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兄姉!
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「あ、着いたみたいよ」
ゼハールト準男爵家本邸の応接室、その隣の部屋の扉の辺りに数人の人影があった。
声を出したのはゼハールト家の次女、セイラ=フォン=ゼハールト。
「おっ、漸く帰ってきたか」
ソファーに座り、背中越しにセイラの声に反応したのはゼハールト家次男、カリウス=フォン=ゼハールト。
「セイリウスに久しぶりに会えるな」
カリウスの隣に座るゼハールト家三男、サリウス=フォン=ゼハールト。
「今日はユーリウスが初めて来るんでしょ?セイリウスと同じくレイラ義母さんに似て可愛いかしら?」
セイラにくっつき、応接室に続く扉から様子を窺おうとしているゼハールト家三女、ニイナ=フォン=ゼハールト。
ここには王都で働くゼハールト家当主と同じく王都にいる長男長女以外の兄姉が揃っていた。
そしてセイラとニイナが扉の隙間から応接室を覗いていると…
「来たわよ」
「来たわね」
セイリウスがユーリウスの手を引きながら応接室に入室するのを確認する。
気が付くとソファーに座っていたはずのカリウスとサリウスも一緒になって覗いていた。
一体何処のトーテムポールだ?と言わんばかりに、漫画やアニメで見かける風景がソコに展開されていた。
「あら、やっぱり…」
「レイラ義母さんに似て可愛い顔してるわね」
「セイリウスの小っさい頃にそっくりだな」
「三歳…だっけか?セイリウスより堂々としてるな…」
四者四様の感想。どうやらユーリウスの第一印象は悪くないようだ。
第一夫人がセイリウスの正面に立ち、セイリウスの隣にいるユーリウスを値踏みするかのような眼差しで見ると…
「お義母様…またあんな目で…」
「まったく…母さんは…」
「いつものことだろ?」
「まあ、僕らにもだからなぁ」
「母さんがごめんなさいね」
「「「「………………」」」」
「「「「………はぁ」」」」
少しの沈黙と今度は揃って同時にため息を吐く。
この反応を見る限り、ゼハールト第一夫人の威圧的な態度はいつものこと、のようである。
隣にいる第二夫人も同じような目付きでセイリウスとユーリウスを見ているので、こちらも同様だろう。
そして「やれやれ…」と思っている四人を他所に現場は動き出す。
『あ?何見てんだコラァ、ぶっ◯すぞ!』
ゼハールト準男爵家本邸の応接室、その隣の部屋の扉の辺りに数人の人影があった。
声を出したのはゼハールト家の次女、セイラ=フォン=ゼハールト。
「おっ、漸く帰ってきたか」
ソファーに座り、背中越しにセイラの声に反応したのはゼハールト家次男、カリウス=フォン=ゼハールト。
「セイリウスに久しぶりに会えるな」
カリウスの隣に座るゼハールト家三男、サリウス=フォン=ゼハールト。
「今日はユーリウスが初めて来るんでしょ?セイリウスと同じくレイラ義母さんに似て可愛いかしら?」
セイラにくっつき、応接室に続く扉から様子を窺おうとしているゼハールト家三女、ニイナ=フォン=ゼハールト。
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そしてセイラとニイナが扉の隙間から応接室を覗いていると…
「来たわよ」
「来たわね」
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気が付くとソファーに座っていたはずのカリウスとサリウスも一緒になって覗いていた。
一体何処のトーテムポールだ?と言わんばかりに、漫画やアニメで見かける風景がソコに展開されていた。
「あら、やっぱり…」
「レイラ義母さんに似て可愛い顔してるわね」
「セイリウスの小っさい頃にそっくりだな」
「三歳…だっけか?セイリウスより堂々としてるな…」
四者四様の感想。どうやらユーリウスの第一印象は悪くないようだ。
第一夫人がセイリウスの正面に立ち、セイリウスの隣にいるユーリウスを値踏みするかのような眼差しで見ると…
「お義母様…またあんな目で…」
「まったく…母さんは…」
「いつものことだろ?」
「まあ、僕らにもだからなぁ」
「母さんがごめんなさいね」
「「「「………………」」」」
「「「「………はぁ」」」」
少しの沈黙と今度は揃って同時にため息を吐く。
この反応を見る限り、ゼハールト第一夫人の威圧的な態度はいつものこと、のようである。
隣にいる第二夫人も同じような目付きでセイリウスとユーリウスを見ているので、こちらも同様だろう。
そして「やれやれ…」と思っている四人を他所に現場は動き出す。
『あ?何見てんだコラァ、ぶっ◯すぞ!』
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