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今はな!
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馬車は進み貴族区の入口に到着。ここにも衛兵が配備されているが街の入口の衛兵よりも上等な物を装備しているのが伺える。
使いの男が懐から多分に許可証とか通行証だろう紙を出し、衛兵はソレを確認する。
ついで…と言わんばかりに馬車内を覗きこみ、俺とセイ兄を見ると「やれやれ…またか…」とボソリと呟き、一瞬だけだが見下すような目付きを向けた。
ピクリ…と一瞬動いたのはセイ兄。
震えこそしていないが、顔を下に向け、両手を膝の上でギュッと握りこんでいる。
「セイ兄…」
俺はソッとセイ兄の手に自分の手を重ねる。
「大丈夫…大丈夫だよ、ユーリ」
ニコリ…と俺への優しい笑顔はセイ兄の気丈さが見てとれた。
鎧を纏い武器を持つ大人の不穏な視線…子供に向けるべきでないその視線を受け、自分も怯えているだろうに。
ソレを押さえ付け、俺を…家族を安心させるために笑顔を作ることが出来る。
まだ六歳なのにソレが出来るセイ兄は俺にとってとても誇らしい家族だ。
『そんな家族を…兄を、怯えさせた…だと?』
当然、もちろん、絶対、そんな奴は許さん!てめぇの顔ツラ覚えたからな!もちろん使いの男もだが。…が今はやらん。………今は、な…。
「よしっ、通って良いぞ」
「ご苦労様」
使いの男と衛兵のこの会話も、既に俺たちを舐めきっている会話にしか聞こえない。
使いの男は後でいいとして、衛兵の方は、と…。
馬車が動き、本邸に向かうためであろう一角を曲がり、馬車も衛兵もお互いが視界から消えたところで俺は動き出す。
動き出す、と言っても身体は動かさないのだが。
え?さっきは『今は…』とか言ってただろう…って?言ったけど、それは『さっき』の話だろう?少し未来に進んだから良いんです。
俺は『マップ』で衛兵の正確な位置を確認。『空間認識能力』で衛兵の直上に極小の魔方陣を展開。『魔力操作』が進化した『魔力精密操作』で衛兵が死なないように魔力量を調節。
準備は整った。
そして俺の脳内の反逆の皇子が叫ぶ。
『フハハハハハッ!!準備は全て整った!!喰らうがいいっ!!『極小雷撃っ!!』』と。
もちろんCv.F山さんで再生余裕であるのは言うまでもない。
放たれたのは雷属性の初級魔法『雷撃』よりも弱くするために新たに造り上げた魔法。強力なスタンガンほどの威力にしてあるが、今回はドッキリのビリビリ系より少し強い程度に威力を調整して使用した。
『ピシャーーーン………バリィッ』と小さな落雷のような音が少し離れた辺りから聞こえ、一瞬馬車を引いている馬がビクッとしたようだが、そのまま進み始めた。ゴメンよ、お馬さん。
使いの男が懐から多分に許可証とか通行証だろう紙を出し、衛兵はソレを確認する。
ついで…と言わんばかりに馬車内を覗きこみ、俺とセイ兄を見ると「やれやれ…またか…」とボソリと呟き、一瞬だけだが見下すような目付きを向けた。
ピクリ…と一瞬動いたのはセイ兄。
震えこそしていないが、顔を下に向け、両手を膝の上でギュッと握りこんでいる。
「セイ兄…」
俺はソッとセイ兄の手に自分の手を重ねる。
「大丈夫…大丈夫だよ、ユーリ」
ニコリ…と俺への優しい笑顔はセイ兄の気丈さが見てとれた。
鎧を纏い武器を持つ大人の不穏な視線…子供に向けるべきでないその視線を受け、自分も怯えているだろうに。
ソレを押さえ付け、俺を…家族を安心させるために笑顔を作ることが出来る。
まだ六歳なのにソレが出来るセイ兄は俺にとってとても誇らしい家族だ。
『そんな家族を…兄を、怯えさせた…だと?』
当然、もちろん、絶対、そんな奴は許さん!てめぇの顔ツラ覚えたからな!もちろん使いの男もだが。…が今はやらん。………今は、な…。
「よしっ、通って良いぞ」
「ご苦労様」
使いの男と衛兵のこの会話も、既に俺たちを舐めきっている会話にしか聞こえない。
使いの男は後でいいとして、衛兵の方は、と…。
馬車が動き、本邸に向かうためであろう一角を曲がり、馬車も衛兵もお互いが視界から消えたところで俺は動き出す。
動き出す、と言っても身体は動かさないのだが。
え?さっきは『今は…』とか言ってただろう…って?言ったけど、それは『さっき』の話だろう?少し未来に進んだから良いんです。
俺は『マップ』で衛兵の正確な位置を確認。『空間認識能力』で衛兵の直上に極小の魔方陣を展開。『魔力操作』が進化した『魔力精密操作』で衛兵が死なないように魔力量を調節。
準備は整った。
そして俺の脳内の反逆の皇子が叫ぶ。
『フハハハハハッ!!準備は全て整った!!喰らうがいいっ!!『極小雷撃っ!!』』と。
もちろんCv.F山さんで再生余裕であるのは言うまでもない。
放たれたのは雷属性の初級魔法『雷撃』よりも弱くするために新たに造り上げた魔法。強力なスタンガンほどの威力にしてあるが、今回はドッキリのビリビリ系より少し強い程度に威力を調整して使用した。
『ピシャーーーン………バリィッ』と小さな落雷のような音が少し離れた辺りから聞こえ、一瞬馬車を引いている馬がビクッとしたようだが、そのまま進み始めた。ゴメンよ、お馬さん。
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