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本編
11 (ヒロイン:前世)
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私の家は母子家庭で貧乏だった。父とは私が二歳の時に離婚し、原因は母の男癖の悪さだった。
父と離婚してからも、母はよく家に男を招いていた。連れてくる男は必ず違う人だったことを覚えている。
母は私を愛してくれなかった。母は離婚した父を嫌っており、父に似た顔の私をも嫌った。
私は誰かに愛されたかった。私の手を誰かの優しい手で握って欲しかった。私を抱きしめて、冷たくなった心を暖めて欲しかった。母が、父がしてくれなかったことを、誰かに、して欲しかった。
だが、それさえも叶うことはなかった。
私はいつのまにか、愛してほしいと考えることがなくなっていた。無理だと、誰も私を愛してくれないと気づいたから。
代わりに嘘をつくことが上手くなっていった。友達の前ではその子の望む性格になり、自分の感情を取り繕った。
それはある日のことだった。
学校からの帰り道、人があまり通らないような道を通って家に向かっていると、道の端に置かれた箱の前にしゃがんでいる黒髪の男の子がいた。彼が着ている制服は私の家の近くの、私の学力では通えなかった公立高校のものだった。
私は道角の影から彼の様子を見ていた。
彼は自分の鞄の中から何かを探すが、見つからなかったのか少し困ったような表情になる。だがすぐに閃いたような表情に変わると、彼は自身に巻いていたマフラーを箱の中に入れ、「ごめん、俺の家もだめだ。ご主人見つかるといいな」と言って傘を開いて箱の上に置き、去って行った。
彼の表情は優しかった。私もあんな風な表情を誰かに向けてもらいたかった。いや、誰かにではなく、名前も知らないあの男の子に向けてほしいと心のどこかで思っていたのかもしれない。
私は彼のしゃがんでいた場所へ行き箱の中を覗き込むと、中には猫がいた。私はその子に手を伸ばし、家へ連れて帰った。
私は社会人になり、家具に関する企業へ就職した。
私を含めた新入社員である人たちは、それぞれ先輩や上司に挨拶と自己紹介のようなものをしてゆき、その中に私は知っている人を見かけた。
嶋田祐介です。彼はそう言っていた。
顔を見てすぐに、私は彼が誰なのかわかった。
彼は私が高校生のとき、帰り道に見かけた猫にマフラーと傘をあげた男の子だった。
これが運命というものかもしれない、と私は思った。だがその数日後に、彼には彼女がいるという噂を聞き落胆した。そりゃそうか、あれだけ格好良ければ彼女がいてもおかしくないと。
彼とは同じ部署で働いていたために、挨拶だけはしていた。ただ挨拶をしただけで、私はその日一日頑張ることができた。
私は私より一年先に入社していた男性から告白された。付き合ってほしいと。私はその彼とは数回しか会話したことがなかったが、それでも彼はとても良い人だとわかるほどに優しい人だった。
でも、彼じゃないと思った。彼に告白された瞬間に思ったことは喜びのようなものではなく、『嶋田くんにこう言われたかったな』だった。
私は告白してくれた彼の告白を断り、そして嶋田くんに恋をしていることに気づいた。嬉しそうに、楽しそうに彼女の話を友人に話している姿を何度も見かけても、私はその恋心を捨てることができなかった。
そんな日々の中、私はある程度お金が集まってきたところでゲームを買ってみることにした。大学時代の友人が面白いと言って、ずっとおススメしてきていたゲームに興味があったためだった。
ゲームは『catch the prince‼︎~自分だけの王子を捕まえろ‼︎~』略して"キャチプリ"という名前で、中世ヨーロッパを舞台にした乙女ゲーム。
没落仕掛けのヒロインが親に玉の輿を狙って来いと言われ編入した学園で、王子や貴族たちと恋をするといったものだった。
私はその作品にどっぷりハマった。彼らが話す愛の言葉が、私が私自身で隠してしまった愛されたいという欲求を隠しきれなくなり、その欲を満たしてくれたからだった。
私の推しキャラはメインヒーローであるレヴォン王子。何故かわからないけれど、彼が話す愛の言葉はヒロインではなく私自身に言われたことがあるような錯覚があったためだった。
