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第38話 精霊たちの怒り
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「ソフィアに触れるな」
その命令は、大声でもないのにホールに響いた。
声の主はエルネストだ。
ソフィアに向ける時とは別人かと思えるほどの冷徹な眼差し。竜の吹雪を思い起こさせるような視線で伯爵を睨みつけ、ソフィアを抱き寄せた。
「ソフィアは俺の婚約者だ。気安く触れるな」
「殿下! これは家族の問題で――」
「貴様は家族であることを自ら放棄しただろう。今更家族面するなど、恥知らずにも程がある」
「し、しかし」
「くどいっ!」
エルネストが烈火の如く怒声をあげた。
「ソフィアを何だと思っている! どれほど苦しみ、どれほど悲しんだと思っている! これ以上ソフィアを傷つけるな!」
強烈な怒りをぶつけられ、二の句が告げなくなった伯爵の代わりに前に出たのはメアリだ。
伯爵と同じくらいボロボロになった彼女は、潤んだ視線をエルネストに向ける。わざとらしい上目遣い。
「エルネストさま! お姉さまなんかよりも、私の方が――」
「誰の許しを得て俺の名前を呼ぶ」
「えっ、でもお姉さまは――」
「我が最愛に名を許すのは当たり前だろうが。貴様など知らん」
「そんな! でも、エルネストさまには私の方がお姉さまより相応しいと思うんです!」
会話にならない発言をするメアリに、エルネストは容赦をしなかった。
「寝言は寝てから言え。貴様などと比べること自体がソフィアに対する侮辱だ」
死を覚悟させるほどの圧力に、メアリがペタンと尻もちをついた。
ソフィアをうらやむ嫉妬心も、自らを美しいと信じて疑わない傲慢さも打ち砕かれ、恐怖だけが残されていた。
良い機会だ、と周囲を見回して宣言する。
「ユークレース王国第二王子、エルネスト・ノエル・ユークレースがここに宣言する」
抱きかかえたソフィアを示す。
「ソフィアを我が妻とし、あらゆるものから加護する。我が加護の中において、ソフィアに危害を加えようとする者は我が怒りを受け止める覚悟をせよ」
魔王と呼ぶに相応しい覇気に、貴族たちが平服していく。
多くの者がひれ伏し、そして頭をさげる中で立ったままの者がいた。フィーネと、彼女に寄り添うアルフレッドだ。
フィーネは不敵な笑みをエルネストに向けると、優雅にカーテシーをした。
「エルネスト殿下に置かれましてはご機嫌麗しゅう。無礼を承知で申し上げますが、私は殿下のお言葉に反対いたします」
「ソフィアを傷つける気か?」
「まさか。その逆です」
精霊の出現という予想外の事態にあってなお、フィーネは余裕の笑みを崩さなかった。
「精霊の御子様の誕生、まことにおめでとうございます。しかし、現在御子様のお立場は平民です。平民と貴族、あるいは王族の婚姻は『貴族憲章』に反しますわ」
「……それで?」
「御子様はエルネスト様個人が守るのではなく、ぜひ『宮殿』にて保護し、国全体で保護するべきかとーー」
悪意と害意を理論で包んだ賢しらなことば。それを言い切る前に、強大な災害が二つ、明確な意思を持って動いた。
『囀るな、小娘』
『せっかくソフィアが勇気だしてんだから邪魔しないでよっ!』
トトと竜だ。
竜の爪がフィーネの足元に突き立てられ、眼前に炎が噴き上がる。
『……殺すぞ』
『氷像じゃゴミが残る。アタシが蒸発させるわ』
剣呑すぎる言葉は、明確な殺害宣言だ。冗談ではなくやりかねない雰囲気に、ソフィアが慌てた。相手は公爵令嬢にして第一王子の婚約者なのだ。
「まって! そこまでしなくても――」
『愛し子と御子の仲を引き裂こうとしたのだ。こやつのみならず、一族郎党全員を氷像にしてやりたいくらいだ』
「ソフィア? 何て?」
「いえ、その……」
『丁度いい、精霊の御子、我が言葉をそのまま伝えよ。違うことも、口を噤むことも許さん』
竜は周囲を睥睨した。
固唾を飲んで見守っていた貴族たちが竜に睨まれ、体を震え上がらせた。
『我が愛し子と精霊の御子が番うことを言祝ぐ栄誉か、火にくべても溶けぬ我が絶対の氷雪。好きな方をくれてやるから選べ』
「実質一択ですよソレ!」
『我は愛し子の幸せを望んでいる。邪魔者は全て殺す。問題などなかろう』
「ありますって!」
思わずツッコミを入れたソフィアに周囲の視線が集まった。
つい先ほどまでホールを地獄へと変えていた力ある精霊と、当たり前に接する。それどころか、対等に会話をしている。
少しでも機嫌を損ねれば即座に命を落とすであろう相手なのは明白だ。
にも関わらず竜はソフィアに爪を振るうそぶりを見せない。
つまり、会話が成立していた。傍目にも分かるそのやり取りに、貴族たちがソフィアがどういう存在なのかを改めて思い知る。
