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くすぐり調教マッチング♡
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「っ、」
押した。俺は今、送信してしまった。緊張と興奮で心臓はドクドクうるさくて周りの喧騒など気にならない。
ピコンッ
「はっ、!」
微かに頭に浮かんだ取り消しの選択肢も相手の返信の通知音に実行することはできなくなった。もう後戻りはできない。
了解、とだけの返信に心拍数はよりうるさくなって、この後のことを想像しては恥ずかしさに顔が熱くなった。
「君、だよね?三毛猫ちゃん」
「あ、ぇはい!そうっです、」
「よかった。行こっか」
振り向いた先には俺の今夜の相手であるパンタさんが立っていた。事前に写真は交換していたけど、俺より高い身長に圧倒されながら脚を進める。写真の通りに甘い顔立ちをしたパンタさんはスタイルも服のセンスもいいらしい。
「三毛猫ちゃん、お腹空いてない?大丈夫?」
そのまま繁華街に進むと思っていたが、立ち止まったパンタさんは振り返る。
飲食店を指差したパンタさんに首を振る。お腹は空いてない。こういう時は食べておいた方がいいってネットで見たから待ち合わせの前に済ませておいた。味はあまりしなかったけど。
「ぃえ、だいじょうぶ、です」
言った数秒、気づいた俺は思わず顔を覆った。
これじゃあ俺がシたくてたまらないと言ったようなものじゃないか。
自分がした発言の恥ずかしさにパンタさんの顔を見れなくて、羞恥心に赤らんだ顔を必死で隠す。
「じゃあ……すぐシたい♡?」
「ぅあ、はっはい、♡」
覗き込まれた表情に浮かんだ欲に射抜かれて生唾を飲んだ俺は頭を揺らして頷いた。期待と興奮に身体が痺れて、ドクンッと心臓が跳ね上がった。
やばい、俺この人にこれからめちゃくちゃにされちゃうんだ♡
「期待してるの可愛いね♡」
「、ッ~、♡」
するりと伸びた大きな手が顔を覆う手を絡めとった。指の股を爪でこしょこしょとくすぐられ、ピクリと逃げた指先を擦り合わせて恋人繋ぎにされれば、伝わる体温に意識して気分はどんどんやらしくなってくる。
この、大きな手と長くて綺麗な指にいじめられちゃうんだ♡
軽く微笑んだパンタさんは繋いだ手をそのままに繁華街の方へと進む。
もう引き返せない。向かう先のラブホテルが見えて目を合わせた合図に頷いて、入ってしまった。少しの恐怖をも上回る昂りが意識を支配して痛いほどの鼓動に息を吐けば、荒い呼吸が耳元に反響した。
ピッピッ、ピッ
手慣れた仕草でパンタさんが受付を済ませている。初めてのラブホテルにそわそわと周りを見ては二人だけの空間に意識してしまう頭はこれからの期待で埋め尽くされる。
ラブホテルすら初めてなのに、恥ずかしいことされて♡ぐちゃぐちゃになっちゃう♡
カチャンッ
閉まった扉に逃げられない不安と興奮が入り混じる。座っていて、と言われたからとりあえず、ベッドに腰を掛けてみる。部屋の中で一人座って居るのも落ち着かなくて部屋中を見回した。赤を主にした装飾と薄暗い照明に大きなベッド、まさにいかがわしいことだけをする空間という雰囲気に呑まれて釘付けになる。
「……~、っぁ♡」
入った時は気づかなかったけど、ローテーブルには手錠や縄紐、X字の拘束台が部屋の端に備え付けられている。ドクンッと脈打つ心臓は激しさを増して、脳内はX字に拘束された俺の姿が再生される。
踠いても悶えても、解放されない快楽は想像なんかよりきっと、気持ちいいはず♡