でも、少し足りないと思ってしまった。彼らはあくまでゲームの中のキャラクター。現実には存在しない。それに、彼らが好きになるのは私ではなくゲームの中にいるヒロイン。レヴォン王子ルートをしていたときに感じたものも、現実ではなくただの錯覚なのだから。
私は愛されたいという欲がさらに強まり、色々なものに手を出した。他の乙女ゲームやラノベ、少女漫画などに。好きな男性である嶋田くんは私を愛してくれなかったから。
そのうち私はオタクと呼ばれるような者になり、コミケにも行くようになった。その場所で私は友人ができた。
その子の名は木下愛由美ちゃん。年齢は私と同じだった。彼女も過去にキャチプリをしていた子で、彼女の推しは私と同じくレヴォン王子だったためにその話題で盛り上がって仲良くなった。
私は彼女に、"レヴォン王子ルートのハッピーエンド"をしているときに感じていた違和感の話をした。彼女は「不思議なこともあるんだねぇ」と言いながらも意味不明という表情をしていた。まあ私もそれを聴く側だったならそういう表情をしていたたろうから突っ込まなかった。
そんな中、嶋田くんとの間に転機が訪れたのは入社してから一年半程経ったころ。
彼は上司から何か怒られた後に必死でパソコンに向かっていた。その作業が終わったのか、彼は一息つくと立ち上がった。
私は話しかけるなら今しかないと思い、コーヒーを持って「お疲れ様です、嶋田さん。少し休憩しませんか?」と話しかけた。
彼は一瞬キョトンとした表情をすると、視線を私のお腹らへんに目を向けて私の顔に戻し、作られた笑顔で返事をした。
「ありがとうございます中西さん。ちょうど休憩しようと思っていたところだったので」
きっと私の名札を見たのだろう。名前を覚えてもらっていなかったことに若干のショックを受けつつも私たちは休憩室へ向かった。
何故か廊下を歩いている間頭が少しぼんやりしていたが、意識はしっかりとしていたので特に気にすることなく休憩室に入り、席に着くと私は話をするために彼の方へ振り向いた。
私はそれから彼とよく話すようになった。初めは堅くて作られたような笑顔だったものが、いつのまにか笑顔は、話すときの表情は柔らかく優しいものに変わっていた。
私は希望を抱いた。もしかしたら本当に、彼は私を好きになってくれているかもしれないと。彼が彼女と別れたわけではないから確信はもてなかった。
だが、一度抱いてしまった希望は、暴走してしまった。
昔から、誰かに愛されたかったという欲。そこに彼を好きになってしまったという感情が混ざり、私は、彼に愛されたい。彼じゃなければ嫌だ。と思うようになっていた。
その感情の暴走は止むことがなく、さらに悪化した。
彼は私を愛してくれていると言われたこともないのに思い込むようになり、彼と付き合っているまだ会ったこともない彼女の存在が邪魔と感じていた。
なぜ彼はあの子と別れないの?
彼は私のことが好きなのに、なぜ?
あの女は、なぜ愛し合っている私たちの邪魔をするの?
ある日私と彼はショッピングモールに出かけることになった。私がずっと興味を持っていた映画を彼も見たいと言っていたため、一緒に観に行くことになったのだ。
映画を観終わり、二人で街中をぶらぶらと歩いていると、後ろで一人の女性が私たちを見つめたまま固まっていた。正しくは私たちではなく、彼を、だ。
私は一瞬で感じ取った。彼女が彼の恋人なのだと。彼の表情はとても穏やかで優しいもの、私を好きだからこそ向けてくれる表情。
私は彼女に見せつけるように、彼に笑顔を向けた。私たちは両想い、貴方の入る隙なんてないのだという意味を込めて。
彼女はそのまま反対方向に向かって小走りで去って行ってしまった。
次の日、駅まで一緒に帰ることになり駅に着くと、別れる前に彼は私に言った。
「俺、中西さんのこと好きになってしまったみたいなんだ。付き合ってください」
ああ、ほら、やっぱりね。彼が好きなのは私だったのよ。彼の運命の人はあの女じゃなく、私だったのよ。
私は喜びながらそう思った。
「私でよければ、もちろん‼︎」
私が満面の笑みを浮かべて返事をすれば、彼は嬉しそうな笑顔を向けてくれた。
だが、喜びで舞い上がっていた私はその時気づかなかった。彼が一瞬、辛そうな表情になっていたことに。
次の日、彼に会社帰りにどこかに行こうと誘ったが彼は彼女の元に荷物を取りに行かなければならないと言い断られた。
そんなの私と出かけた後でも大丈夫でしょう?
そんなこといつでもできるでしょう?
私との用事が一番大事なことでしょう?
