの文字の向こう側に見えるユーリウス坊っちゃんは右拳を握り締め、大きく振りかぶっていた。
あ…死んだわ、俺…。
瞬間…思考が加速する。
次に目を覚ました時…知らない天井だ…とか言えればいいなぁ、とか下らないことを思いつつ、思考が加速している中でもなお姿を見失ったユーリウス坊っちゃんの右拳が私の腹に大きな衝撃をもたらす。
『ズドンッッッ!!!』
「グハアァッッ!!!」
私はドサリ…と顔から床に倒れ、その衝撃と共に意識を失った…。
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