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夢を見ていた。
「マリアベル、君との婚約もここまでだ。破棄とする」
夢なのに現実みたいに生々しいのはほんの数日前、実際にあった出来事だからだ。
目の前で吐き捨てたのは私の婚約者……元婚約者にして金髪のイケメンだ。
かっこいい、とは思うけれど親の仇みたいに睨まれてる時点でごめんなさい、である。そもそも私の好みは穏やかな人柄。普段の横柄な態度も嫌いだし、こうして敵意をぶつけられればなおさらである。
「エクゾディス大樹林を警護する聖なる任務を妨害するばかりか、真の聖女であるニミミ・ファーガス公爵令嬢を殺害しようとした罪をここで贖ってもらう」
イケメンの言葉に、周囲を囲む兵士たちが私を持ち上げた。
くさい、きたない、と悪意に満ちた言葉をぶつけられ、そのまま引きずられていく。くさいのも汚いのも私のせいじゃない。
朝から晩まで、兵士たちに回復魔法を掛け続けていたのだ。食事や睡眠すらまともに取れていないのだからのんびりお風呂に入ることなどできるはずもなかった。
前線にいるほとんどの人間に回復魔法を掛けたことがある。私の事情は兵士たちも知っているはずなのに、まるで汚物かのように引きずられ、旧時代の建物を再利用した簡易的な牢屋へと放り込まれた。
「自らの愚かな行いをそこで死ぬまで悔いていろ」
罵声を浴びせたイケメンは二度と振り返らなかった。
ガシャン!
乱暴に閉じられた鉄格子の隙間から見えたのは、華やかなドレスを身にまとった美女の肩を抱きながら去っていく後ろ姿だ。
美女が一瞬だけ振り向いて私に笑みを向けた。
ステキな性格だ。
本来ならば規律を乱した人間を入れておく簡易牢はひどく寒かった。旧時代に作られてから製法も素材も失伝している床と壁はとても冷たく、後付けされた鉄格子は風を遮る役には立たない。
時折交代する見張りの騎士は前線で癒したことのある相手ばかりだったけれど、誰もが私に憎悪をぶつけていた。
無視されたり、そこらへんに唾を吐き捨てるくらいならばまだマシ。
「おい、偽聖女。俺たちを騙していたことへの謝罪はないのか? ないなら餌はお預けだ」
何かの腹いせに殴られたり、日に一度しか出ない食事を頭から浴びせられたりもした。具材ゼロで味付けもほぼなし、おまけにすっかり冷めたスープはほとんど水と変わらないのであまり気にならないけれど、やっぱり寒い。
見張りの兵士がサボりに行ったのを見届けてから回復魔法で殴られたところを治療する。
最前線では魔力切れで気絶した私を起こすために足や腕を剣で刺されていたので、この程度の痛みはなんてことない。治癒の光がなるべく目立たないよう、加減しながら癒していけば痛みどころか痣も残らずに消えた。
——とはいえ、このままじゃ駄目だよね。
わずかな食事を取り上げられ、気まぐれに暴力を振るわれる。
おそらくは、私が本当に死ぬまでこのままだろう。
空腹も水分不足も回復魔法で誤魔化すには限度があった。
夜になり、かがり火がぼんやりと辺りを照らし始めたところで思考を整理する。
七歳で孤児になった私は教会に預けられると同時に聖属性魔法の適性を見出され、聖女候補となった。
ただでさえ聖属性の魔法は使い手が少ない中、効果がずば抜けて高く、めきめき実力を伸ばしていた私の肩書は九歳になると同時に候補の文字が外れた。
そしてブレナバン王国の第四王子マーカス・ブレナバンの婚約者に指名され、王子とともにエクゾディス大樹林で魔物討伐の任務に当たることになったのだ。
一五歳以下が従軍することは基本的にないことだったけれど、婚約者として王族の義務を果たすために。
如何に規格外の聖属性魔法を扱えると言っても九歳だった私は魔力も体力も人より少なかった。
結果的に朝も夜もなく、気絶するまで魔法を使い続けることになった。正確には気絶しても叩き起こされて使わされていたけど。
その反動か、魔力はぐんぐん伸びて今では魔力切れを起こすことはなくなったけれど、身体は小さいしお胸もぺったんこのまま。
体力もまったくなく、前線から移動するのにも他の兵士たちの移動に差し支えるから最前線で寝泊まりしろ、と命じられていたくらいだ。
三〇分も歩いたら気絶するくらいの体力なので、まぁ仕方ないと言えば仕方ないけれど。
——いや、普通に誰かを殺そうとするなんて無理じゃない?