「お待たせ。じゃあ……脱いで♡」
「~ーッ、ぁは、ぃ♡」
下された有無を言わせない命令の従属感に快感が頭の中で弾けて、反抗すら浮かばない意識は考える前に従っていた。一枚ずつ衣服を取り除く度に深く絡みつく視線の熱に俺を苛めたいと視姦しているのがわかる。
少し逡巡した下着もチラリと目で伺えば、音を発さずに色気のある唇が脱いで、と命じた。
服を脱いでいないパンタさんに対して全裸で何処も隠せない状態の俺はどうしようもない羞恥と恥ずかしさが身体中を包んだ。けれど、それも加虐心が孕み、欲情した瞳に見下ろされれば快感へと変化した。
「いい子だね♡」
ほらおいで、と手招きされるままにソファに座るパンタさんに近づけば、脚の間に座らされる。腕を身体の前に回されてしまえば体格差に逃げられない。
「腕伸ばして、掌を頭の後ろに付けて♡」
「ッ、ひは……ッぁ、♡」
囁かれ、動かされた腕は腋の下を無防備に晒してしまう。
近づく指先は一本一本がバラバラに暴れるのを見せつけてくる。怯えるようにヒクヒク震える腋の下を狙う滑らかで卑猥な動きに息が上がる。
「下げちゃだめだからね♡」
始まっちゃう♡やばい♡♡こわい♡こちょこちょされちゃう♡♡
「ぁっは、ひぃんっ~~っ!?♡♡ふひひッ、ぃひッ!?はぁひひっ、!ッ~ー、♡ぁあは、ッ!」
「こちょこちょ♡こちょこちょ~♡」
到達した指は心の準備の時間は与えずに、容赦なく窪みの上で滑り蠢く。ゆっくりと、けれど的確に窪みを抉り、皮膚を引っ掻いていく感触のくすぐったさは想像よりも激しく身体を襲う。耐え難いくすぐったさに身体は意識せずとも逃げたいと震えて、指が食い込む度にガクンッと跳ね上がる。
「ふひ、ぃいひひひッ♡、~ーっ、やば♡ぃい~、んふっぅふふふっ、ーーぁははひっ!?♡」
「くすぐったいのつらいね♡」
くすぐったいっ♡やばいこれぇ♡♡耐えるの無理ッにげたいっ♡♡
「腕下ろしたら、お仕置きだよ♡」
「ッぁ、ひっ、!?♡♡んぃいっひひははッ、~~ッぉほほっ♡、ッくひ、ぃ、♡♡」
「動けないようにして♡弱いところいっぱい探して、くすぐってあげる♡」
晒した腋の下を守ろうと下がってきた腕を咎めるように甘く酷い声が囁く。ゆっくりとした動きでこれだけくすぐったいのに拘束されてくすぐられるなんて。力を込めて腕を保つが、腋の下を虐める指先は容赦なくカリカリ、コショコショと爪先で窪みを責め続ける。
「くすぐったいの我慢♡頑張って♡」
「んぅふひッ、ぃいひひっ♡ぁは、っ~ははっ、ひゃぁッ!♡ぁんっぅひ、っ♡、っんぃいひひ、~♡♡」
「必死に我慢してるの可愛い♡」
「っ~、ふぁははッ、♡ッ、ぃんっ!?~ーッっぉひひっそれぇ♡ッ~ー、!やばぃいひひっ♡んひゃっ、ひゃひっ~♡、~おぁあはははっ!?♡♡」
「強く引っ掻くの好き?♡ほら下がってきてるよ♡」
こちょこちょ我慢むり♡きついっ♡くすぐったすぎる♡無理なのに♡弱いやつバレちゃった♡♡
甘やかすような声色とは裏腹に指先は弱点を狙って追い詰めてくる。窪んだ腋の下の一番くすぐったいところをガリガリ♡と緩急をつけて引っ掻かれれば、暴力的で苦しいくすぐったさに背中を反らせて悶えた。
「んへへひひッ、~っぁひ、♡!ッっ、ひゃんッ!?ぁ、ぁぅあはは!♡ー~~ッぉ♡、ッぃひひひッ~♡♡」
「こちょこちょこちょこちょ~♡♡」
やだ♡くすぐったいのきつぃい♡逃げたいのに♡お仕置きされたくないのに♡ 腋閉じたい♡♡腋こちょこちょむりぃ♡
