短編エロ

黒弧 追兎

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座ってるだけで【手コキ 乳首責め 媚薬】

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「今日はこれ飲んでもらおうかな」

 渡されたのは掌に収まるサイズの小瓶。試しに振ってみればちゃぷちゃぷと音を立てて揺れる桜色の液体を見つめる。こんな小瓶に入っていなければ何かのフルーツジュースだと騙せてしまえそうな程、見た目からは怪しさを感じない。

「これの中身って、?」
「媚薬だよ」
「び、媚薬……」

 平然と言われれば頷くことしか出来ない。
 呆然と小瓶を眺めながらとりあえず机に置いてみる。中身なんて聞くんじゃなかった。中身を知らなければ躊躇せず流し込めたのに。
 郡山さんが渡してくるものでまともなものだったことはないのに僅かな好奇心で魔が差した。

「味なら心配ないよ、甘いジュースって感じだから」

 確かに味は大事だけど聞いたところで覚悟が決まらない。
 せめて一瞬向こうを向いてくれるだけでいいのに穴が空きそうなほど見つめてくる郡山さんに緊張は増してじっとりと冷や汗をかく。
 机の小瓶を持ち上げた郡山さんがキュポンッと音を立てて蓋を開けた。

「ほら、飲んで?」

 冷たい郡山さんの指先が握りしめた手に触れる。ゆっくりと指を開き小瓶を握らされる。

「っ、……~~ッ、」

 外れない視線に逃げられない。変えてなんて言っても聞いてくれないだろう郡山さんに覚悟を決めて液体を口に流し込む。案外さらりとしたそれは香料の甘みを残して喉の奥にながれていく。

「うん、飲んだね。今日は経過観察だから何か変化があったら教えて?」
「あ、はい」

 郡山さんに連れられるままベッドに寝転がる。今日は下着にローブだからいつもより全然恥ずかしくない。心なしか感覚が狂ってきた気もするけど仕方ないことだ。
 柔らかな布団の上にすることがなく寝転がっていれば瞼が下がってくる。体温が上がって身体がぽかぽかする。

「なんか身体があったかい、です」
「効果出てきたかな?」
「あ、っつい……郡山さん、あついです」

 身体の奥から熱が湧き上がってくる。水が沸騰していくようにグラグラと身体の中が煮立っていくような感覚から逃れたくてシーツを蹴るけれど熱は増していく。
 さっきまでは寝る前みたいな心地よい温かさだったのに、気がつくと頭が可笑しくなりそうな程の熱にじっとして居られない。

「、んっ、ぁつ……んん、ぇ、?ぁあ!?」
「ん?どうした?」
「っ、ぇあ!ぃや、なんでもないです……」

 真っ白な天井を眺めていた視線をふと下げてみて激しく後悔が過ぎる。緩く主張する下着の膨らみに気付いて思わず声をあげてしまった。媚薬を飲んだんだから当たり前の筈なのに、平然としている郡山さんを前に羞恥心は増していく。声で目が合った郡山さんに思わず誤魔化してしまう。

「っひ!ぁんんぅ!?」
「こら、なんでもなくないでしょ?」

 油断した隙に陰茎を突つかれ下腹に走った快感にヒクリと身体を揺らす。悪戯に目を細めた郡山さんは咎めるように下着越しの陰茎を冷たい指先で撫で回す。それだけで過敏になった身体は僅かな快感を呼び水に、身体中を暴れる熱は下腹に集まっていく。

「んっ、んぁッ……?こおりやまさんっ……んっ」

 下着が色を変えるほどの先走りをぐちゅぐちゅと混ぜ快楽を注いでいった手は達する前に離れていってしまう。取り上げられた絶頂に首を傾げて郡山さんを呼ぶ。
 いつもならこのままイかせてくれるのに。