回復魔法をわざと掛けなかった、とかならともかく、体力がスライム以下な私に負ける人間がいるとは思えない。
最前線から連れ帰られて即座に断罪された私だが、当然ながら濡れ衣だ。王子が言っていた何たらかんたら公爵令嬢ってのもはじめて聞いたし。
あと数か月で一五の成人を迎えるというのに、このまま牢屋で朽ちていく運命にあった。もともとご飯もほとんど貰えていなかったのに、そのうえ水分もなしとなればいよいよ助かるとは思えなかった。
なんでこんなことに、と溜息をついたところで急に夢から覚めた。
頭の中に声が響いたのだ。
「マリアベル、君との婚約もここまでだ。破棄とする」
夢なのに現実みたいに生々しいのはほんの数日前、実際にあった出来事だからだ。
目の前で吐き捨てたのは私の婚約者……元婚約者にして金髪のイケメンだ。
かっこいい、とは思うけれど親の仇みたいに睨まれてる時点でごめんなさい、である。そもそも私の好みは穏やかな人柄。普段の横柄な態度も嫌いだし、こうして敵意をぶつけられればなおさらである。
「エクゾディス大樹林を警護する聖なる任務を妨害するばかりか、真の聖女であるニミミ・ファーガス公爵令嬢を殺害しようとした罪をここで贖ってもらう」
イケメンの言葉に、周囲を囲む兵士たちが私を持ち上げた。
くさい、きたない、と悪意に満ちた言葉をぶつけられ、そのまま引きずられていく。くさいのも汚いのも私のせいじゃない。
朝から晩まで、兵士たちに回復魔法を掛け続けていたのだ。食事や睡眠すらまともに取れていないのだからのんびりお風呂に入ることなどできるはずもなかった。
前線にいるほとんどの人間に回復魔法を掛けたことがある。私の事情は兵士たちも知っているはずなのに、まるで汚物かのように引きずられ、旧時代の建物を再利用した簡易的な牢屋へと放り込まれた。
「自らの愚かな行いをそこで死ぬまで悔いていろ」
罵声を浴びせたイケメンは二度と振り返らなかった。
ガシャン!
乱暴に閉じられた鉄格子の隙間から見えたのは、華やかなドレスを身にまとった美女の肩を抱きながら去っていく後ろ姿だ。
美女が一瞬だけ振り向いて私に笑みを向けた。
ステキな性格だ。
本来ならば規律を乱した人間を入れておく簡易牢はひどく寒かった。旧時代に作られてから製法も素材も失伝している床と壁はとても冷たく、後付けされた鉄格子は風を遮る役には立たない。
時折交代する見張りの騎士は前線で癒したことのある相手ばかりだったけれど、誰もが私に憎悪をぶつけていた。
無視されたり、そこらへんに唾を吐き捨てるくらいならばまだマシ。
「おい、偽聖女。俺たちを騙していたことへの謝罪はないのか? ないなら餌はお預けだ」
何かの腹いせに殴られたり、日に一度しか出ない食事を頭から浴びせられたりもした。具材ゼロで味付けもほぼなし、おまけにすっかり冷めたスープはほとんど水と変わらないのであまり気にならないけれど、やっぱり寒い。
見張りの兵士がサボりに行ったのを見届けてから回復魔法で殴られたところを治療する。
最前線では魔力切れで気絶した私を起こすために足や腕を剣で刺されていたので、この程度の痛みはなんてことない。治癒の光がなるべく目立たないよう、加減しながら癒していけば痛みどころか痣も残らずに消えた。
——とはいえ、このままじゃ駄目だよね。
わずかな食事を取り上げられ、気まぐれに暴力を振るわれる。
おそらくは、私が本当に死ぬまでこのままだろう。
空腹も水分不足も回復魔法で誤魔化すには限度があった。
夜になり、かがり火がぼんやりと辺りを照らし始めたところで思考を整理する。
七歳で孤児になった私は教会に預けられると同時に聖属性魔法の適性を見出され、聖女候補となった。
ただでさえ聖属性の魔法は使い手が少ない中、効果がずば抜けて高く、めきめき実力を伸ばしていた私の肩書は九歳になると同時に候補の文字が外れた。
そしてブレナバン王国の第四王子マーカス・ブレナバンの婚約者に指名され、王子とともにエクゾディス大樹林で魔物討伐の任務に当たることになったのだ。
一五歳以下が従軍することは基本的にないことだったけれど、婚約者として王族の義務を果たすために。
如何に規格外の聖属性魔法を扱えると言っても九歳だった私は魔力も体力も人より少なかった。
結果的に朝も夜もなく、気絶するまで魔法を使い続けることになった。正確には気絶しても叩き起こされて使わされていたけど。
その反動か、魔力はぐんぐん伸びて今では魔力切れを起こすことはなくなったけれど、身体は小さいしお胸もぺったんこのまま。
体力もまったくなく、前線から移動するのにも他の兵士たちの移動に差し支えるから最前線で寝泊まりしろ、と命じられていたくらいだ。
三〇分も歩いたら気絶するくらいの体力なので、まぁ仕方ないと言えば仕方ないけれど。
——いや、普通に誰かを殺そうとするなんて無理じゃない?
回復魔法をわざと掛けなかった、とかならともかく、体力がスライム以下な私に負ける人間がいるとは思えない。
最前線から連れ帰られて即座に断罪された私だが、当然ながら濡れ衣だ。王子が言っていた何たらかんたら公爵令嬢ってのもはじめて聞いたし。
あと数か月で一五の成人を迎えるというのに、このまま牢屋で朽ちていく運命にあった。もともとご飯もほとんど貰えていなかったのに、そのうえ水分もなしとなればいよいよ助かるとは思えなかった。
なんでこんなことに、と溜息をついたところで急に夢から覚めた。
頭の中に声が響いたのだ。
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