耳元でくすぐったさを増幅させるようにこちょこちょと流し込まれ、耐え難い感覚に決意は揺らいでいく。自ら晒した腋の下をくすぐられて、耐えようと背中を丸めては反らして身体を震わせる姿は滑稽でいやらしい。
「ぁぐぅ、ぃっ♡!?ッー~~ぁあひッ、♡ッやぁあははッ、んぇえへへッ、♡♡やばぁッはひ、~っむりぃいひひッ、!♡」
「降参しちゃえ♡」
カリ、カリカリカリッ♡ガリガリッ♡コチョコチョ~ッ♡♡
トドメを刺すように窪みを押し込み、引っ掻く動きは速まる。数分のくすぐりで弱い動きを把握され、実行されればくすぐったさは最初の比ではない。細やかで滑らかな指先は左右で動きは異なり、交互にくすぐりを強める動きは、身体の慣れを許してくれない。
腋を閉じれば少しは休めるけど、拘束されてめちゃくちゃにされちゃうのに、耐え難いくすぐったさにだんだんと腕は下がってしまう。
むり♡♡ほんとにむりっ♡くすぐったい♡やだ♡にげたいっ♡耐えられない♡腋閉じちゃうっ♡我慢できないっ♡♡
「んぉッおひ、っ♡♡ッひぅ、ッんひッひははッ♡~~~ッむりむりぃひひっ、♡!ッぁえへへへっ!?ッ♡ーッかひひひッ、~~っ!!♡♡♡」
「あーあ♡下ろしちゃった♡」
許容を超えた我慢がそう長く続くはずがなかった。あえなく下ろしてしまった腕は指を挟んで、悪戯に動かされる度にビクつく。
「は、ぁへ♡、♡ぁ、ひひ……っ♡」
余韻に身体はまだくすぐったさが残っていて、触れる指先の些細な刺激にすら笑い声が溢れる。
やばかった♡想像よりもくすぐったくて、耐えられなくて、気持ちよかった♡♡
「ほら立って?お仕置きするから♡」
「ぁふ、♡、はい……っ♡」
パンタさんの視線の先には備えつけられたX字の拘束台。抱っこされるように立たされて、抵抗する間も与えられずに手を引かれる。手を包み込む大きさにさっきのくすぐりの感覚が蘇ってくるようで、身体は昂りを増していく。
「よし、痛くない?」
数分も掛からず、両手首と足首は拘束されて大の字に動けなくなってしまった。どこも隠せずに晒した全身は無防備に震えることしかできない。試しに関節を曲げようとしても手錠に邪魔されて金属音が鳴るだけだった。
我慢して踠けないのもきつかったけど♡どれだけ踠いても逃げられないのはもっとつらそう♡♡
「喜んじゃって、ほんとドMだね♡」
「んぁッ、ーッ♡ごめんなさい、♡」
「いいよ、あとで虐めてあげるから♡」
「~~~、♡」
熱を孕んで存在を主張する下半身を咎めるように指で弾かれた。ジュワ、と奥で生まれた快楽が身体を包んで恥ずかしさに混ざってどうしようもない興奮に、より熱は高まっていく。
「後悔するまでお仕置きしてあげる♡」
「ッ~~っ、♡……ぁ、あっあひッ、!♡」
脇腹に置かれた指先はスリスリ、と焦らすように肌を撫であげる。弱点を探るようなその動きはいやらしく、意地らしく、執拗に身体に教え込んでいく。
動けずに逃げられない身体は目で追うしかできないのに、猶予を与えるような動きに被虐心は刺激されて、釘付けで激しく鼓動を鳴らす。
「っ、ひゃひひひッ!?ッんぉへへひっ、♡♡ひひひぃっんぁあははッ!、やっばぃいいひひひッ♡!?」
肋骨の下辺りで止まった指はモミモミと脇腹のツボを揉み上げた。マッサージのような動きなのに、指が押し込まれる度に暴れたくなるほどのくすぐったさが込み上げてくる。
「脇腹もよわよわで可愛い♡」
「んぃいひひひッ♡っ、ぁあはは!、くしゅぐったぃいひひ~っ♡、はひゅぅあッ♡ーーッぃふふふふッ、♡♡」
わきばらつらい♡もみもみされるのやっばぃい♡♡にげれないっ♡くすぐったすぎるっ♡♡
