短編エロ

黒弧 追兎

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いっぱいした【オナバレ 玩具】

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「ん、んぁッあは、は~っんんぅ……ッ、せんぱいッせんぱいっしゅきっ、すきッぁんん、~~ッ!」

 今日の先輩を思い浮かべながら激しく手を動かし、挿入した玩具でナカを掻き混ぜる。ぐちゃぐちゃと反響する音と先輩をおかずに慰むことに対する背徳感は身体を昂らせた。新たに更新された先輩は伸びた髪を一つ結びに纏めた姿で、それが色気を醸し出して魅力をより引き出していた。
 正直めんどくさかったけど、今回の飲み会は行って正解だった。見つかってしまったから強引に連れてこられた居酒屋には俺が好きで好きでやまない出歩先輩が存在していた。喜びと驚きに奇声を発しそうになった口を塞いで酸欠になりそうになったのはほんと末期だと思う。
 大勢の人が居ても先輩が座っているところだけは輝いていて緊張と下心で目を離せなくなった俺は凝視してしまった。そんな挙動不審の俺を見ても猫のように愛らしく美しい顔ばせを和らげて笑ってくれた破壊力は凄まじかった。
 酒で酔う前に先輩に酔って座る前から足元が覚束なかった気がする。縺れた脚に転びそうになったけれど、近くに来てくれた先輩が抱き止めてくれた。先輩の匂いと体温に反応しそうになったけど抑えたのはだいぶ褒められてもいいと思う。先輩の匂いはなんか煙草と微かな香水が混ざっていて、形容し難いけどとにかくえろい匂いがする。煙草の銘柄は教えてもらったけど、香水はまだ聞けていないから今度会ったら教えてもらおう。

「あ、はぁッぁ、ぁうっんぅ~~、!すきッすきすきすきっ!!抱いて、ッぁは!いずせんぱいっぃッ、っぁあ、~~ーッ」

 鮮明に焼きついた先輩の薄い唇と赤い舌が動く様は卑猥に脳内で再生されて、生まれる罪悪感と興奮は理性を崩壊させる。好きだと声に出す度にとろとろに解れたナカはきゅんきゅんと収縮を繰り返し、玩具を締め付けて快感が滲む。
 あんなに綺麗な先輩を妄想の中でだけでも汚していることなんて許されないのにどうしようもない劣情を抑えることができない。煙草を咥える仕草とかふとした瞬間に伏目がちになった表情とか全部がこの世のものとは思えないほど綺麗で、尊敬を超えた情を抱いてしまった俺は釘付けになって盛りのついた犬のようになってしまう。
 妄想上の先輩が荒く腰を打ちつけて物のように俺をぐちゃぐちゃに犯していくのが気持ちよくて仕方がない。

「いず、いずほせんぱいっッあ、イくッイっちゃう、イくいくいくっ、ぅっ~~ッ、ッ!!は、ぁっ~ー~ッ、!、!!」

 理性を放り出して性欲のままにバチュッバチュッと玩具で痙攣するナカを突き上げた。迫り上がった絶頂にビクンッと跳ねた身体が甘受する快感に背中を仰け反り、脚をピンッと強張らせる。とめどなく性器から溢れる精液は勢いなく肌を伝い、厭らしく濡らしていく。グポ、と抜けた玩具をシーツに転がす。絶頂の余韻に浸かった意識は飽和した快楽に蕩けてだらりとシーツの上に四肢を投げ出した。気持ちよくて虚しくて、手に入らない妄想は輪郭を失って消えてしまった。

 ブーッ、ブーッ、ブーッ、ブーッ

「んぇ?、は、ぇだれ……」

 耳元で五月蝿いバイブ音に眉を顰め緩慢な動きで手に取る。深夜0時に掛けてくる友人なんていないのに。暗所から電気を付けたせいで滲む視界は視点が合わず着信者を上手く認識できない。

「っ~!?、ッあ、え!?」

 やっと光に慣れた視界が映した着信者に思わず震えた指先はスマホをシーツに落としてしまった。
 出歩先輩と表示された画面があるだけでどこか神聖に感じるスマホを秒で拾い上げて大事に握りしめる。散らばり混乱した脳内を先輩とちゃんと話せるように整えて、電話が切れてしまう前に緑色に触れる。

