短編エロ

黒弧 追兎

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だいしゅき【淫語 脳イキ ※♡使用】

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「やばいっ!!始まっちゃう!」

 無造作に鞄を投げて、スーツを投げ捨て、普段着に着替えて、イヤホンを付ける。待機画面のカウントダウンに心臓が痛くて、そわそわと腰を揺らす。
 華の金曜日はキョウ様の配信日。うまくいかなかった商談も先輩に押し付けられた仕事も何もかも忘れて、金曜日だけは定時で帰ると決めている。

『待ってた?』

 始まっちゃった!!
 接続されたイヤホンから流れる甘く蕩けた声を聞くだけで脳がじぃんと痺れる。我先にと流れていく文字に自分も競ってキョウ様の目に留められることを願う。

『みんなお利口さんに待ててえらいね♡』

 キャラメルのように甘ったるいあの声で褒めてほしいと甘えるコメントにくつくつと喉で笑う声にすら甘美に酔いしれる。とことん堕落させるような糖分だけでできたといっても過言ではない声が脳を犯すとだらしなく蕩けてしまう。

『ご褒美ほしい?』

「ぁ、ふ……っ♡」

 刻まれたその魅惑的な響きで犬のように涎がじゅわと滲んだ。全てをキョウ様に委ねて支配されたこの身体はご褒美の言葉にあの快楽を思い出して、はしたなく声が漏れる。

『服脱いだら、俺に見せて?』

『まだ勃たせてっていってないけど♡』

 命令する声に言われるがままに全身を晒した姿はどうしようもなく恥ずかしいのに、よしよしと褒められて、羞恥心よりも性感が勝ってしまう。脱いだだけなのに吐息で愛撫されているようにじんわりとした快感が身体を包んで、ピクッと主張した性器を見透かして笑われることにゾクゾクと背を震わせる。ノーマルだと思っていた趣向もいつのまにかMに傾いていて、辱めるように言葉で煽られると興奮して仕方がなかった。

『まだ触っちゃだめ♡』

「ぁ……は♡っ、んぅう♡きょうさまぁ、っ♡」

『みっともなく勃たせたおちんぽ触りたい♡?』

「ッ♡さわ、さわりたいれしゅ♡っ~、♡」

 恥ずかしい♡恥ずかしくて恥ずかしくてたまらないのに従うことしかできない♡
 支配権を奪われた身体はキョウ様だけのもので自分でさえ好きにできない背徳感は脳をどろどろに溶かしていく。甘ったるい声は痴態を笑い、焦らすように問いかけを投げるだけで許可を出してくれない。

「ぁへ♡へ、♡きょ、うしゃまぁっ♡♡」

『俺に触られるの期待して涎垂らして、気持ちよくなるなんて、変態♡』

「ッぁああ♡、ッふ、ぅ~ー♡ッ、ッ~~!♡♡」

 脳内を駆け抜けた酷く甘い罵りにビリビリとした快感が弾けて、ビクンッと跳ねて軽い絶頂に浸される。とろとろと精液の代わりに亀頭を濡らすのは期待に溢れた先走りで滴るといった表現が当てはまる。調教され尽くした身体は出せと言われなければ精液を出せなくて、ずっと奥で燻るもどかしさにカクカクと腰が揺れる。

『気持ちいい♡気持ちいい♡』

『ほらイケ♡だして♡♡』

「ッひ、!?ッぁンっ♡~ー~~ッ!♡、~~っぁ、ィッく、ぅ~~ッ♡♡」

 意地悪に何度も想像させるように快感を流し込まれた脳内は蕩され、言いなりのままバチンッ!と快楽の濁流が意識を呑み込んだ。明滅した視界では白い光が何度も瞬いて、受け止めきれない快楽に悶えてぱっかりと開いて舌を投げ出す。ポタポタと溢れる精液が肌を伝う感触にやっと、絶頂から上がることができた。

『次はシコシコして♡もっと、もっと気持ちよくなろうね♡』

「そ、そんなの♡♡」

 イったばっかなのに♡触ったら絶対キツイ♡♡やだ♡おかしくなっちゃう♡

 射精中も辱める言葉を吐き続けたキョウ様はその、甘やかすような優しい声色で、更なる絶頂を要求した。弄うことが許された陰茎は怯えるように体液を溢しながら震えていて、腰が引ける。