耐え難い感覚に逃げようと腰を揺らしても引いても対した抵抗にならず、手は動きに合わせて追いかけてくる。俺を捕まえている拘束具は悶える姿を無駄だと嘲笑うようにガチャンッと金属音を響かせた。
「モミモミくすぐったくてにげたいね♡こちょこちょに変えてあげる♡」
「んぇへへへッ、!?♡ぉっおひひッ~、!こちょこちょもッぉっ、♡だめぇ、~ーッ!♡えへへへッんぎゅひひひっ、♡♡」
爪先が優しく、激しく皮膚を滑る感触は揉むのとは異なるくすぐったさを生み出して悶える笑い声は引き攣り、苛烈さを伝える。どこもかしこもくすぐったくて、与えられる感触になすすべなく跳ね上がる。
「やらっ、♡むりむりぃいひひひ~~ッ♡♡かひゅぁははッ!はぁははッ、♡っー~んひゃんッ!?わきばらいやらぁっ♡あひひッっ、~~っ♡やらぁひッひゅひひひッ!♡♡」
「わがまま言う子は~♡腋の下カリカリの刑♡」
「やッぁへぇ、!?♡♡むりむりぃいひひッ♡くしゅぐったいッ、!♡っ~~ーぁあはははッ!?♡♡」
やだっ♡むりむり♡♡っどっちもくすぐったくて♡あたまおかしくなる♡♡
「くひひひッぃひ、♡ッっはひゅひひひひッ!?、~~っ♡ぁははぁッ~!!もっぉほッ、だめぇ♡♡ッぇへっへっふふふッ♡おかひくなっひゃぅう、~ッ!んぃいひひひひッ!♡♡」
「もうだめになっちゃうの?♡」
「なっひゃぅうふふっ♡ッー~ぉひっ!?かひひひっひぅへへッ♡っ~~ぁあ、ははははっ♡カリカリきつぃいひッひゃんッひひひひッ、っ~~♡♡」
「じゃあ、気持ちよくしてあげる♡」
「んひゃんっ!?♡♡あっぁぅうッ、……ぁんッんあ、♡♡」
パンタさんの左手が腋の下から離れて、興奮に先走りを零す陰茎を扱かれる。グチュグチュと先走りを混ぜるように亀頭を撫で、裏筋を擦られれば、甘い快楽にカクカクと腰を揺らしてしまった。
初めて他の人から与えられる快楽はゆっくり撫でられるだけで仰け反るほど気持ちよくて仕方がない。けれど、夢中になって、声を漏らす俺を悪戯に見下ろしたパンタさんの笑みは加虐心が滲んでいた。
「ぃひひひっ!?♡ッ、ぃひあ!?♡こちょこちょしながりゃはぁッぁひはっ♡だめぇえへへへッぁんッ!♡んぉおほッ、~ーっ♡♡」
甘いだけの快楽をパンタさんが与えてくれるはずがなく、止まっていた右手が執拗に窪みを引っ掻き始めた。敏感になった身体に注がれる容赦のないくすぐりと快感に、動く首を振り乱しながら悶えることしかできない。
「ほら気持ちいいでしょ♡」
「ぁああッひはっ♡んぃ~~ッひひひッだめッぇひッひあぁあははッ!?だめなのにっぃひッ♡ぃひひッぁあはは♡♡」
煽る声と激しくなる掌と指先に疼く身体が絶頂感を訴えて、くすぐったさと快感がぐちゃぐちゃに混ざって訳がわからない。力を込めようにも、常にくすぐられている身体は脱力して弱々しい抵抗しかできない。
こちょこちょでイくなんて♡絶対やばいのに♡イっちゃう♡我慢できないっ♡むり♡♡
「こちょこちょされながらイっちゃえ♡」
「ぁああッはひっ♡イっちゃぅうへへへッ♡♡ッ~~っ、ッ♡~ーー~ッ、♡♡んひッひあ、ぁッへ♡は、ぁんんひ、ッ~♡♡」
目の前が白く瞬いて意識を揺らした強烈な快楽にガクンッと背中を仰け反らした。何度も襲う快楽に声も吐き出せずに、腰を揺らして悶える。とろとろ、とパンタさんの掌を汚していく精液を止めたいのに、深い絶頂に溺れて戻れない。
「蕩けちゃって可愛い♡」
「あ、へ♡……っ、♡」
「ベッド行こうか♡」
「ぁ♡、はい……♡♡」
拘束を外しながら、頭を撫でたパンタさんの瞳に浮かんだ劣情に治った熱が燻り始める。