竜とソフィアの声だけが響くホールに、ヒールの音が重なった。
「精霊たちがつい先ほど猛威を振るったのを見ていなかったのですか。ソフィアさんは現状、精霊と交渉できる唯一の人間。自分勝手に傷つけようとするのは、国を亡ぼす行いと知りなさい」
ホール内にスカーレットの声が響いた。同時に走り込んできたのはエルネストの部下たちである。抵抗する気力すらない伯爵やメアリは元より、フィーネも組み伏せられた。
「何をするんですか。私はただこの国を憂いて諫言しただけです」
「ずいぶんと悪意と恣意にまみれた諫言ですね」
フィーネの言葉に反論したスカーレットがホールへと歩みを進めた。
「貴族憲章は権力者の横暴から平民を守るための決まり。今まさに貴女がやろうとしていることを止めるためのものです」
「私は決まりに従っているだけです」
「悪用の間違いでしょう。――ソフィアさん。精霊様の言葉を聞かせてもらえませんか?」
スカーレットに訊ねられるも、安易に口にできるような言葉ではない。
何しろ、竜とトトが告げているのはフィーネの処刑なのだ。
言葉に詰まっていると、フィーネが意地の悪い笑みを浮かべた。
「どうしたのですか。まさかとは思いますが、精霊の御子を騙っているわけではありませんわよね? でしたら極刑ですけども」
『言葉なぞ不要だな』
『そうね、アタシたちの意思表示は簡単だわ』
精霊とのコミュニケーションが難しい理由は二つ。
一つは言語だ。精霊が人間の言葉を聞き取れても、普通の人には精霊の言葉が理解できない。
もう一つはそもそも精霊を見ることができないという点だが、大量の星幽を得て物理的に見える存在になったトトと竜は、その問題はすでに存在しない。
言葉が通じずとも、人知を超えた力を振るえば意思表示は簡単にできるのだ。
氷と炎が床を舐めるように広がり、無数の槍となってフィーネを取り囲む。言葉が通じずとも分かる明確な殺意に、フィーネが顔色を失った。
さらには竜とトトから白い靄が伸び、フィーネを絡め取る。
星幽を無理矢理引きずり出そうとしていた。即座に全てを奪いつくさないのは優しさゆえか、それとも別の理由があってか。
どちらにせよ、フィーネは動くことはおろか喋ることすら難しい状態まで追い込まれた。
権力も言葉も、それどころか法ですら通用しない相手を前にしてはどんな理論も意味を為さなかった。
『次、不快なことを喋ったら殺す』
無慈悲な竜の宣言に反応したのはソフィアだ。
「喋らないでください! 竜の精霊様は怒っています!」
その命令は、大声でもないのにホールに響いた。
声の主はエルネストだ。
ソフィアに向ける時とは別人かと思えるほどの冷徹な眼差し。竜の吹雪を思い起こさせるような視線で伯爵を睨みつけ、ソフィアを抱き寄せた。
「ソフィアは俺の婚約者だ。気安く触れるな」
「殿下! これは家族の問題で――」
「貴様は家族であることを自ら放棄しただろう。今更家族面するなど、恥知らずにも程がある」
「し、しかし」
「くどいっ!」
エルネストが烈火の如く怒声をあげた。
「ソフィアを何だと思っている! どれほど苦しみ、どれほど悲しんだと思っている! これ以上ソフィアを傷つけるな!」
強烈な怒りをぶつけられ、二の句が告げなくなった伯爵の代わりに前に出たのはメアリだ。
伯爵と同じくらいボロボロになった彼女は、潤んだ視線をエルネストに向ける。わざとらしい上目遣い。
「エルネストさま! お姉さまなんかよりも、私の方が――」
「誰の許しを得て俺の名前を呼ぶ」
「えっ、でもお姉さまは――」
「我が最愛に名を許すのは当たり前だろうが。貴様など知らん」
「そんな! でも、エルネストさまには私の方がお姉さまより相応しいと思うんです!」
会話にならない発言をするメアリに、エルネストは容赦をしなかった。
「寝言は寝てから言え。貴様などと比べること自体がソフィアに対する侮辱だ」
死を覚悟させるほどの圧力に、メアリがペタンと尻もちをついた。
ソフィアをうらやむ嫉妬心も、自らを美しいと信じて疑わない傲慢さも打ち砕かれ、恐怖だけが残されていた。
良い機会だ、と周囲を見回して宣言する。
「ユークレース王国第二王子、エルネスト・ノエル・ユークレースがここに宣言する」
抱きかかえたソフィアを示す。
「ソフィアを我が妻とし、あらゆるものから加護する。我が加護の中において、ソフィアに危害を加えようとする者は我が怒りを受け止める覚悟をせよ」
魔王と呼ぶに相応しい覇気に、貴族たちが平服していく。
多くの者がひれ伏し、そして頭をさげる中で立ったままの者がいた。フィーネと、彼女に寄り添うアルフレッドだ。
フィーネは不敵な笑みをエルネストに向けると、優雅にカーテシーをした。
「エルネスト殿下に置かれましてはご機嫌麗しゅう。無礼を承知で申し上げますが、私は殿下のお言葉に反対いたします」