『俺の言うこと、聞けないの?キョウ様の言うことは?』

「ぜっぜったいれす♡ぅう、~~ッ♡、ひ、ぁッ♡~ーッ♡♡」

 逆らうことは許さないと再度下された命令にどろどろの陰茎に指先を巻きつけた。逃げたいというようにピクピクと震えが伝わるそれを苛む掌は自分ではもう止められなくて、許可が出るまで執拗に絶頂を繰り返した。

 -------------

「では、弊社の商品を──」
「ええ、そちらの案で──」

「平川さん、どうしました?」
「ぁ♡、っ申し訳ありません。続きを聞かせていただけますか」

 やばいやばい。キョウ様の配信の余韻を引き摺って耳が壊れてしまったのか、目の前の猫林さんの声を聞くたびに腰がむずむずして、昨日を思い出してしまう。猫林さんの優しい声色は低くて甘く、どことなくキョウ様を意識してしまう。こんなのおかしい。おかしいのにその声で話されるとぼー♡としてしまう感覚が勝手に脳を支配して、打ち合わせに集中できない。
 企画を引き継いだ猫林さんと友好な関係を築かないといけないというのに。

「やはり、後任の私では力不足でしょうか。申し訳ありません」
「いえ!いえ、猫林さんの所為ではありません。お恥ずかしいことに私自身が寝不足なだけでして、こちらこそ申し訳ありません!」
「お気を使わせてしまうとは、平川さんはお優しい方ですね」
「、♡っ本当に私の問題ですので、猫林さんの非はありません!」

 人様の声でオナニーを思い出して気持ちよくなってるなんて俺が悪いだけなんだけど、その声で名前を呼ばないでほしい。キョウ様に呼ばれてるみたいでじゅわ♡、と思い出した脳が起こす快感にヒクッと腰が震えてしまう。
 本当に俺の脳と聴覚はどうにかしてしまったのかもしれない。確かに似ているけれど普通に話しているだけの猫林さんの声に反応してしまうなんて。邪な感情を払うように頭を振って目を大きく開かせて、現実を意識する。

「平川さんとは友好な関係を築きたいと考えております」
「は、♡はい!こちらとしても御社と、猫林さんとは友好関係をお願いしたく──」

 だめだ。顔も良すぎるんだよなあ、この人。声も良いのに顔もいいとかおかしい、だめになっちゃう。
 これでもかと開いた視界に直視する美形の真っ直ぐな視線は致命傷を与えた。深く突き刺さった都合の良すぎる現実に企画が無事に終わる前に、俺がリタイアする可能性が高くて密かに口元が震える。絡れた舌先に危うい滑舌で醜態を晒してしまった。

 -------------

「今度、飲みにいきませんか?平川さんとお話しするのとても楽しくて」
「ぁえ、はい!ぜひとも、」

 初めの数回は何度もぼー♡として心配と疑心をかけてしまって、申し訳ないの一心だったが最近ではある程度取り繕うことができるようになった。それでも油断すると声エロすぎるとか顔良すぎ、休日は何してるのかな、とか考えてしまうから俺は社会人失格だ。公私混同はいけない。

「お嫌いなものとか、お酒とか大丈夫ですか?」
「嫌いなものはないです、お任せしてしまってすみません」
「いえいえ、私が平川さんとお話ししたくてお誘いしたので」

 こんなダメダメな俺にも良くしてくださる猫林さんは本当にかっこよすぎる。ドタイプのあの声とタレ目の色っぽい顔でお話ししたいなんて俺が女なら勘違いしている。好きになるぐらいは許してほしいけど。
 提案されたお店の高級感に萎縮した俺に察して個室で予約してくれた。そんな良いお店じゃなくても、と言いかけて猫林さんのルックスなら大衆居酒屋なんて行ったら視線が釘付けになってしまうと気づいて口を噤んだ。




「ねこばやしさんの、お名前ってなんていうんですか」
「京介といいます」
「きょうすけさん、お名前もかっこいいんですね」

 やばい、楽しすぎる。美味しいつまみに美味しいお酒に目の前には絶世の美形。そんなの楽しくないはずがない。調子に乗ってお名前も聞いてしまった、名刺を見れば済む話だけど本人から聞いてみたくなった。酔っているのか猫林さんの少しだけ低くゆっくりとした話し方は刺さりすぎてドキドキを誤魔化すように酒を煽る。

