二度目の転生は傍若無人に~元勇者ですが二度目『も』クズ貴族に囲まれていてイラッとしたのでチート無双します~

K1-M

文字の大きさ
上 下
25 / 250

シーバス!②

しおりを挟む
俺の名は…いや、私の名はシーバスと申します。
元冒険者で今はゼハールト準男爵家にお世話になり、今では執事長として務めさせていただいております。

かつて、このゼハールト家に拾われた私は、その時に拾ってくれた男を師と仰ぎ、執事としての修行に励みました。
礼儀作法や教養を含め、多種多様にわたる仕事を覚え、なかには対人戦闘の訓練などもありました。
元々が冒険者でしたから戦闘訓練はそれほどキツくはなかったのですが…。

数々の修行を終え、正式に師から執事長の座を受け継いだ時には、私の戦闘力はB級冒険者並みになっていました。
対人戦闘の技術や一見使えなさそうなスキルも見方を変えることで有用になったりと、師には感謝の言葉しかありません。

「まだ私にも…成長の余地があったのですね…」

それからは師とゼハールト家への恩を返すべく、先々代、先代、そして現在の当主へと仕えています。
仕事は真っ当なものばかりではなく裏の仕事も含まれています。なにもソレは武力のみが必要なワケではありません。
なるほど…多様性が必要なワケです。

裏の仕事も当初は然程多くありませんでした。増え始めたのは先代の頃からで、現在は当主である旦那様よりも先代の娘である奥様からが主な仕事になっています。
また、なのか、当家は金回りが多少なりとも良く、最近では奥様方の贅沢が目立つようになってきました。
が良いことなのかは私には分かりませんが…。

そして私は仕事に失敗することがほとんどありませんでした。
それはかつて冒険者だった頃の名残であり、自身が弱かったからこそ培うことが出来た『慎重さ』が生きたのです。
そして成功を重ねる毎に、私は慢心し、油断していきます。

そして失敗は唐突に訪れるのです。

私はのように玄関へ向かいます。
扉を開けると第三夫人のご子息が二人。
セイリウス坊っちゃんは相変わらず私を怖がっているようですね。もう一人…初めて会うのは確かユーリウス坊っちゃんでしたか…。
まあ、の対応で良いでしょう。

「入れ」

私は二人に声を掛け、応接室へと向かいます。
この時、私は失敗していたのです…『いつも通り』で良いと…。慢心し、油断していたのです。
だから気付けなかった。ユーリウス坊っちゃんの瞳の奥にある力強さを…。
だから見抜けなかった。ユーリウス坊っちゃんの秘めたる力を…。
しおりを挟む
感想 107

あなたにおすすめの小説

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

異世界で等価交換~文明の力で冒険者として生き抜く

りおまる
ファンタジー
交通事故で命を落とし、愛犬ルナと共に異世界に転生したタケル。神から授かった『等価交換』スキルで、現代のアイテムを異世界で取引し、商売人として成功を目指す。商業ギルドとの取引や店舗経営、そして冒険者としての活動を通じて仲間を増やしながら、タケルは異世界での新たな人生を切り開いていく。商売と冒険、二つの顔を持つ異世界ライフを描く、笑いあり、感動ありの成長ファンタジー!

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

処理中です...