「ソフィアを傷つける気か?」
「まさか。その逆です」
精霊の出現という予想外の事態にあってなお、フィーネは余裕の笑みを崩さなかった。
「精霊の御子様の誕生、まことにおめでとうございます。しかし、現在御子様のお立場は平民です。平民と貴族、あるいは王族の婚姻は『貴族憲章』に反しますわ」
「……それで?」
「御子様はエルネスト様個人が守るのではなく、ぜひ『宮殿』にて保護し、国全体で保護するべきかとーー」
悪意と害意を理論で包んだ賢しらなことば。それを言い切る前に、強大な災害が二つ、明確な意思を持って動いた。
『囀るな、小娘』
『せっかくソフィアが勇気だしてんだから邪魔しないでよっ!』
トトと竜だ。
竜の爪がフィーネの足元に突き立てられ、眼前に炎が噴き上がる。
『……殺すぞ』
『氷像じゃゴミが残る。アタシが蒸発させるわ』
剣呑すぎる言葉は、明確な殺害宣言だ。冗談ではなくやりかねない雰囲気に、ソフィアが慌てた。相手は公爵令嬢にして第一王子の婚約者なのだ。
「まって! そこまでしなくても――」
『愛し子と御子の仲を引き裂こうとしたのだ。こやつのみならず、一族郎党全員を氷像にしてやりたいくらいだ』
「ソフィア? 何て?」
「いえ、その……」
『丁度いい、精霊の御子、我が言葉をそのまま伝えよ。違うことも、口を噤むことも許さん』
竜は周囲を睥睨した。
固唾を飲んで見守っていた貴族たちが竜に睨まれ、体を震え上がらせた。
『我が愛し子と精霊の御子が番うことを言祝ぐ栄誉か、火にくべても溶けぬ我が絶対の氷雪。好きな方をくれてやるから選べ』
「実質一択ですよソレ!」
『我は愛し子の幸せを望んでいる。邪魔者は全て殺す。問題などなかろう』
「ありますって!」
思わずツッコミを入れたソフィアに周囲の視線が集まった。
つい先ほどまでホールを地獄へと変えていた力ある精霊と、当たり前に接する。それどころか、対等に会話をしている。
少しでも機嫌を損ねれば即座に命を落とすであろう相手なのは明白だ。
にも関わらず竜はソフィアに爪を振るうそぶりを見せない。
つまり、会話が成立していた。傍目にも分かるそのやり取りに、貴族たちがソフィアがどういう存在なのかを改めて思い知る。
竜とソフィアの声だけが響くホールに、ヒールの音が重なった。
「精霊たちがつい先ほど猛威を振るったのを見ていなかったのですか。ソフィアさんは現状、精霊と交渉できる唯一の人間。自分勝手に傷つけようとするのは、国を亡ぼす行いと知りなさい」
ホール内にスカーレットの声が響いた。同時に走り込んできたのはエルネストの部下たちである。抵抗する気力すらない伯爵やメアリは元より、フィーネも組み伏せられた。
「何をするんですか。私はただこの国を憂いて諫言しただけです」
「ずいぶんと悪意と恣意にまみれた諫言ですね」
フィーネの言葉に反論したスカーレットがホールへと歩みを進めた。
「貴族憲章は権力者の横暴から平民を守るための決まり。今まさに貴女がやろうとしていることを止めるためのものです」
「私は決まりに従っているだけです」
「悪用の間違いでしょう。――ソフィアさん。精霊様の言葉を聞かせてもらえませんか?」
スカーレットに訊ねられるも、安易に口にできるような言葉ではない。
何しろ、竜とトトが告げているのはフィーネの処刑なのだ。
言葉に詰まっていると、フィーネが意地の悪い笑みを浮かべた。
「どうしたのですか。まさかとは思いますが、精霊の御子を騙っているわけではありませんわよね? でしたら極刑ですけども」
『言葉なぞ不要だな』
『そうね、アタシたちの意思表示は簡単だわ』
精霊とのコミュニケーションが難しい理由は二つ。
一つは言語だ。精霊が人間の言葉を聞き取れても、普通の人には精霊の言葉が理解できない。
もう一つはそもそも精霊を見ることができないという点だが、大量の星幽を得て物理的に見える存在になったトトと竜は、その問題はすでに存在しない。
言葉が通じずとも、人知を超えた力を振るえば意思表示は簡単にできるのだ。
氷と炎が床を舐めるように広がり、無数の槍となってフィーネを取り囲む。言葉が通じずとも分かる明確な殺意に、フィーネが顔色を失った。
さらには竜とトトから白い靄が伸び、フィーネを絡め取る。
星幽を無理矢理引きずり出そうとしていた。即座に全てを奪いつくさないのは優しさゆえか、それとも別の理由があってか。
どちらにせよ、フィーネは動くことはおろか喋ることすら難しい状態まで追い込まれた。
権力も言葉も、それどころか法ですら通用しない相手を前にしてはどんな理論も意味を為さなかった。
『次、不快なことを喋ったら殺す』
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