私がそう言うと、彼は少し困った表情をしてごめん、と言った。
私と彼の会話はそれが最後となった。
次の日会社に着くと、上司は私たちが全員集まったところで『嶋田くんが亡くなった』と告げた。
私は信じられなかった。
一昨日付き合い始めたばかりなのに、そんなわけないでしょう?と思った。
帰ってテレビをつければ
『嶋田祐介(24)、鷹田咲良(23)死亡』
と書かれたニュースが流れていた。
鷹田咲良。私がまだ嶋田くんに片思いしていたときによくきいた"咲良"という名。
彼の元カノだとすぐにわかった。
そのニュースでは、二人は鷹田咲良さんの家で死亡。嶋田くんの死因は彼女に刃物で心臓を貫かれたため。彼女の死因は彼女自身が自らの心臓を同じ刃物で貫いたため。ということだった。
ありえないありえないありえないありえない‼︎
彼が死ぬなんて‼︎それもあんな女に殺されて‼︎
私は女を恨んだ。
絶対今度こそ、彼と結ばれるのはあんたじゃなく私なんだから‼︎と。
父と離婚してからも、母はよく家に男を招いていた。連れてくる男は必ず違う人だったことを覚えている。
母は私を愛してくれなかった。母は離婚した父を嫌っており、父に似た顔の私をも嫌った。
私は誰かに愛されたかった。私の手を誰かの優しい手で握って欲しかった。私を抱きしめて、冷たくなった心を暖めて欲しかった。母が、父がしてくれなかったことを、誰かに、して欲しかった。
だが、それさえも叶うことはなかった。
私はいつのまにか、愛してほしいと考えることがなくなっていた。無理だと、誰も私を愛してくれないと気づいたから。
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彼の表情は優しかった。私もあんな風な表情を誰かに向けてもらいたかった。いや、誰かにではなく、名前も知らないあの男の子に向けてほしいと心のどこかで思っていたのかもしれない。
私は彼のしゃがんでいた場所へ行き箱の中を覗き込むと、中には猫がいた。私はその子に手を伸ばし、家へ連れて帰った。
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嶋田祐介です。彼はそう言っていた。
顔を見てすぐに、私は彼が誰なのかわかった。
彼は私が高校生のとき、帰り道に見かけた猫にマフラーと傘をあげた男の子だった。
これが運命というものかもしれない、と私は思った。だがその数日後に、彼には彼女がいるという噂を聞き落胆した。そりゃそうか、あれだけ格好良ければ彼女がいてもおかしくないと。
彼とは同じ部署で働いていたために、挨拶だけはしていた。ただ挨拶をしただけで、私はその日一日頑張ることができた。
私は私より一年先に入社していた男性から告白された。付き合ってほしいと。私はその彼とは数回しか会話したことがなかったが、それでも彼はとても良い人だとわかるほどに優しい人だった。
でも、彼じゃないと思った。彼に告白された瞬間に思ったことは喜びのようなものではなく、『嶋田くんにこう言われたかったな』だった。
私は告白してくれた彼の告白を断り、そして嶋田くんに恋をしていることに気づいた。嬉しそうに、楽しそうに彼女の話を友人に話している姿を何度も見かけても、私はその恋心を捨てることができなかった。
そんな日々の中、私はある程度お金が集まってきたところでゲームを買ってみることにした。大学時代の友人が面白いと言って、ずっとおススメしてきていたゲームに興味があったためだった。
ゲームは『catch the prince‼︎~自分だけの王子を捕まえろ‼︎~』略して"キャチプリ"という名前で、中世ヨーロッパを舞台にした乙女ゲーム。
没落仕掛けのヒロインが親に玉の輿を狙って来いと言われ編入した学園で、王子や貴族たちと恋をするといったものだった。
私はその作品にどっぷりハマった。彼らが話す愛の言葉が、私が私自身で隠してしまった愛されたいという欲求を隠しきれなくなり、その欲を満たしてくれたからだった。
私の推しキャラはメインヒーローであるレヴォン王子。何故かわからないけれど、彼が話す愛の言葉はヒロインではなく私自身に言われたことがあるような錯覚があったためだった。
でも、少し足りないと思ってしまった。彼らはあくまでゲームの中のキャラクター。現実には存在しない。それに、彼らが好きになるのは私ではなくゲームの中にいるヒロイン。レヴォン王子ルートをしていたときに感じたものも、現実ではなくただの錯覚なのだから。
私は愛されたいという欲がさらに強まり、色々なものに手を出した。他の乙女ゲームやラノベ、少女漫画などに。好きな男性である嶋田くんは私を愛してくれなかったから。
そのうち私はオタクと呼ばれるような者になり、コミケにも行くようになった。その場所で私は友人ができた。
その子の名は木下愛由美ちゃん。年齢は私と同じだった。彼女も過去にキャチプリをしていた子で、彼女の推しは私と同じくレヴォン王子だったためにその話題で盛り上がって仲良くなった。