「平川さんのお名前は教えてくださらないんですか、?」
「へ、?ああ、肇です。難しい字のほうの」
「はじめさん、」
「はい、なんでしょう♡?」

 なんて楽しい時間なんだろう。試しに呼んでくれた声に嬉しくて上機嫌で返事を返す。酔いが回ってきているのか口が軽く、なんでもできてしまうような気さえしてしまう。それに優しい猫林さんがなんでも頷いて、つまらない話にも相槌を打ってくれるから尚のこと、調子に乗ってしまう。

「お酒、お強いんですね」
「そんなことないですよ。見栄張ってます」

「そうなんですか?見栄なんて貼らなくてもはじめさんは素敵ですよ」
「素敵なのはねこばやしさんです♡こんなにかっこいい人会ったことないです」

「ふふ、きょうすけさん、でしょう?」
「っ♡♡きょ、うすけさん♡」
「いい子♡」

 やば♡むりむり♡なにこの人えっろ!♡♡そんなことされたらきもちよくなっちゃうからやめてほしい♡♡
 吐息が届きそうなほど近寄り、訂正した京介さんはそれでも飽き足らず掌を重ねて、酔った身体の熱い体温が伝わる。指の腹で輪郭をなぞる感触のむず痒く甘美な刺激にぴく、と肩が跳ねた。反応を見て遊んでいるのか、じわじわ熱が集まる顔色を覗き込む京介さんの意地悪な視線にスイッチが入りそうで醜態を晒す前に許してほしいと目を瞑った。

「逃げちゃだめですよ。め、開けてください♡」
「ッッ!♡♡ぃ、いじわるしないで、ください、♡」

 酔って素が現れているのか、嗜虐的な声色は酷くキョウ様に似ている。キョウ様に似た声で下される擬似的な命令にドクッと跳ねた心臓がうるさく鼓動を繰り返した。けれど生娘のように震えた声は期待感が隠しきれない。

「家、この近くなんです」
「っ、♡」

 張られた罠にわかっていながらも抗えない。言葉が意図する意味に気づいていて、頷いた俺は京介さんを責めることなどできなくなっていた。既にあがった息は卑猥な夜を想像させるように熱く、蕩けた瞳は男を強請るように目で追ってしまう。中毒性があるその声は脳髄に染み込んだ被虐趣味を掻き立てて、拒否すらも封じられて発声されるそれに脳はどろどろに蕩されて、夜道に背を押された。

-------------

「こういうこと、初めてですか?」
「は、はじめて、です♡」

 向かい合うようにして座り込んだ視界に映る京介さんの甘い美貌に居た堪れない。酔いと流れと欲で本当に来てしまったけれど、よかったんだろうか。初めての経験に固まるしかない俺を他所に、慣れたような京介さんに差し出された手をおずおずと触れた。

「可愛い♡ちゅーされるの好き?」
「んっ♡ぅ、しゅき♡ちゅーきもちぃいっ、ぁ♡♡」

「はじめさんは素直でお利口さんだね♡」
「、ッ~ーっ!ぁひぁ♡、きょうしゃまっ♡♡ぁえ、!?」

 指に手に、喉に額に、頬に唇に降り注ぐ柔らかな唇の愛撫は理性や戸惑いを拭い去っていった。至近距離で直に脳に浴びせられる美声にじゅわと快楽物質が滲んで目眩がするような快楽が背筋を駆け抜ける。
 そして、欲を追うことしかできなくなった脳の代わりに聴覚が違和感を感じ取る。おれ、いま京介さんじゃなくて、キョウ様って言っちゃった?思わず焦りに黙りカチ、と硬直した身体と表情に京介さんも寸前で唇を止めた。

「やっぱり、配信みてるでしょう?俺の声好きだとは思ってたけど♡」
「へ、ッ!?は、ひゅッぅあ♡!?ッ~~?♡」

 けれど、京介さんはなんでもないように配信と言葉を出して半開きの唇にぷるんとやわい唇を重ねる。
 脳が理解に追いつかない。京介さんが何言ってるか理解できなくて、必死に頭を回してるのに平然として続けようと指を這わせるから後退りを繰り返す。猫のように躙り寄る楽しそうな京介さんに逃げる身体が壁に貼りついた。

