戯れ

いとーさん

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彼に背を向けて、タンクトップを脱ぐ。背中のニキビ跡を見られたくないので、前を隠して彼に向き直る。
『手どけて』
「やだ」
両手を胸の前で交差させて攻撃を交わしていく。なんてできるはずがなく、あっけなく触られてしまった。
『外していい?』
「私だけ裸なのいやなんだけど」
『じゃ脱がせて』
少し嬉しそうに見つめてくる彼。子どもみたいだと思いつつ、シャツをバンザイさせて取った。
「下も?」
『お願い』
ベルトを取る。引き下げる。パンツの種類なんて分からないけれど、もともと上を向くタイプなのか、彼のアレは既に出来上がっていた。
私は少し緊張して息が浅く速くなっていた。
『ブラ外すよ』
と言われたときには既に剥ぎ取られていた。緊張とで少し張った乳首がつんとしている。それを悟られないよう、さっきと同じように両手で覆う。
『こっち来て』
畳の上にバスタオルを敷き、その上に仰向けになる。と、いきなり彼が上に被さってきた。
「ちょっと」
なんだか固いモノが当たっている。ちょうど下腹部に当たっている。
「…勃ってる…?」
『うるさい』
「興奮してるの?」
『ゆうかは?濡れてるの…?』
「しらない」
そっぽを向こうとするも、上から押さえつけられて向けない。
『さわっていい?』
私が答えられないでいると不器用に揉んできた。胸全体を掴むから少し痛い。
「や…やさしくやって…」
じっと私の胸を見つめながら触る。私は急に恥ずかしくなって、手で口元を押さえた。
『気持ちいいの…?』
「べ、べつに…」
今度は乳首をつねられた。微かな刺激に身をよじる。痛いような少し、ほんのちょっとだけいいような、そんな感覚があった。
『感じてるの…?』
「…ちがうし…」
言葉と裏腹に体が反応する。少しだけビクッとしたり、乳首が固くなったり。
『固くない?』
「べつに元からだし……」
反応を見ていたのか、より敏感な左の胸を弄り始めた。少し睨んで彼を見ると、にやっと笑ってきた。直後、強い刺激が体を走った。
『反応してんじゃん』
「…っ」
『舐めていい?』
「…つっ」
顔を浮かせて見ると右胸に彼が顔を埋めていた。ジャリジャリとした感覚がある。剃り残した髭かな?とか思いつつ、ぴんとした乳首がねっとりとした温かな液体で包まれる。
「まって…やめて…」
別に快感なんてない。むしろこれは気持ちのいいものなのか、と疑問に思うほどだった。ただ、自分がされたことのない、少し憧れたシチュエーションに、彼が私の乳首を舌で舐めている、愛撫している、そのことに興奮していた。股の間がだんだん熱くなっていく。
少し体勢が辛くなったのか、彼は起き上がってきた。
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