まだ治らない性欲と願望を叶えてくれる手に引かれて、ベッドに寝転がった。
押した。俺は今、送信してしまった。緊張と興奮で心臓はドクドクうるさくて周りの喧騒など気にならない。
ピコンッ
「はっ、!」
微かに頭に浮かんだ取り消しの選択肢も相手の返信の通知音に実行することはできなくなった。もう後戻りはできない。
了解、とだけの返信に心拍数はよりうるさくなって、この後のことを想像しては恥ずかしさに顔が熱くなった。
「君、だよね?三毛猫ちゃん」
「あ、ぇはい!そうっです、」
「よかった。行こっか」
振り向いた先には俺の今夜の相手であるパンタさんが立っていた。事前に写真は交換していたけど、俺より高い身長に圧倒されながら脚を進める。写真の通りに甘い顔立ちをしたパンタさんはスタイルも服のセンスもいいらしい。
「三毛猫ちゃん、お腹空いてない?大丈夫?」
そのまま繁華街に進むと思っていたが、立ち止まったパンタさんは振り返る。
飲食店を指差したパンタさんに首を振る。お腹は空いてない。こういう時は食べておいた方がいいってネットで見たから待ち合わせの前に済ませておいた。味はあまりしなかったけど。
「ぃえ、だいじょうぶ、です」
言った数秒、気づいた俺は思わず顔を覆った。
これじゃあ俺がシたくてたまらないと言ったようなものじゃないか。
自分がした発言の恥ずかしさにパンタさんの顔を見れなくて、羞恥心に赤らんだ顔を必死で隠す。
「じゃあ……すぐシたい♡?」
「ぅあ、はっはい、♡」
覗き込まれた表情に浮かんだ欲に射抜かれて生唾を飲んだ俺は頭を揺らして頷いた。期待と興奮に身体が痺れて、ドクンッと心臓が跳ね上がった。
やばい、俺この人にこれからめちゃくちゃにされちゃうんだ♡
「期待してるの可愛いね♡」
「、ッ~、♡」
するりと伸びた大きな手が顔を覆う手を絡めとった。指の股を爪でこしょこしょとくすぐられ、ピクリと逃げた指先を擦り合わせて恋人繋ぎにされれば、伝わる体温に意識して気分はどんどんやらしくなってくる。
この、大きな手と長くて綺麗な指にいじめられちゃうんだ♡
軽く微笑んだパンタさんは繋いだ手をそのままに繁華街の方へと進む。
もう引き返せない。向かう先のラブホテルが見えて目を合わせた合図に頷いて、入ってしまった。少しの恐怖をも上回る昂りが意識を支配して痛いほどの鼓動に息を吐けば、荒い呼吸が耳元に反響した。
ピッピッ、ピッ
手慣れた仕草でパンタさんが受付を済ませている。初めてのラブホテルにそわそわと周りを見ては二人だけの空間に意識してしまう頭はこれからの期待で埋め尽くされる。
ラブホテルすら初めてなのに、恥ずかしいことされて♡ぐちゃぐちゃになっちゃう♡
カチャンッ
閉まった扉に逃げられない不安と興奮が入り混じる。座っていて、と言われたからとりあえず、ベッドに腰を掛けてみる。部屋の中で一人座って居るのも落ち着かなくて部屋中を見回した。赤を主にした装飾と薄暗い照明に大きなベッド、まさにいかがわしいことだけをする空間という雰囲気に呑まれて釘付けになる。
「……~、っぁ♡」
入った時は気づかなかったけど、ローテーブルには手錠や縄紐、X字の拘束台が部屋の端に備え付けられている。ドクンッと脈打つ心臓は激しさを増して、脳内はX字に拘束された俺の姿が再生される。
踠いても悶えても、解放されない快楽は想像なんかよりきっと、気持ちいいはず♡
「お待たせ。じゃあ……脱いで♡」
「~ーッ、ぁは、ぃ♡」
下された有無を言わせない命令の従属感に快感が頭の中で弾けて、反抗すら浮かばない意識は考える前に従っていた。一枚ずつ衣服を取り除く度に深く絡みつく視線の熱に俺を苛めたいと視姦しているのがわかる。