「だ、だめです、!りすな、とするなんて、俺がゆるせない、ッぃれぇ♡♡ッ!だめです!」

「だめなんかじゃないですよ♡猫林京介が、はじめさんと個人的にえっちなことするだけですから♡」

「で、ッ♡でも!、身バレしちゃうかも、ぉッ♡ひっ!?♡♡、しれないですし!」

「はじめさんは俺のことバラすような人じゃないでしょう?♡」

「ッ~♡それ、はそうですけど!ッうぁ♡♡っ話してるのに!!触らないでくださいよ、ぉあッひ!?んんぅっ♡♡」

 やっと、京介さんとキョウ様が結びついた脳内で理想のようなものが爆発して、弾き出されたのはとりあえず自分がキョウ様とするなんてありえないということだった。家にまで来て、半裸のはだけた状態で拒否するなんてめんどくさいことは自分でもわかっているけれど、どうしても自分なんかがキョウ様とすることに抵抗があった。
 話している間も甘い言葉の誘惑に加えて頬や耳を擽る手に声が上擦る。意思とは反して身体は敏感に快楽を得ようとしているからどうしようもない。

「甘えたのとろ声だしてるのに♡何が嫌なんですか?」
「きょ、京介さんだって、配信みてる人なんて嫌じゃないですか?」
「いいえ?はじめさんが俺の配信みてえっちになってるなんて興奮します♡♡」
「っ~ー、♡で、っも!」

 抵抗を繰り返すにつれて京介さんの声が低く蕩けるような糖分ましましの声になって、それを目の前で浴びている事実に脳が痺れる。調教が完成した脳が無条件で身体を差し出してしまいそうになる本能を抑えつけ、理由を並べて理性に縋りつく。

「そしたらぁ、良いって言ってくれるまで言葉責めしてあげる♡」

「ぇ、!?~っ♡や、ぁひぃッ!?だめ、ッ♡ぅうッんんぅっ~、ー!♡♡」

「声聞くだけで発情しておちんぽ勃たせてる変態のくせに♡イきすぎて意識飛ぶぐらい気持ちよくなろうよ♡♡」

「ッふ、ぅあ♡っ、♡♡そぅぞうしちゃうからッぁ♡らめ、らめッ♡ッーーっ♡は、はぅっ♡」

「俺に犯されてぐちゃぐちゃになるの想像しちゃった?命令されて気持ちよくなっちゃう変態なんだから犯されたいですって認めなよ♡」

「ッや、やぁ♡♡ッぅ、ンぃああっ♡ひ、ひぁッ♡ッぉ、~~っ!?♡ふ、ぅ~ー♡ふ~ッ♡♡」

 これ♡やっばいっ♡♡ほんとにきつい♡ ビクビクしてるからだ見られながら耳元で命令されるのおかしくなる♡はずかしいっ♡降参しちゃうからやめてぇっ♡♡
 いつのまにか押し倒されていた身体は逃げることもできずに、一切の容赦なく浴びせられる悪魔のような誘惑がひたすらに卑猥で恥辱的に理性を煽りたてる。弱々しい抵抗を繰り返す身体はピンッと何度も脚を張りつめ、震える足先が浸される快楽に悶絶し足の裏を丸める姿は抑えられない声とあわせて、我慢が限界に近いことを表している。嫌々と駄々をこねる姿を前に萎えるどころか興奮したように舌を回す京介さんはとことん意地悪で妖美に欲を纏わりつかせる。

「犯されたい♡犯されたい♡ぐずぐずのナカキュンキュンしてるくせに♡コリコリになった前立腺いじめ倒してあげる♡」

「ッひ♡ぁ、ッ~ーぁッひ!♡らめっしにゃぁ♡ぃいっ!?♡は、ぅあッ♡ ~~っひゃ、んッんんぅ♡♡」

「どうやっていじめようかな♡はじめさんが泣いちゃうまで指でカリカリッ♡ってくすぐってもいいし、ぎゅうっ♡ぎゅうっ♡ってえっちなしこり膨らませたお仕置きにする?♡」

