4 / 7
わたしは裏方で結構です 4
しおりを挟む
花形は事件現場となった池袋のゲームセンター「パラダイス」へと足を運んだ。元クラスメイト・大川冠が経営するゲームセンターにである。
パラダイスは既に営業中であり、花形は入店するなり目に付いた従業員を呼び止めると身分を明かした上で店長の大川冠に面会を求めた。
するとその従業員は案の定と言うべきか、花形の左胸に視線を注いだ。明らかにドラマの影響であった。花形が捜査一課の刑事であると名乗ったためであろう、例の「赤バッジ」をつけているものと思い込んでいる様子がアリアリであった。
search 1 select 選ばれし捜査第一課員とも称される件の赤バッジはしかし、のべつまくなし身に着けるものではなかった。
なるほど、花形も一応は捜査一課に所属する刑事として赤バッジが与えられ、身に着けることがあるが、それはあくまで警視庁本部に登庁する際の謂わば入館証のようなものであり、それを身に着けて捜査する捜査一課員など絶対に、と言っても良いほどにいなかった。
無論、捜査本部が立ち上がった所轄警察署において赤バッジを身に着けるような捜査一課員もいない。そんな事をすれば、
「あいつは馬鹿か」
そんな評価が下され、のみならず、捜査一課から追放されること間違いなしだろう。赤バッジは他人に見せびらかせるものではないのだ。
いや、第三者である従業員にはそのような事情など分かりよう筈もなく、花形としてはしかし、従業員に対してはそのような事情を打ち明けることはせず、代わりにもう一度、開閉式の警察手帳を提示した。だが従業員は警察手帳よりも赤バッジを信じているらしく、そこで花形は警視庁本部の代表電話を教えるので、そこにかけて自身の身元を確かめて貰って構わないと告げた。
するとそこで「ああ、そいつは確かに一課のデカだ」との声が割り込んできた。大川冠の声であった。従業員も店長のその声でようやくに花形が捜査一課の刑事であると信じたらしく、引き下がった。
花形は大川冠と向き合うと、「久しぶりだな」と大川から声がかけられたので、花形も頷くと「半年ぶりだな」と返した。
花形と大川とは半年前のクラス会で再会を果たして以来であった。その際、花形は大川に今の自分の身の上を明かしていた。
「義弟のことだろ?」
大川からそう確かめるように尋ねられたので花形は頷いた。
「じゃあ、事務所で話そうか」
花形が予期した通りの言葉が大川から聞かれたので、やはり花形は頷くと大川の後をついて行く格好で事務所へと向かった。
事務所では花形は大川から茶菓子を供された。花形は洋菓子が苦手であり、いや、はっきり言って食べられなかった。ケーキの類など見ただけで吐き気を催す。
その代わり、と言うわけでもないが花形は和菓子には目がなく、とりわけこしあんが大好物であった。
大川もそれを覚えていたらしく、花形にこしあんの饅頭を供したのであった。
刑事たる者、本来ならばこの手の供応はご法度であった。とりわけコンプライアンスなる横文字が氾濫する今はなお更であった。
だが花形はコンプライアンスに逆行し、この程度の供応ならば遠慮なく受けることにしていた。花形は本題に入る前に目の前に差し出された3個のこしあん饅頭をすべて平らげると、茶も一滴残さずに飲み干した。
「気持ちの良い喰いっぷり、飲みっぷりだな」
大川は目尻を下げた。
「最高に旨い茶菓子だったからな、いわゆる、うまい、うまい、うまい、ってやつだな」
花形が一昔前のセリフを付け加えると大川は苦笑してみせた。
だがそれも束の間、大川はすぐに真顔になった。
「義弟のことだったな…」
大川が思い出したようにそう呟いた。
「そうだ」
「それならもう警察にも話した通りだ」
「それは…、どうかな…」
「どうかな、って?」
「いや…、少なくとも俺の知ってる大川は身内を売るような男には思えないからさ…」
困っている人間を放っておけない男…、それが花形の知る大川冠という男であった。
その事を花形は身をもって知っていた。それと言うのも花形がクラスメイトからいわゆる「いじり」を受けている時にそれを救ってくれたのがほかならぬ大川冠であったからだ。
花形はかつて私立の中高一貫校に通っていた時分、それも高校に進級した時分に苗字のことでクラスメイトから「いじり」を受けるようになったのだ。要は名前負け、それも苗字負けというヤツだ。
「お前のような陰キャにその苗字はないだろ」
というヤツである。自分が陰キャであることは赤の他人から指摘されるまでもなく自覚していたことだったので、花形も怒るでもなく苦笑まじりに「確かに」と応じた。
するとそこでホワイトナイトとして登場したのが大川冠であった。大川は花形をいじっていた連中を一喝した上で、花形に対しても「もっと自信を持て」と諭してみせた。