少し逡巡した下着もチラリと目で伺えば、音を発さずに色気のある唇が脱いで、と命じた。
服を脱いでいないパンタさんに対して全裸で何処も隠せない状態の俺はどうしようもない羞恥と恥ずかしさが身体中を包んだ。けれど、それも加虐心が孕み、欲情した瞳に見下ろされれば快感へと変化した。
「いい子だね♡」
ほらおいで、と手招きされるままにソファに座るパンタさんに近づけば、脚の間に座らされる。腕を身体の前に回されてしまえば体格差に逃げられない。
「腕伸ばして、掌を頭の後ろに付けて♡」
「ッ、ひは……ッぁ、♡」
囁かれ、動かされた腕は腋の下を無防備に晒してしまう。
近づく指先は一本一本がバラバラに暴れるのを見せつけてくる。怯えるようにヒクヒク震える腋の下を狙う滑らかで卑猥な動きに息が上がる。
「下げちゃだめだからね♡」
始まっちゃう♡やばい♡♡こわい♡こちょこちょされちゃう♡♡
「ぁっは、ひぃんっ~~っ!?♡♡ふひひッ、ぃひッ!?はぁひひっ、!ッ~ー、♡ぁあは、ッ!」
「こちょこちょ♡こちょこちょ~♡」
到達した指は心の準備の時間は与えずに、容赦なく窪みの上で滑り蠢く。ゆっくりと、けれど的確に窪みを抉り、皮膚を引っ掻いていく感触のくすぐったさは想像よりも激しく身体を襲う。耐え難いくすぐったさに身体は意識せずとも逃げたいと震えて、指が食い込む度にガクンッと跳ね上がる。
「ふひ、ぃいひひひッ♡、~ーっ、やば♡ぃい~、んふっぅふふふっ、ーーぁははひっ!?♡」
「くすぐったいのつらいね♡」
くすぐったいっ♡やばいこれぇ♡♡耐えるの無理ッにげたいっ♡♡
「腕下ろしたら、お仕置きだよ♡」
「ッぁ、ひっ、!?♡♡んぃいっひひははッ、~~ッぉほほっ♡、ッくひ、ぃ、♡♡」
「動けないようにして♡弱いところいっぱい探して、くすぐってあげる♡」
晒した腋の下を守ろうと下がってきた腕を咎めるように甘く酷い声が囁く。ゆっくりとした動きでこれだけくすぐったいのに拘束されてくすぐられるなんて。力を込めて腕を保つが、腋の下を虐める指先は容赦なくカリカリ、コショコショと爪先で窪みを責め続ける。
「くすぐったいの我慢♡頑張って♡」
「んぅふひッ、ぃいひひっ♡ぁは、っ~ははっ、ひゃぁッ!♡ぁんっぅひ、っ♡、っんぃいひひ、~♡♡」
「必死に我慢してるの可愛い♡」
「っ~、ふぁははッ、♡ッ、ぃんっ!?~ーッっぉひひっそれぇ♡ッ~ー、!やばぃいひひっ♡んひゃっ、ひゃひっ~♡、~おぁあはははっ!?♡♡」
「強く引っ掻くの好き?♡ほら下がってきてるよ♡」
こちょこちょ我慢むり♡きついっ♡くすぐったすぎる♡無理なのに♡弱いやつバレちゃった♡♡
甘やかすような声色とは裏腹に指先は弱点を狙って追い詰めてくる。窪んだ腋の下の一番くすぐったいところをガリガリ♡と緩急をつけて引っ掻かれれば、暴力的で苦しいくすぐったさに背中を反らせて悶えた。
「んへへひひッ、~っぁひ、♡!ッっ、ひゃんッ!?ぁ、ぁぅあはは!♡ー~~ッぉ♡、ッぃひひひッ~♡♡」
「こちょこちょこちょこちょ~♡♡」
やだ♡くすぐったいのきつぃい♡逃げたいのに♡お仕置きされたくないのに♡ 腋閉じたい♡♡腋こちょこちょむりぃ♡
耳元でくすぐったさを増幅させるようにこちょこちょと流し込まれ、耐え難い感覚に決意は揺らいでいく。自ら晒した腋の下をくすぐられて、耐えようと背中を丸めては反らして身体を震わせる姿は滑稽でいやらしい。