「や、ぁッ♡ッっぁああ♡ ふ、っ~ー♡かんがえぁちゃうかりゃッ♡♡いわ、ないれぇッぇっ♡んひゃッぁンッ!?♡」

 思考すらも愛撫するように並べられる言葉はとことんいかがわしく淫らで婬猥なもので、拒否する唇とは反対に想像させられる行為からの期待で下の布地はとろとろと濡れそぼり、快感がほしい、負けたいと言わんばかりに疼きほてついていた。
 熱に犯されグラグラと大好きな声に揺れる脳内は茹だる。抵抗する意義もわからなってきた頭に襲う快楽の波は許容量を超えて、脳内を撹拌し続けた。

「我慢できなくなってきたね♡ほら、俺の目みて♡」

「ぁ、あッ♡♡っ~~ぅ、あッ♡らめ、らめらめっ♡♡っは、は、~ッ!♡」

「ねえ、ご主人様の言葉は……?」

「ッ~~ッ♡♡♡ッぁ、あッ♡ぜ、ぜったいれしゅっ♡♡」

 ずるいずるいずるい!!そんな甘々な声でいつもの命令されたら逆らえないのに!♡堕落させられちゃう♡!!
 とどめに一際いやらしく囁かれた命令に調教済みの脳が逆らえるはずがなかった。無意識のうちに情けなく開いた唇が服従を誓えば解放感に快感が弾ける。抑えつけることができなくなった欲望を反動にじゅわ♡と快感が脳を焦がして何度も跳ねるように生まれる快感が視界を白く染めあげ、罪悪感さえも快楽に塗り変わっていく。

「お利口さん♡認められてえらいね♡お仕置きは脳イキしようか♡」

「は♡はゅ、ッ、♡」

 こんな、状態で♡脳イキしたらおかしくなっちゃう♡♡お仕置きなんて♡♡イかされるのきつい♡
 褒めるように添わされた指先がパチンと指を擦る音にこれから与えられる快楽を想像してビクンッと背を仰け反らせた。既にどろどろでまともに思考が回らない脳を犯す京介さんの声は心底楽しそうで優しいのにお仕置きは容赦がない。

「ほら♡声聞いて?この声がはじめさんをもっとどろどろのイキっぱなしに苛めて、おかしくしちゃうんだよ♡」
「ぁ、うあッ♡っはぁッ♡ふ、んぅ♡♡はぅッいっぱぃいじめてくだしゃっぁんぅ♡♡♡」

「発情した身体期待させて♡そんなこと言って恥ずかしくないの?淫乱♡」
「はぁうッ♡ッぅ、ぁ♡ご、ごめんなしゃぃ♡♡~ーぉッひ、ぃ♡♡ッ~♡」

 ただただ俺だけを辱める、劇薬のように酷く甘く情欲を焚き付けるその声を言葉を浴びせられる度にパチパチと白い火花が瞬いて、弓状に背が仰け反る。未だにこれが現実だと信じられない自分がいるのに、頬に触れる指先や耳朶を食む唇の感触に引き戻されてぞくぞくと肌が粟立つ。
 次第に上半身から降りていった掌は疼いてしかたない奥を見つけてしまった。お腹を触られるだけでキュンキュンと感じて期待に濡れる奥を虐めると告げるように下腹をとん♡とん♡と等間隔に叩かれ、ピクッピクッと堪えられない快感に腰を振ってしまう。

「ひぅっ!?♡あっ!♡あぅッ、♡♡とんとんらめッらめらめッ♡や、ぁんッ!♡ッひ♡ぁああっ♡♡、ッ~ー!♡」

「じゅわじゅわしたお腹叩かれて腰振っちゃってかわいい♡弱点だらけの身体お仕置きされようね♡」

「、ッは、~~ッ♡♡ッひゃ、ぁっ♡♡ッ!~♡ふ、ふ~~ッ♡♡と、んとん♡きちゅ、ぃ♡♡とんとんいや、ぁ♡ッひ、ぃんっ!?♡♡」

「へえ、嫌なんてわがまま言う子はこしょこしょに変えてあげる♡♡嬉しい?♡」

 絶え間なく叩かれた振動に愛撫される奥から感じる痺れのような堪え難い快感に思わず、口走った弱々しい抵抗が拾われてしまった。けれど、少しだけ止まった動きに休もうと緩んだ身体が休みを許されるはずがなく、突然の刺激にビクンッと跳ね、敏感な皮膚が素早くいやらしく、遊ばれ始めた刺激に悶絶を繰り返す。