「ごめんね。今日は効果を観察したいからあとちょっとだけじっとしてて?」
「あ、はぃっ!」

 強請るような声に今更猛烈に恥ずかしくなってきた。快楽に流されたけど今日は経過観察って言われてたんだった。
 火照る身体に目を瞑りジンジンと疼く下腹部から必死に意識を逸らす。けれど服の些細な感触すら快感へと受け取る身体は熱を伝えるばかりで脳内が熱に塗り替えられていく。

「ぁっは……ッ~、は……~~、ぁあっ……んんっ、ぁんぅ……ッ~、」

 あつい、あついっ、あついっ!
 身体の中が燃えるように熱くて、身体中が蕩けるように気持ち良い。快感に背を仰け反り蜿けば蜿くほど快感が絡み息は荒くなっていく。熱に侵された脳内は快楽を求めることしか考えられない。
 恥ずかしいのに声を抑える余裕なんてなくて。快楽に溺れた声は反響していく。

「ひ、ぅあっ……ッ~、!やぁ、んッ……ふ、ぅんんっ、!……ッっ~!!」
「とろとろだね、ほんとに可愛い……あ、だーめ」
「あっ、ぁああ……!ぃきたいッ、れすっ、!ッ~~!イきたっ、!ひぁッんんぅ、~!!」

 狂いそうな程の疼きから解放されたくて伸びた指の先は陰茎に触れる事はなく冷たい指に絡めとられる。するすると皮膚を撫で指と指を絡ませ掌と掌を密着させられる。自分の熱い体温に冷たさが混ざり合い、それすらも刺激となってぞわぞわと肌が粟立っていく。
 捕われた右手はシーツに沈められ、思わず浮いた左手も手首を掴まれて抑えられてしまった。

「っ、……こおりやまさんっ、!……っぅ~、!んッぁあ!!まだっ、れすか……?あっ、んんッ……!」
「っあと、ちょっとかな」

 吐息が触れ合いそうなほど近くで見下ろす郡山さんに押し倒されたような錯覚を起こして媚薬の熱に増して心臓が早鐘を打つ。溢れた涙と締まらない口から溢れた唾液と身悶えてはだけたローブは酷い姿で、視線から逃げたいのに冷たい手は外れるどころか強く握られる。

「ぁあぁッ、……はっ、はひッ、ッ~~、!ん!んぅうッ~!!」

 白い部屋に脳内を支配する疼きに悶える自分の喘ぎ声と秒針を刻む音が響く。目を細めて自分を見つめる郡山さんを滲んだ視界で恨めしく睨みながら時間が過ぎるのを待ち望む。

 ---------------

「ぁあ、ッ~……はっ、はひ……んんっぅう~、!」
「ん、もういっか。頑張ったね」

 時計を見た郡山さんは少し考えて、俺の腕から手を外した。ベッドから降りた郡山さんに俺も起きあがろうとすると押し戻される。疼きに支配され力が抜けきった身体は抗えずそのままベッドに逆戻りする。

「じゃあ、ご褒美」
「ッ……え、?あひっ、!?……まっれ、!やらやらっ、ッ~!ちょっとまっれぇッ、~!!、むりっぁああッ!」

 先走りで濡れた下着に躊躇なく指先が触れる。中で張り詰めた陰茎をなぞり突いた指先は下着越しに扱き始める。待ち望んだ陰茎への刺激は強烈な快感を齎す。容赦のない快楽になすすべなく腰を浮かせて身体を振るわせる。

「ぁあああッ!?っ~~~ッ!っ~、ひッ!ぁあんんっ、~~っ!らめっやばっ、ぃいッ、~!!」

 目の前が激しい発光に包まれ、脳髄を焼く痺れが背筋を突き抜けていく。何度も何度も快楽の濁流が押し寄せ、掌が陰茎を扱き往復する度に勢いのない精液が鈴口を濡らしていく。
 数分も経たずに下着の中は白濁液で満たされて、卑猥な粘着音を響かせる。達しても治るどころか、射精する毎に身体は熱くなり敏感になっていく身体に快楽を注がれれば言葉にならない喘ぎを発することしか出来ない。