「こ、んばんは、」
「茜くんこんばんは。ごめんね、こんな遅くに。」
「いえ、全然大丈夫です」

 先輩と電話しているという事実に早まる鼓動で胸が痛い。名前呼ばれちゃった。先輩は声も良い。
 心拍はバクバクと主張して息切れした呼吸は吸うだけで精一杯だけど、不審に思われないように声色を冷静に取り繕う。やばい、先輩と電話してる、幸せすぎる。

「会計の時に財布を茜くんのと間違えたみたいで」

 探った鞄の中には先輩の言う通り、輝く先輩の財布が入っていた。

「ほんとだ、ごめんなさい!俺がテーブルに置いちゃったから」
「いや、俺も酔ってたし。返したいからさ。明日って空いてる?」
「空いてます!俺が家に伺います!」

 会計の際に割り勘の徴収で俺がテーブルに置いてしまったから先輩も取り違えてしまったんだろう。同じ紺色でもブランド物だと他の先輩から聞いたそれはツヤが違う。同じものを買おうと思ったが、調べた値段に肩を落としたのを覚えている。仕方なく色と形が似たそれなりのものを購入した。けど、同じ紺色で先輩が「おそろい」とはにかんでくれたのは嬉しかった。もう一生財布変えられない。

「いや、大丈夫。俺そっちに行く用事あるから家行くよ」
「俺暇なんで!わざわざ来ていただくのは」
「いいから。なに、疾しいものでもあるの?」
「ひゅ、ぇっ!?そんなことないですよ!!」

 疾しいものは実際あるけれど、それとは別にわざわざ来てもらうのが申し訳なかっただけである。先輩のお家は他の先輩に連れて行ってもらったことがある。寝起きの先輩の掠れ声ほんとえろくて財布に手を掛けそうになった。自分ながら踏みとどまってよかった。嫌われていたかもしれない。
 でも確かに、なんでもない後輩が家に来るのは嫌かもしれない、いや先輩の性格的にかなり嫌がるのだろう。配慮が足りなかった自身を悔やみ「いい?」と聞く声に首を上下に振りながら了承を返す。

「じゃあ、16時とか大丈夫?」
「あ、はい!全然、大丈夫です!」
「強引でごめんね。家の場所教えて?」

 駅前で外観もわかりやすい俺の賃貸は伝えやすい。住所と特徴を伝えれば簡単に終わってしまう。近くらしい他の先輩の名前を挙げれば和らいだ声に感情がこんがり焼き上がる。そのまま炭になったそれを砕いて封じ込めて、続いた会話はあっという間に終わりを迎える。元より先輩の前では緊張してしまう性格で、その上倦怠感と回らない頭ではより長く会話を引き延ばすことは難しかった。

「茜くんありがとね、おやすみ」
「お、やすみなさい」

 やっば、先輩からおやすみって言われちゃった。分かりやすく赤く、燃えた顔は全ての筋肉が緩んでだらしのない顔をしているだろう。

「ろくじか、ちゃんと用意しないと」

 先輩の声と言葉に昂った身体は玩具へと手が伸びるがこのままシたら絶対に数時間致してしまうと確信している俺は首を振って勢いよくベッドから立ち上がる。数分前はそのまま寝てしまおうと思ったが、先輩が明日来るのならシャワーを浴びるべきだ。
 先輩が家に来るという事実にバカみたいに興奮した頭を冷やすようにシャワーを浴びて、そわそわと小さな子供のように期待した頭を鎮めながら眠りについた。


 -------------

「……ん、っは、15時か」

 刺さる太陽に目が覚めた。タイマーは掛け忘れていたけど無事、起きれたこと安堵してぼー、と頭を回転させる。今日は先輩が来てくれるからそれまでにシャワーを浴びて、用意しないと。時間の猶予は3時間あるからゆっくりしても間に合うはず。時間のかかる用意は対してしないし。

 ピコンッ『昨日はありがと、楽しかった』

「あ、せんぱいっすきッ」

 通知に出た先輩の言葉にキュンと胸が高鳴る。こちらを気遣う優しい言葉に頭と身体に好きが爆発して、布団の中でぐるぐると悶える。そのうち、好きが響いた奥がズクズクと疼いてやらしい身体は性欲に呑まれ始める。