「ぁぐぅ、ぃっ♡!?ッー~~ぁあひッ、♡ッやぁあははッ、んぇえへへッ、♡♡やばぁッはひ、~っむりぃいひひッ、!♡」
「降参しちゃえ♡」
カリ、カリカリカリッ♡ガリガリッ♡コチョコチョ~ッ♡♡
トドメを刺すように窪みを押し込み、引っ掻く動きは速まる。数分のくすぐりで弱い動きを把握され、実行されればくすぐったさは最初の比ではない。細やかで滑らかな指先は左右で動きは異なり、交互にくすぐりを強める動きは、身体の慣れを許してくれない。
腋を閉じれば少しは休めるけど、拘束されてめちゃくちゃにされちゃうのに、耐え難いくすぐったさにだんだんと腕は下がってしまう。
むり♡♡ほんとにむりっ♡くすぐったい♡やだ♡にげたいっ♡耐えられない♡腋閉じちゃうっ♡我慢できないっ♡♡
「んぉッおひ、っ♡♡ッひぅ、ッんひッひははッ♡~~~ッむりむりぃひひっ、♡!ッぁえへへへっ!?ッ♡ーッかひひひッ、~~っ!!♡♡♡」
「あーあ♡下ろしちゃった♡」
許容を超えた我慢がそう長く続くはずがなかった。あえなく下ろしてしまった腕は指を挟んで、悪戯に動かされる度にビクつく。
「は、ぁへ♡、♡ぁ、ひひ……っ♡」
余韻に身体はまだくすぐったさが残っていて、触れる指先の些細な刺激にすら笑い声が溢れる。
やばかった♡想像よりもくすぐったくて、耐えられなくて、気持ちよかった♡♡
「ほら立って?お仕置きするから♡」
「ぁふ、♡、はい……っ♡」
パンタさんの視線の先には備えつけられたX字の拘束台。抱っこされるように立たされて、抵抗する間も与えられずに手を引かれる。手を包み込む大きさにさっきのくすぐりの感覚が蘇ってくるようで、身体は昂りを増していく。
「よし、痛くない?」
数分も掛からず、両手首と足首は拘束されて大の字に動けなくなってしまった。どこも隠せずに晒した全身は無防備に震えることしかできない。試しに関節を曲げようとしても手錠に邪魔されて金属音が鳴るだけだった。
我慢して踠けないのもきつかったけど♡どれだけ踠いても逃げられないのはもっとつらそう♡♡
「喜んじゃって、ほんとドMだね♡」
「んぁッ、ーッ♡ごめんなさい、♡」
「いいよ、あとで虐めてあげるから♡」
「~~~、♡」
熱を孕んで存在を主張する下半身を咎めるように指で弾かれた。ジュワ、と奥で生まれた快楽が身体を包んで恥ずかしさに混ざってどうしようもない興奮に、より熱は高まっていく。
「後悔するまでお仕置きしてあげる♡」
「ッ~~っ、♡……ぁ、あっあひッ、!♡」
脇腹に置かれた指先はスリスリ、と焦らすように肌を撫であげる。弱点を探るようなその動きはいやらしく、意地らしく、執拗に身体に教え込んでいく。
動けずに逃げられない身体は目で追うしかできないのに、猶予を与えるような動きに被虐心は刺激されて、釘付けで激しく鼓動を鳴らす。
「っ、ひゃひひひッ!?ッんぉへへひっ、♡♡ひひひぃっんぁあははッ!、やっばぃいいひひひッ♡!?」
肋骨の下辺りで止まった指はモミモミと脇腹のツボを揉み上げた。マッサージのような動きなのに、指が押し込まれる度に暴れたくなるほどのくすぐったさが込み上げてくる。
「脇腹もよわよわで可愛い♡」
「んぃいひひひッ♡っ、ぁあはは!、くしゅぐったぃいひひ~っ♡、はひゅぅあッ♡ーーッぃふふふふッ、♡♡」
わきばらつらい♡もみもみされるのやっばぃい♡♡にげれないっ♡くすぐったすぎるっ♡♡
耐え難い感覚に逃げようと腰を揺らしても引いても対した抵抗にならず、手は動きに合わせて追いかけてくる。俺を捕まえている拘束具は悶える姿を無駄だと嘲笑うようにガチャンッと金属音を響かせた。
