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第四話 アクセルの力
アクセルの力 08
しおりを挟む『level2』ーーー
level1同様に霊核と霊獣をアクセルラインで繋がっており、切り離すことが出来ないが、霊獣が独自のメインアクセルを持っている
その為、霊獣固有の能力が使用でき、セレーラルの『戦車砲』がこれに該当する
そして、ゼオンの『五頭昇龍』が当てはまる『level3』はーーー
level2の霊獣がメインアクセルを持つという利点の上に霊獣自身が小規模な霊核を有し、アクセルラインで繋ぐことなく遠隔操作が可能
必要であれば神器霊核とアクセルラインを繋いで霊気の補充が可能となる
更にはその霊核を暴発させて爆発を起こさせて相手を攻撃するという手段も持つ
以上の説明をゼオンが四苦八苦しながら説明し終えると、セレーラルが挙手してゼオンに一つ訪ねる
「そこまでなら私たちも大体理解してる訳だけど、ゼオ姉は確か『神器霊核』について新しくわかったことがあったんだよね?」
「ああ、そうだ」
それこそ、今回の集会における一番の目的である
紫髪の悪魔との戦いの折、悪魔が口にした言葉を基に行い、ゼオンが実践して得たものを妹達に浸透させる為に
「む?そうなのか?」
これまで話半分といった態度で説明を聞いていたシェリエールがここに来て言葉に感情が入りはじめ、身を乗り出して真剣な顔つきに変わる
セレーラルとマレーシャはその現場に居合わせており、アーシェリは内容こそ詳しく聞いていないが、帰りの道で大まかな説明を聞いていたことで驚きの態度を示さなかった為、一人反応が大きいシェリエールが尚のこと際立っていた
そしてシェリエール以外にも初耳だった者がもうひとりーーー
「あーっ!それあうりんも聞きたい!」
「うわあっ!!」
いつの間にか真剣な集会の場と化していた空気を破壊して、突然元気よく響いた声と共に戦闘服に着替えていたアウリがみんなの後ろに現れて大声を上げていた
突拍子もないアウリの出現に驚いたシェリエールが椅子から勢いよく転げ落ちる
「おい、ばかちび!いかなり声をあらげるな、びっくりするだろう!」
「ねぇねぇしぇりちゃん、今日の晩ご飯は何だと思う?ヒントはね、カレーライス!…じゃなくて、白色に茶色を乗っけたものなんだ!」
「話をきけー!」
今まで何度も話が横道にズレていて、ただでさえ慌しいアウリとシェリエールに騒がれれば収集がつかなくなることを察したゼオンが無言で二人の肩をそっと叩いてその場を落ち着かせる
特にアウリには人差し指を彼女の口元に立てて声量を抑えるようにと促す
そうして二人が落ち着ついた様子を見せるとゼオンが口を開いた
「それで続きだけど、オレの霊獣があの悪魔に絡みついた時だと思うんだけど、なんかあいつの霊気を霊獣が吸っていたような感じがしたんだよな~…攻撃に夢中だったから感覚とかは覚えてないが」
「ん~…」
ただでさえ実戦での発動機会を設けなかったこともあり、セレーラルもゼオンが言っていたことを実践したことも無く、知識として知っていた訳ではないので分からず仕舞いだが、ある程度の憶測は立つ
「もしかして相手と霊獣が接触していたからかなぁ?
アーシェリとアウリとシェリーはどう?三人とも超近接戦用の霊獣だし」
「いや、今のところ私はねーな
そもそも知ってたら話してるだろーし、『神器霊核』を使わざるを得ねーような状況なんて一人で修行するとき以外ねーから、分かんねーよ」
アーシェリが言葉を返した後、セレーラルは目線をアウリとシェリエールに移すがアーシェリと同じようで、無言のまま頷き返していた
更に付け加えると、九人姉妹にとって切り札ともいえる『神器霊核』の発動と維持は負担がかなり大きく、積極的に修行を長時間行なうことが出来ないという面も挙げられる
一つアテが外れたセレーラルはもう一つ可能性のある憶測を口に出す
「じゃあ、アレかな?」
「アレって?」
「確かゼオ姉の霊獣は私たちと違って霊核を持っているから吸収できたのかもね
原理はよくわからないけど、霊核自体が他人の霊気だとしても直接触れさえすれば、自分の霊気として扱える…みたいな感じ?」
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