「ま、ぁ?シャワーなんてすぐ浴びれるし、ちょっとくらい」

 昨夜の電話の記憶も合わさって薄弱な意志は揺らいでいく。だって、このまま先輩と会ったりなんかしたら目も見れないし、目が合ったら勃起してしまいそうだし、処理してからの方がいい気がする。
 先輩が関わるとすぐに恋慕と性欲にぐるぐるになってしまう自分を情けなく思いながら、指先はローションと玩具に伸びていた。

「あっ、ぁあッ、っん、ぅひッ!?っ~ー、あっああぁっぁんん~~っ!、せんぱいっごめんなしゃぃ、あッすきすきっ、~~~ッせんぱいッせんぱい、!!」

 チュポッ、~~グチュッグチュグチュッ!グポッグチュグチュッ!!グパッグポッ!グチュッッ!!

「んぃッきもちぃ、ッとまんにゃいっあ、ぁああッんんんぅーっ!すきッしゅき!ッ~~、いずせんぱいッきもちい、ッひん!んぃ、ッ~ーーぁああ!!」

 淫らに身体を捩らせ、ローションに濡れた後孔を犯し尽くす。激しい抽挿に合わせてグポグポと鳴る水音と泡が潰れる音は背徳感と興奮をより煽らせる。

 カチッ……ドチュンッ!ドチュンッ!

「ぁあ、ッ~ー~!?、んぉぃひッ!?はげしぃ、~~ーぁッ!~~っぁああ!!しぇんぱいっああッすきっせんぱいッすき!ぃひゃっんんぅ~ーッ、!!」

 滑る指先が玩具の電源を押して、突然襲い掛かる容赦ないピストンに喉を晒して悶絶する。
 まるで先輩に犯されているように感じてしまえば、身体は高ぶり快感を鋭敏に感じ取る。先輩に会う前にこんなことしてるなんて恥ずかしくてみっともなくて、どうしようもなく興奮してしまう。あんな綺麗な先輩を慰みに使って俺を犯す妄想をしているなんて知られたら、やばいのに、辞めなきゃいけないのに手は止まらない。

「いずほせんぱいッ、ッああっ!!きもちぃいっ!っ~ー、抱いてッせんぱいっんあぁああ!!ぐちゃぐちゃにぃひッ、んぉ~~ッ、おかして!」

 脳内は快楽に麻痺して堕落していく。恋慕も性欲も先輩への全てを煮詰めたどろどろの感情を吐き出して、快感に浸る。抑えられない全てを吐き出せば、いずれ消えていくと願っているのに増すばかりで陶酔は溶ける気配がない。

「いず、いずほせんぱい、すきすきッ!いッいくいくっ、~~ッ!!」

 トドメに前立腺をグイッと抉った玩具にイカされて精液をシーツに零し、快楽に身体を痙攣させる。真っ白に塗り潰された思考は何も考えられなくて、ただ惚けて顔をシーツに押し付けた。ナカから抜け落ちた玩具はバイブ音を響かせているが動く気になれない。そうした耳に水音ともバイブ音とも異なる音が届く。

「うわ、絶景。最高」

「、~ーぁ、ひぅ?え、せんぱいだ、かっこいいっすき……っ?」

 拗らせすぎて聞こえた幻聴に顔をあげると、ついに幻覚まで見てしまうようになったらしい。そこには扉の前には先輩が見えて目が合った瞬間、にこりと微笑んでくれた。こんなリアルな幻覚を見るなんて俺、ついにやばいかも。

「俺のこと好きなの?茜利くんは」
「……、……?、ッ!?」

 幻覚が近づいて、声を掛けてくれた。目の前に来た幻覚の先輩が手を伸ばして優しく頬や頭を撫で撫でしてくれる。そして、頬を冷たい指先が触れる感触や髪の毛を梳く優しい触り方が実在して明確に感じることに、この先輩が幻覚ではないことに気づいた。気づいてしまった。

「んぁっ!?い、い!!いじゅほしぇんぱい!?!?」
「なぁに?」
「ッ!!っえ、ぇえ!?おれ、ぁえ……っあぁわあわあ!?」

 先輩が俺の部屋にいて、俺は全裸でぐちゃぐちゃで玩具なんて挿れていて、先輩が俺を見ている。
 時間を置いて訪れた羞恥心が激しく襲い掛かる。状況に潤んだ瞳から涙を堪えながら、服とか布団を探すけれど、勢いよく端に投げたことを思い出して後悔に駆られた。諸々を取りに身体を起こしたが、弛緩した身体は上手く動かず、ベッドから起き上がれば絡れる脚は重力に逆らえない。