「ッはひっ?!、♡と、ぉっ!?♡はひゅ、ひひ♡♡ッ~んぅうッふふ♡やら、ぁッ♡はひひッぃん、ぃッ♡~ーっ!♡」

「あれ、こしょこしょされるだけで気持ちよくなってるの?♡こら、逃げない♡」

「ッこしょこしょらめ、つらぃいッ♡♡ッひ♡とんとんがいいれしゅッ♡♡ぁひッひ~ー♡♡こしょこしょッゆるしれぇッくらしゃい♡♡ッ~ーっは、ぁああ♡♡」

 こんなの我慢できない♡♡逃げたいっ♡むず痒いのに奥がビリビリして、気持ちよすぎる♡♡
 覆い被さる京介さんからはどうしたって逃げられなくて、押さえつけられる力の強さに好き勝手に犯されるしかないことを知ってギュン♡と感度が上がる。それすらも見透かされているようで嗜虐的な笑みと共に舌先は饒舌に卑猥に執拗に苛んだ。

「はひッひ♡っ~~!?ぁあんぃ♡とんとんっ、してぇ♡とんとんしてくらさいッ♡♡ッひゅひ、ひぅッ~ーっ!♡」

「もう仕方ないなあ♡ほらお腹とんとん♡とんとん♡気持ちいいですか?♡」

「ひ、ぁあッ!?♡は、ふっぅう♡ッ~ー♡き、きもちぃいれしゅッ♡♡ありがとッごじゃいましゅぅッ♡♡」

「あはは、ド変態♡気持ちいいの止まらないね♡♡」

 ゆっくり叩かれてるだけなのに一回一回が奥を揺らして痺れる快感がぞわぞわと脳天からつま先まで渡っていく。皮膚をこしょこしょと撫で擽られた所為か心なしかさっきよりも堪えられないその感覚にビクビク喉を晒して悶えながら、被虐心のままに感謝を述べてしまう。身体中支配されて許容量を壊された快楽に浸されてもう戻れないと覚える背徳感で段々と快楽が濃縮されていく。

「脳みそ沸騰させて気持ちいいの終わらないね♡♡ はじめさんの淫乱♡お利口にイくんだよ?♡」

「ぁッお♡はひ、♡♡っ~ー♡、」

「声だけで責められて恥ずかしくイっちゃえ♡イけ♡イけ♡♡」

「っイぐ、イくぃっ♡♡ッ~~~っ♡、イっー~♡♡イっかされるっ♡♡まら、ぁッあ♡イっくいくっ~~ーッ♡♡♡」

 あたまっ♡あたまふわふわしておかしくなる♡♡触ってないのに、イくのおわらないっ♡♡
 京介さんの声が頭の中で反響を繰り返して何度も何度も絶頂を重ねる脳がバチンッバチンッ♡と快感を弾かせていて、神経に巡る強烈な快感に弓形に大きく曲げた身体がベッドに沈み込んだ。浸る絶頂が深く深く意識を苛んで、京介さんが悪戯に命令を続けるからいつまでも絶頂から上がってこれない。

「一晩中、ずぅっとこうしてイかせてあげる♡嬉しいでしょう?♡」
「ぁへ、へッ♡♡うれひい、れしゅぅ♡っ~ー、♡」

 壮絶な快楽で投げ出した舌が絡め取られて、まだ足りないと欲情をうつした声と瞳に甘イキした姿を笑われるのにすら気持ちよくて腕を伸ばす。虚ろな意識で宙にだらりと伸ばした腕は正気に戻る前に京介さんの首に巻きつけられて多幸感でどろりと脳が溶けた。

「っは♡ぁ、らいしゅきれすっ♡♡きょ、きょうしゅけしゃんっ、♡ッ~~っ♡」
「っ♡♡おれもはじめさんだいすき♡♡一生おれと一緒にいましょうね♡」

 大好きな声に包まれてパチパチと弾ける快感にダメになってしまうと堕落した意識すらも支配されて、気づいたら剥かれた身体に触れる京介さんに全てを捧げた。
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