もっとも花形としては事実を指摘されたまでなので自信を持つも何もあったものではないと応じた。事実、陰キャであったからだ。
だが大川は頭を振って見せた。大川曰く、「陰のある男の方が魅力的」とのことであった。それはつまりは花形を陰キャであると言っているのと同じであり、せいぜいオブラートに包んで見せただけのことであった。花形がその点をやんわりと指摘すると、大川としてもその通りであるだけにさすがにばつが悪くなった様子をのぞかせた。
それでも大川が花形を「いじり」から救ってくれた点もこれまた事実であったので、花形はその点については素直に謝意を述べた。
「他人事とは思えなくてな…」
それが大川が花形を「いじり」から救ってくれた動機であった。大川も実は中学時代には「いじり」の被害を受けていたのだ。それも父親の職業についてであった。
大川の父親はソープランドの経営者であり、その他にもマージャン店やゲームセンターなど娯楽施設を手広く経営していた。
どうやらクラスメイトがその事を親から教えられたのであろう、大川をからかったらしい。すると大川は花形とは違い、やり過ごすことはせずにその場で鉄拳制裁を加えたのであった。
そのような経緯があって、爾来、大川はクラスメイトのみならず、学校中から恐れられるようになり、花形をいじっていた連中も大川が間に入ったことで直ちに退散、花形の「いじり」を止めたのもつまりはそういう訳であった。
花形は大川からその事を聞かされると、まずは「凄いな」と感想を漏らした。大川はてっきり鉄拳制裁の点を捉えての「凄いな」と誤解したようであったが、そうではなかった。
いや、無論、それも少しは含まれていたが、それ以上に父親の職業について感心したためであった。
「娯楽施設…、それもソープランドはこの世に男と女がいる限りは絶対に廃れない商売だから、親父さん凄いよ」
花形は心底、そう褒め称えた。大川も花形が決してからかっている訳ではなく、心底からそう言っているだと悟ると、驚いた様子をのぞかせた。その様に父親の職業を褒められるのは初めての経験だったからだ。
ともあれこのような一件があってからというもの、花形と大川は親しくなった。
花形はそんな昔話を今の大川にしてみせると、
「そんな大川が身内を売るなんて…、例え罪を犯したとしてもみすみす警察に売るとは思えないんだが…」
大川に首を傾げて見せた。
すると大川は俯いたので、花形は更に畳み掛けた。
「何か…、今回の傷害事件には何か裏があるような気がするんだが…、いや、これこそドラマの見すぎかも知れないが…」
花形は先ほど、赤バッジを身につけていないことに疑問を抱いていた件の従業員を思い出しながらそう呟いた。
「やっぱり…、花形には敵わんな…」
大川は俯いたままそう呟いたかと思うと、それから顔を上げ、驚くべき事実を花形に告白した。
パラダイスは既に営業中であり、花形は入店するなり目に付いた従業員を呼び止めると身分を明かした上で店長の大川冠に面会を求めた。
するとその従業員は案の定と言うべきか、花形の左胸に視線を注いだ。明らかにドラマの影響であった。花形が捜査一課の刑事であると名乗ったためであろう、例の「赤バッジ」をつけているものと思い込んでいる様子がアリアリであった。
search 1 select 選ばれし捜査第一課員とも称される件の赤バッジはしかし、のべつまくなし身に着けるものではなかった。
なるほど、花形も一応は捜査一課に所属する刑事として赤バッジが与えられ、身に着けることがあるが、それはあくまで警視庁本部に登庁する際の謂わば入館証のようなものであり、それを身に着けて捜査する捜査一課員など絶対に、と言っても良いほどにいなかった。
無論、捜査本部が立ち上がった所轄警察署において赤バッジを身に着けるような捜査一課員もいない。そんな事をすれば、
「あいつは馬鹿か」
そんな評価が下され、のみならず、捜査一課から追放されること間違いなしだろう。赤バッジは他人に見せびらかせるものではないのだ。
いや、第三者である従業員にはそのような事情など分かりよう筈もなく、花形としてはしかし、従業員に対してはそのような事情を打ち明けることはせず、代わりにもう一度、開閉式の警察手帳を提示した。だが従業員は警察手帳よりも赤バッジを信じているらしく、そこで花形は警視庁本部の代表電話を教えるので、そこにかけて自身の身元を確かめて貰って構わないと告げた。
するとそこで「ああ、そいつは確かに一課のデカだ」との声が割り込んできた。大川冠の声であった。従業員も店長のその声でようやくに花形が捜査一課の刑事であると信じたらしく、引き下がった。
花形は大川冠と向き合うと、「久しぶりだな」と大川から声がかけられたので、花形も頷くと「半年ぶりだな」と返した。