私は彼女に、"レヴォン王子ルートのハッピーエンド"をしているときに感じていた違和感の話をした。彼女は「不思議なこともあるんだねぇ」と言いながらも意味不明という表情をしていた。まあ私もそれを聴く側だったならそういう表情をしていたたろうから突っ込まなかった。
そんな中、嶋田くんとの間に転機が訪れたのは入社してから一年半程経ったころ。
彼は上司から何か怒られた後に必死でパソコンに向かっていた。その作業が終わったのか、彼は一息つくと立ち上がった。
私は話しかけるなら今しかないと思い、コーヒーを持って「お疲れ様です、嶋田さん。少し休憩しませんか?」と話しかけた。
彼は一瞬キョトンとした表情をすると、視線を私のお腹らへんに目を向けて私の顔に戻し、作られた笑顔で返事をした。
「ありがとうございます中西さん。ちょうど休憩しようと思っていたところだったので」
きっと私の名札を見たのだろう。名前を覚えてもらっていなかったことに若干のショックを受けつつも私たちは休憩室へ向かった。
何故か廊下を歩いている間頭が少しぼんやりしていたが、意識はしっかりとしていたので特に気にすることなく休憩室に入り、席に着くと私は話をするために彼の方へ振り向いた。
私はそれから彼とよく話すようになった。初めは堅くて作られたような笑顔だったものが、いつのまにか笑顔は、話すときの表情は柔らかく優しいものに変わっていた。
私は希望を抱いた。もしかしたら本当に、彼は私を好きになってくれているかもしれないと。彼が彼女と別れたわけではないから確信はもてなかった。
だが、一度抱いてしまった希望は、暴走してしまった。
昔から、誰かに愛されたかったという欲。そこに彼を好きになってしまったという感情が混ざり、私は、彼に愛されたい。彼じゃなければ嫌だ。と思うようになっていた。
その感情の暴走は止むことがなく、さらに悪化した。
彼は私を愛してくれていると言われたこともないのに思い込むようになり、彼と付き合っているまだ会ったこともない彼女の存在が邪魔と感じていた。
なぜ彼はあの子と別れないの?
彼は私のことが好きなのに、なぜ?
あの女は、なぜ愛し合っている私たちの邪魔をするの?
ある日私と彼はショッピングモールに出かけることになった。私がずっと興味を持っていた映画を彼も見たいと言っていたため、一緒に観に行くことになったのだ。
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私は一瞬で感じ取った。彼女が彼の恋人なのだと。彼の表情はとても穏やかで優しいもの、私を好きだからこそ向けてくれる表情。
私は彼女に見せつけるように、彼に笑顔を向けた。私たちは両想い、貴方の入る隙なんてないのだという意味を込めて。
彼女はそのまま反対方向に向かって小走りで去って行ってしまった。
次の日、駅まで一緒に帰ることになり駅に着くと、別れる前に彼は私に言った。
「俺、中西さんのこと好きになってしまったみたいなんだ。付き合ってください」
ああ、ほら、やっぱりね。彼が好きなのは私だったのよ。彼の運命の人はあの女じゃなく、私だったのよ。
私は喜びながらそう思った。
「私でよければ、もちろん‼︎」
私が満面の笑みを浮かべて返事をすれば、彼は嬉しそうな笑顔を向けてくれた。
だが、喜びで舞い上がっていた私はその時気づかなかった。彼が一瞬、辛そうな表情になっていたことに。
次の日、彼に会社帰りにどこかに行こうと誘ったが彼は彼女の元に荷物を取りに行かなければならないと言い断られた。
そんなの私と出かけた後でも大丈夫でしょう?
そんなこといつでもできるでしょう?
私との用事が一番大事なことでしょう?
私がそう言うと、彼は少し困った表情をしてごめん、と言った。
私と彼の会話はそれが最後となった。
次の日会社に着くと、上司は私たちが全員集まったところで『嶋田くんが亡くなった』と告げた。
私は信じられなかった。
一昨日付き合い始めたばかりなのに、そんなわけないでしょう?と思った。
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『嶋田祐介(24)、鷹田咲良(23)死亡』
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鷹田咲良。私がまだ嶋田くんに片思いしていたときによくきいた"咲良"という名。
彼の元カノだとすぐにわかった。
そのニュースでは、二人は鷹田咲良さんの家で死亡。嶋田くんの死因は彼女に刃物で心臓を貫かれたため。彼女の死因は彼女自身が自らの心臓を同じ刃物で貫いたため。ということだった。
ありえないありえないありえないありえない‼︎
彼が死ぬなんて‼︎それもあんな女に殺されて‼︎
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