「お、と……あぶないよ」
「ひ、ぃ……ご、めんなさいっせんぱ、せんッおれ、ごめんなさい!」
「そんなに謝らないでよ、大丈夫だから」

 こんな醜態を晒した上につまづいて先輩に支えてもらうなんて、とにかく謝ることしかできない俺は混乱に回らない呂律で機械のように繰り返す。それでも優しい先輩は俺を責めずに頭を撫でてくれるから、消えてなくなりたい。こんな俺なんかに好かれても嬉しくないだろうにとことん優しい先輩を裏切ってしまった罪悪感で押し潰される。

「ところで、茜利くん俺のこと好きなの?」
「へぅ、ぅすきです、ごめんなさいっおれなんか、好きでごめんなさいッ、」
「謝らないでって。茜利くんこっち向いて?」

 頭を撫でる手が首を擽って、顎を掬われる。
 涙でべしゃべしゃの顔を先輩に見せなくないのに、先輩が言うなら顔をあげるしかなくて。先輩がどんな目をしているのかが怖くて仕方なくて目を逸らす。嫌悪、失望、罵倒、拒絶、どんな言葉がきても受け入れるしかないのに。

「俺も好き、茜利くんのこと。」
「、?ぇ……ぇ?すき、せんぱいが、?」
「やっと目あった。そうだよ、俺は茜利くんのこと大好き」

 予想だにしない言葉に思わず顔を上げてしまった。
 俺を見下ろす先輩の柔らかな瞳は包むように優しくて、言葉を失ったまま見つめ合う。

「……?、ぁえ……なんで、?」
「俺を見つけたら駆け寄ってくるのも、煙草吸うの真似しちゃうのも、俺だけに笑ってくれるのもぜーんぶ好き」
「そんな、ぁ……うそ、せんぱいがおれをすきなんて」

 先輩の言葉は全てだけれど今だけは脳が理解するのを拒絶していて、何もわからない。先輩は綺麗で、俺なんかじゃ釣り合わなくて、そんな先輩が俺を好きなんて、ありえないのに。
 嫌だと首を振り動揺のままに震える声で否定を繰り返した口に、先輩の唇が合わさった。ざらついた舌が唇を舐めて薄く開いた口に侵入する。先輩の舌に開けられたピアスが舌を擦り合わせるたびに擦れて生まれる快感にひく、と身体を震わせた。抵抗の二文字は頭から失われて先輩の舌が咥内を這うのを甘受しながら、ぼんやりと先輩の瞳を見つめる。そこには揶揄いなんてものはなくてただただ砂糖のように甘い感情が浮かんでいた。

「茜利のこと好き。おねがいだから信じて?」
「せんぱい、ほんとにおれのことすきなの、?」
「好きだよ。誰にも渡したくない」

 恐る恐る確かめた言葉は何倍もの破壊力を伴って返ってきた。やっと、機能した頭は羞恥心と興奮と嬉しさに加熱されてショート寸前で、あわあわと目を回す。

「俺と付き合って?」
「ぁ、おねがいします……っ」

 トドメの一言に倒れそうになった身体を先輩が支えてくれた。先輩の指先が素肌に触れてくすぐったさにピク、と跳ねた。
 そして、自分が今どんな状態なのか思い出した。いくら両想いとはいえこんな裸の状態で先輩の前にいるわけにはいかない。視界の先の服を目指して先輩の腕の中から抜け出そうとするとぎゅ、と抱きしめられた。

「あ、ぇ?せんぱい、俺服着なきゃ」
「ダメって言ったら?」
「ぇ、えっと、?」

 服を着るのはダメらしい。
 先輩の意図が分からず見つめ返す。するりと先輩の手が腰を撫で、卑猥な手つきに理解して身体の熱が上がった。

「茜利くんの裸えろすぎて勃っちゃった。抱かせて?」
「は、はいっ、おねがいしますッ、っ」

 興奮しきった瞳に射抜かれてじゅわ、と快感が滲み出す。先輩が俺の身体で興奮してる事実は嬉しくてたまらない。降り注ぐ唇と舌の感触に酔いしれて、伸ばした手を繋がれて、感じる体温に包まれながら、快楽に陶酔した。
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