花形と大川とは半年前のクラス会で再会を果たして以来であった。その際、花形は大川に今の自分の身の上を明かしていた。
「義弟のことだろ?」
大川からそう確かめるように尋ねられたので花形は頷いた。
「じゃあ、事務所で話そうか」
花形が予期した通りの言葉が大川から聞かれたので、やはり花形は頷くと大川の後をついて行く格好で事務所へと向かった。
事務所では花形は大川から茶菓子を供された。花形は洋菓子が苦手であり、いや、はっきり言って食べられなかった。ケーキの類など見ただけで吐き気を催す。
その代わり、と言うわけでもないが花形は和菓子には目がなく、とりわけこしあんが大好物であった。
大川もそれを覚えていたらしく、花形にこしあんの饅頭を供したのであった。
刑事たる者、本来ならばこの手の供応はご法度であった。とりわけコンプライアンスなる横文字が氾濫する今はなお更であった。
だが花形はコンプライアンスに逆行し、この程度の供応ならば遠慮なく受けることにしていた。花形は本題に入る前に目の前に差し出された3個のこしあん饅頭をすべて平らげると、茶も一滴残さずに飲み干した。
「気持ちの良い喰いっぷり、飲みっぷりだな」
大川は目尻を下げた。
「最高に旨い茶菓子だったからな、いわゆる、うまい、うまい、うまい、ってやつだな」
花形が一昔前のセリフを付け加えると大川は苦笑してみせた。
だがそれも束の間、大川はすぐに真顔になった。
「義弟のことだったな…」
大川が思い出したようにそう呟いた。
「そうだ」
「それならもう警察にも話した通りだ」
「それは…、どうかな…」
「どうかな、って?」
「いや…、少なくとも俺の知ってる大川は身内を売るような男には思えないからさ…」
困っている人間を放っておけない男…、それが花形の知る大川冠という男であった。
その事を花形は身をもって知っていた。それと言うのも花形がクラスメイトからいわゆる「いじり」を受けている時にそれを救ってくれたのがほかならぬ大川冠であったからだ。
花形はかつて私立の中高一貫校に通っていた時分、それも高校に進級した時分に苗字のことでクラスメイトから「いじり」を受けるようになったのだ。要は名前負け、それも苗字負けというヤツだ。
「お前のような陰キャにその苗字はないだろ」
というヤツである。自分が陰キャであることは赤の他人から指摘されるまでもなく自覚していたことだったので、花形も怒るでもなく苦笑まじりに「確かに」と応じた。
するとそこでホワイトナイトとして登場したのが大川冠であった。大川は花形をいじっていた連中を一喝した上で、花形に対しても「もっと自信を持て」と諭してみせた。
もっとも花形としては事実を指摘されたまでなので自信を持つも何もあったものではないと応じた。事実、陰キャであったからだ。
だが大川は頭を振って見せた。大川曰く、「陰のある男の方が魅力的」とのことであった。それはつまりは花形を陰キャであると言っているのと同じであり、せいぜいオブラートに包んで見せただけのことであった。花形がその点をやんわりと指摘すると、大川としてもその通りであるだけにさすがにばつが悪くなった様子をのぞかせた。
それでも大川が花形を「いじり」から救ってくれた点もこれまた事実であったので、花形はその点については素直に謝意を述べた。
「他人事とは思えなくてな…」
それが大川が花形を「いじり」から救ってくれた動機であった。大川も実は中学時代には「いじり」の被害を受けていたのだ。それも父親の職業についてであった。
大川の父親はソープランドの経営者であり、その他にもマージャン店やゲームセンターなど娯楽施設を手広く経営していた。
どうやらクラスメイトがその事を親から教えられたのであろう、大川をからかったらしい。すると大川は花形とは違い、やり過ごすことはせずにその場で鉄拳制裁を加えたのであった。
そのような経緯があって、爾来、大川はクラスメイトのみならず、学校中から恐れられるようになり、花形をいじっていた連中も大川が間に入ったことで直ちに退散、花形の「いじり」を止めたのもつまりはそういう訳であった。
花形は大川からその事を聞かされると、まずは「凄いな」と感想を漏らした。大川はてっきり鉄拳制裁の点を捉えての「凄いな」と誤解したようであったが、そうではなかった。
いや、無論、それも少しは含まれていたが、それ以上に父親の職業について感心したためであった。
「娯楽施設…、それもソープランドはこの世に男と女がいる限りは絶対に廃れない商売だから、親父さん凄いよ」
花形は心底、そう褒め称えた。大川も花形が決してからかっている訳ではなく、心底からそう言っているだと悟ると、驚いた様子をのぞかせた。その様に父親の職業を褒められるのは初めての経験だったからだ。
ともあれこのような一件があってからというもの、花形と大川は親しくなった。