「モミモミくすぐったくてにげたいね♡こちょこちょに変えてあげる♡」
「んぇへへへッ、!?♡ぉっおひひッ~、!こちょこちょもッぉっ、♡だめぇ、~ーッ!♡えへへへッんぎゅひひひっ、♡♡」
爪先が優しく、激しく皮膚を滑る感触は揉むのとは異なるくすぐったさを生み出して悶える笑い声は引き攣り、苛烈さを伝える。どこもかしこもくすぐったくて、与えられる感触になすすべなく跳ね上がる。
「やらっ、♡むりむりぃいひひひ~~ッ♡♡かひゅぁははッ!はぁははッ、♡っー~んひゃんッ!?わきばらいやらぁっ♡あひひッっ、~~っ♡やらぁひッひゅひひひッ!♡♡」
「わがまま言う子は~♡腋の下カリカリの刑♡」
「やッぁへぇ、!?♡♡むりむりぃいひひッ♡くしゅぐったいッ、!♡っ~~ーぁあはははッ!?♡♡」
やだっ♡むりむり♡♡っどっちもくすぐったくて♡あたまおかしくなる♡♡
「くひひひッぃひ、♡ッっはひゅひひひひッ!?、~~っ♡ぁははぁッ~!!もっぉほッ、だめぇ♡♡ッぇへっへっふふふッ♡おかひくなっひゃぅう、~ッ!んぃいひひひひッ!♡♡」
「もうだめになっちゃうの?♡」
「なっひゃぅうふふっ♡ッー~ぉひっ!?かひひひっひぅへへッ♡っ~~ぁあ、ははははっ♡カリカリきつぃいひッひゃんッひひひひッ、っ~~♡♡」
「じゃあ、気持ちよくしてあげる♡」
「んひゃんっ!?♡♡あっぁぅうッ、……ぁんッんあ、♡♡」
パンタさんの左手が腋の下から離れて、興奮に先走りを零す陰茎を扱かれる。グチュグチュと先走りを混ぜるように亀頭を撫で、裏筋を擦られれば、甘い快楽にカクカクと腰を揺らしてしまった。
初めて他の人から与えられる快楽はゆっくり撫でられるだけで仰け反るほど気持ちよくて仕方がない。けれど、夢中になって、声を漏らす俺を悪戯に見下ろしたパンタさんの笑みは加虐心が滲んでいた。
「ぃひひひっ!?♡ッ、ぃひあ!?♡こちょこちょしながりゃはぁッぁひはっ♡だめぇえへへへッぁんッ!♡んぉおほッ、~ーっ♡♡」
甘いだけの快楽をパンタさんが与えてくれるはずがなく、止まっていた右手が執拗に窪みを引っ掻き始めた。敏感になった身体に注がれる容赦のないくすぐりと快感に、動く首を振り乱しながら悶えることしかできない。
「ほら気持ちいいでしょ♡」
「ぁああッひはっ♡んぃ~~ッひひひッだめッぇひッひあぁあははッ!?だめなのにっぃひッ♡ぃひひッぁあはは♡♡」
煽る声と激しくなる掌と指先に疼く身体が絶頂感を訴えて、くすぐったさと快感がぐちゃぐちゃに混ざって訳がわからない。力を込めようにも、常にくすぐられている身体は脱力して弱々しい抵抗しかできない。
こちょこちょでイくなんて♡絶対やばいのに♡イっちゃう♡我慢できないっ♡むり♡♡
「こちょこちょされながらイっちゃえ♡」
「ぁああッはひっ♡イっちゃぅうへへへッ♡♡ッ~~っ、ッ♡~ーー~ッ、♡♡んひッひあ、ぁッへ♡は、ぁんんひ、ッ~♡♡」
目の前が白く瞬いて意識を揺らした強烈な快楽にガクンッと背中を仰け反らした。何度も襲う快楽に声も吐き出せずに、腰を揺らして悶える。とろとろ、とパンタさんの掌を汚していく精液を止めたいのに、深い絶頂に溺れて戻れない。
「蕩けちゃって可愛い♡」
「あ、へ♡……っ、♡」
「ベッド行こうか♡」
「ぁ♡、はい……♡♡」
拘束を外しながら、頭を撫でたパンタさんの瞳に浮かんだ劣情に治った熱が燻り始める。
まだ治らない性欲と願望を叶えてくれる手に引かれて、ベッドに寝転がった。
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