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ネコミミソウ 【1】
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「なんなんだろ、これ。」
無造作に置かれた二つの小瓶を見つめて呟く。一つの小瓶には紫色の粉、もう一つの小瓶には細かく千切った葉。
ロウがさっきまでこれをみて難しい顔をしていたから少し気になった。どんどん溢れていく好奇心には勝てず両手に小瓶を一つ持って覗き込んだり振ってみたりする。
「なーにしてんの?」
「っ!うわぁ、!!」
ゴトッ
後ろから突然聞こえたロウの声に驚き両手の小瓶が指からすり抜けた。幸い、割れなかった小瓶は落ちた拍子に蓋が開いたようで部屋中に紫色の粉が舞った。
「ケホッ、ケホ、ゴホ!」
舞った粉に二人とも噎せてしゃがみこむ。
やっと視界が晴れて俺は罪の意識で一杯になる。危険なものだったらどうしようとか貴重なものだったらそんな考えが頭中にあってロウの目が見れない。
「あー、これは……やばいかも。」
ロウの焦ったような声に罪悪感は増して涙目になっていく。
「……ごめん……」
「大丈夫、レイ全然大丈夫だから!」
意を決してロウに謝ると笑顔で頭を撫でてくれた。
「あー、そろそろかな。」
そう呟いたロウの頭にピョコン!と黒い猫耳が生えた。突然ロウの頭に生えた猫耳に驚いているとロウの背中に黒い尻尾が生えた。
「っ!?ロっ、ロウ!耳がっ!」
「レイにも生えてるよ。」
酷く動揺した俺とは違ってロウは落ち着いて俺に生えているらしい猫耳を触る。触られた猫耳は確かに感触があって背中を触れば尻尾らしきものが掴めた。
「え!?ロウ、これ何!?」
「ネコミミソウの胞子だよ。吸い込むと猫耳と尾が生えるんだ。」
淡々と説明するロウは未だに俺に生えた猫耳の感触を確かめている。
無造作に置かれた二つの小瓶を見つめて呟く。一つの小瓶には紫色の粉、もう一つの小瓶には細かく千切った葉。
ロウがさっきまでこれをみて難しい顔をしていたから少し気になった。どんどん溢れていく好奇心には勝てず両手に小瓶を一つ持って覗き込んだり振ってみたりする。
「なーにしてんの?」
「っ!うわぁ、!!」
ゴトッ
後ろから突然聞こえたロウの声に驚き両手の小瓶が指からすり抜けた。幸い、割れなかった小瓶は落ちた拍子に蓋が開いたようで部屋中に紫色の粉が舞った。
「ケホッ、ケホ、ゴホ!」
舞った粉に二人とも噎せてしゃがみこむ。
やっと視界が晴れて俺は罪の意識で一杯になる。危険なものだったらどうしようとか貴重なものだったらそんな考えが頭中にあってロウの目が見れない。
「あー、これは……やばいかも。」
ロウの焦ったような声に罪悪感は増して涙目になっていく。
「……ごめん……」
「大丈夫、レイ全然大丈夫だから!」
意を決してロウに謝ると笑顔で頭を撫でてくれた。
「あー、そろそろかな。」
そう呟いたロウの頭にピョコン!と黒い猫耳が生えた。突然ロウの頭に生えた猫耳に驚いているとロウの背中に黒い尻尾が生えた。
「っ!?ロっ、ロウ!耳がっ!」
「レイにも生えてるよ。」
酷く動揺した俺とは違ってロウは落ち着いて俺に生えているらしい猫耳を触る。触られた猫耳は確かに感触があって背中を触れば尻尾らしきものが掴めた。
「え!?ロウ、これ何!?」
「ネコミミソウの胞子だよ。吸い込むと猫耳と尾が生えるんだ。」
淡々と説明するロウは未だに俺に生えた猫耳の感触を確かめている。
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