「んんっ、は、ッー~!!ぁっ、や!みないれくださいぃっ、!ぅうッ~、!!」
「全然、萎えないね。一瓶は多かったかな」
「んあっ、ぁああ!、だめっ、ッ!ひ、ッ!んッんぁあ!!っ~~!!」

 体液に塗れた下着が淫らな音を立てて取り払われる。精液と先走りが混じり、真っ赤に勃つ陰茎が露わになり恥ずかしさに堪らず膝を合わせる。細く綺麗な指が陰茎に絡み付いて精液に汚れていく姿は厭らしさが増す。

「んっ、んぁあ!!ッ、ぅうっ、!ぁのッ、こおり、やまさんんっ、~、!それっやだッ、~!」
「ほら、ここもコリコリしてる」

 触らずとも勃ち、主張する乳首を弾く感触にビクリと腰が揺れる。ビリビリとした痛みのような痺れすらも快楽となり拾い上げる身体は際限を知らず快感は脳を蕩していく。
 硬く真っ赤になった乳首は郡山さんの指に弄ばれ摘み弾き擽られ、陰茎は何度精液を吐き出しても許されず、媚薬で火照り高められた身体は二重の逃げられない快楽で善がった声は快楽に溺れていく。

「んっ、んぁああ!ゃらっ……れちゃぅッ、ぁああ、~~っ、しおふいちゃッうからぁあっッひ、ぁああ!」
「いいよ、吹いて?」

 射精とは違う、熱く身体を迸る感覚は経験がありなんとか避けようとするが弛緩した身体は言う事を聞かない。それどころか激しく身体を責める郡山さんの手に段々と堪えが効かなくなってくる。
 潮なんて吹きたくないのに。やなのに。
 一度の経験で身体はすっかり覚えてしまっていてむずむずとした感覚が身体を駆け巡る。

「ッッ!!ぁああ!、ッひぅ~~~ッ、ぁあ!!!んん、ッー~!とまんにゃ、ぁあッ、っ!!~ー!」

 目の前が白く点滅して息が止まるような感覚と共に潮が勢いよく噴き出していく。それは陰茎も郡山さんの手も濡らしてベッドも濡らして湿らせてしまった。

「よしよし、よく出来ました。可愛いね」
「ぁ、ぅうっ……んっ、ぁッ、~~っ、!」

 頬を撫でる掌の感触にカクリと腰が跳ねる。誘発されるように震えた身体は鈴口から精液を溢れさせる。
 自分の身体とは思えない程、上がった感度に目を回す。同時に媚薬を飲んだからといって過敏すぎる身体に羞恥心で顔に熱が集まる。

「ほんと佐藤くん可愛いね、俺以外にそんな顔見せないで」
「ッ~、こんなこと郡山さん以外の前でできませんよッ、!」
「そう?良かった」

 こんな、こんな恥ずかしいこと出来るわけない。悪戯に目を細める郡山さんに顔を背けながら、快楽の余韻が続く身体に目を逸らして起き上がる。が肩を押されてベッドに押し戻される。

「だめ、まだ治ってないでしょ?」
「、へ……?ぁああっ、や!もういいです!ッ、はひっ!?やめっ、~~ッ!!やだっ、っ~、ぁああっ、!」

 身体に這う郡山さんの手に熱が昂っていく。触られれば疼き出す身体は鋭敏に快楽を拾いあげる。
 蕩け出した頭は機能を放り出して熱に染まっていく。

「んぁあっ、ッ~~!、ひ!ぁああ、~~っ!ッ、はひッ!んぅう、あぁッ~、!!!」

 白いベッドしかない部屋で身悶え、悲鳴に似た喘ぎ声が響く。快楽での蹂躙は何度出しても終わらず、熱は治らず、喉が痛み枯れるまで続いた。
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