花形はそんな昔話を今の大川にしてみせると、
「そんな大川が身内を売るなんて…、例え罪を犯したとしてもみすみす警察に売るとは思えないんだが…」
大川に首を傾げて見せた。
すると大川は俯いたので、花形は更に畳み掛けた。
「何か…、今回の傷害事件には何か裏があるような気がするんだが…、いや、これこそドラマの見すぎかも知れないが…」
花形は先ほど、赤バッジを身につけていないことに疑問を抱いていた件の従業員を思い出しながらそう呟いた。
「やっぱり…、花形には敵わんな…」
大川は俯いたままそう呟いたかと思うと、それから顔を上げ、驚くべき事実を花形に告白した。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
ルナール古書店の秘密
志波 連
キャラ文芸
両親を事故で亡くした松本聡志は、海のきれいな田舎町に住む祖母の家へとやってきた。
その事故によって顔に酷い傷痕が残ってしまった聡志に友人はいない。
それでもこの町にいるしかないと知っている聡志は、可愛がってくれる祖母を悲しませないために、毎日を懸命に生きていこうと努力していた。
そして、この町に来て五年目の夏、聡志は海の家で人生初のバイトに挑戦した。
先輩たちに無視されつつも、休むことなく頑張る聡志は、海岸への階段にある「ルナール古書店」の店主や、バイト先である「海の家」の店長らとかかわっていくうちに、自分が何ものだったのかを知ることになるのだった。
表紙は写真ACより引用しています
連載打ち切りになりそうなので私達ヒロインは消える事になりました
椎菜葉月
キャラ文芸
筆者が見た夢の話を小説にした短編恋愛?話。
自分の暮らす世界は少年向け雑誌に連載されている漫画であり
自分はその作品の主人公ではなく脇役かつ影の薄いキャラで
漫画の連載を続ける為に存在を消されることになっている──
そんな運命のモブキャラ主人公が頑張る話です。
サクッと短く完結する話です。
※続きがあるような表現がありますが、あくまで物語のフレーバーであり細かい事は無視して読んで下さい。
※好評なら続きや作中作の本編(少年誌漫画本編)も書くかもしれません。
※メモ帳に書いた文章をベタ貼りしたものですので改行などあまりせず読みにくい可能性が高いです。ご了承ください。
羅刹の花嫁 〜帝都、鬼神討伐異聞〜
長月京子
キャラ文芸
自分と目をあわせると、何か良くないことがおきる。
幼い頃からの不吉な体験で、葛葉はそんな不安を抱えていた。
時は明治。
異形が跋扈する帝都。
洋館では晴れやかな婚約披露が開かれていた。
侯爵令嬢と婚約するはずの可畏(かい)は、招待客である葛葉を見つけると、なぜかこう宣言する。
「私の花嫁は彼女だ」と。
幼い頃からの不吉な体験ともつながる、葛葉のもつ特別な異能。
その力を欲して、可畏(かい)は葛葉を仮初の花嫁として事件に同行させる。
文明開化により、華やかに変化した帝都。
頻出する異形がもたらす、怪事件のたどり着く先には?
人と妖、異能と異形、怪異と思惑が錯綜する和風ファンタジー。
(※絵を描くのも好きなので表紙も自作しております)
第7回ホラー・ミステリー小説大賞で奨励賞をいただきました。
ありがとうございました!
公主の嫁入り
マチバリ
キャラ文芸
宗国の公主である雪花は、後宮の最奥にある月花宮で息をひそめて生きていた。母の身分が低かったことを理由に他の妃たちから冷遇されていたからだ。
17歳になったある日、皇帝となった兄の命により龍の血を継ぐという道士の元へ降嫁する事が決まる。政略結婚の道具として役に立ちたいと願いつつも怯えていた雪花だったが、顔を合わせた道士の焔蓮は優しい人で……ぎこちなくも心を通わせ、夫婦となっていく二人の物語。
中華習作かつ色々ふんわりなファンタジー設定です。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/chara_novel.png?id=8b2153dfd89d29eccb9a)
下っ端妃は逃げ出したい
都茉莉
キャラ文芸
新皇帝の即位、それは妃狩りの始まりーー
庶民がそれを逃れるすべなど、さっさと結婚してしまう以外なく、出遅れた少女は後宮で下っ端妃として過ごすことになる。
そんな鈍臭い妃の一人たる私は、偶然後宮から逃げ出す手がかりを発見する。その手がかりは府庫にあるらしいと知って、調べること数日。脱走用と思われる地図を発見した。
しかし、気が緩んだのか、年下の少女に見つかってしまう。そして、少女を見張るために共に過ごすことになったのだが、この少女、何か隠し事があるようで……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる