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2章 少年期
7話 貸し
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━━━武器屋━━━
「で?どうするんだ?その魔剣」
「って!これ魔剣なんですか!?」
「ったりめぇだろ!装備者の魔力を吸う剣が普通の剣な訳あるか!!」
「は、はい!」
「で?どうする?扱えるんならタダでも良いんだが、そのザマじゃあなぁ…」
「……」
図星を突かれて沈黙してしまうカイト。
「…ちなみに普通に売るとおいくらで?」
「1800万Sってとこだな」
(1800万!?侯爵家の半分も…)
ちなみに、小銅貨=1円 銅貨=10円 大銅貨=100円 小銀貨=1000円 銀貨=1万円 大銀貨=10万円 小金貨=100万円 金貨=1000万円 大金貨=1億円 白金貨=10億である。
「…小金貨18枚とは随分とお高いですねぇ?あまり需要が無さそうにおもえるのですが?」
「だからこそだ。こんだけ高くしときゃあコイツを持てるのは、相当な金持ちか魔力を多く持った奴だけだからな」
「なるほど…だから、扱えるならタダで良いと…」
店主の言い分に納得する3人だが、カイトはどうしても諦め切れない。
それに気づいたポトスが店主に交渉を持ちかける。
「困りましたねぇ…生憎手持ちのお金では手が届きません。そこで相談なのですが……我が領に来ていただけないでしょうか?」
「我が領ってことは…あんたどっかの貴族様かい?」
「ええ、まあ。今は小さな領ですがね?」
「ふーん…で?それで俺様に何のメリットがあるってんだ?」
「メリットは剣の在庫処分と、新しい物件の紹介といったところでしょうか」
自信ありげに答えるポトス。
「在庫処分ってことは、コイツをそいつにやるつもりか?」
「ええ、今はまだ扱えないかもしれませんが必ず使いこなすようになるでしょう」
「俺様にそいつの未来に賭けろってのか?」
「はい。その通りです」
「…」
考え込む店主。
「…てめぇはどうなんだ?」
「え?」
「だから!てめぇは使いこなせるようになるつもりがあるのかって訊いてんだよ!!」
「っ!?勿論!自由に使いこなして見せる!」
「……分かった。コイツはてめぇへ貸し出してやる。使いこなせなければ返して貰うがな」
「はい!ありがとうございます」
こうして無事に魔剣を手に入れることに成功したカイトは、早速背中に背負う。
「おい!サブの武器は何が良い?…まさかメインだけでやろうなんて考えてねぇよな?」
「だ、大丈夫です!」
カイトは急いで売り物の短剣を4本持って来ると、カメーリエから貰ったお金で払った。
「そういえば、てめぇらの名前を聞いてなかったな…俺様はシャッツだ」
「私はポトス。で、こっちが従者のマーガレット。こっちが」
「カイトです。よろしくお願いします」
「おう、よろしく……で、ポトス様の領ってのはどこだ?」
「ああ、そうだね。……えっと…あ、ここだよ」
そう言って地図を取り出して指を指すポトス。
「ちょっと待てよ…よし!武器とかの積み込みで時間はかかるが準備が出来たら向かう」
「分かった。向こうで待っているよ」
「あ、この辺に良い防具屋や道具屋はありますか?」
「おう、それならこの先にある防具屋と道具屋のくっついた店があるから、そこで買うと良い」
3人はお礼を言うと店を出て行った。
「で?どうするんだ?その魔剣」
「って!これ魔剣なんですか!?」
「ったりめぇだろ!装備者の魔力を吸う剣が普通の剣な訳あるか!!」
「は、はい!」
「で?どうする?扱えるんならタダでも良いんだが、そのザマじゃあなぁ…」
「……」
図星を突かれて沈黙してしまうカイト。
「…ちなみに普通に売るとおいくらで?」
「1800万Sってとこだな」
(1800万!?侯爵家の半分も…)
ちなみに、小銅貨=1円 銅貨=10円 大銅貨=100円 小銀貨=1000円 銀貨=1万円 大銀貨=10万円 小金貨=100万円 金貨=1000万円 大金貨=1億円 白金貨=10億である。
「…小金貨18枚とは随分とお高いですねぇ?あまり需要が無さそうにおもえるのですが?」
「だからこそだ。こんだけ高くしときゃあコイツを持てるのは、相当な金持ちか魔力を多く持った奴だけだからな」
「なるほど…だから、扱えるならタダで良いと…」
店主の言い分に納得する3人だが、カイトはどうしても諦め切れない。
それに気づいたポトスが店主に交渉を持ちかける。
「困りましたねぇ…生憎手持ちのお金では手が届きません。そこで相談なのですが……我が領に来ていただけないでしょうか?」
「我が領ってことは…あんたどっかの貴族様かい?」
「ええ、まあ。今は小さな領ですがね?」
「ふーん…で?それで俺様に何のメリットがあるってんだ?」
「メリットは剣の在庫処分と、新しい物件の紹介といったところでしょうか」
自信ありげに答えるポトス。
「在庫処分ってことは、コイツをそいつにやるつもりか?」
「ええ、今はまだ扱えないかもしれませんが必ず使いこなすようになるでしょう」
「俺様にそいつの未来に賭けろってのか?」
「はい。その通りです」
「…」
考え込む店主。
「…てめぇはどうなんだ?」
「え?」
「だから!てめぇは使いこなせるようになるつもりがあるのかって訊いてんだよ!!」
「っ!?勿論!自由に使いこなして見せる!」
「……分かった。コイツはてめぇへ貸し出してやる。使いこなせなければ返して貰うがな」
「はい!ありがとうございます」
こうして無事に魔剣を手に入れることに成功したカイトは、早速背中に背負う。
「おい!サブの武器は何が良い?…まさかメインだけでやろうなんて考えてねぇよな?」
「だ、大丈夫です!」
カイトは急いで売り物の短剣を4本持って来ると、カメーリエから貰ったお金で払った。
「そういえば、てめぇらの名前を聞いてなかったな…俺様はシャッツだ」
「私はポトス。で、こっちが従者のマーガレット。こっちが」
「カイトです。よろしくお願いします」
「おう、よろしく……で、ポトス様の領ってのはどこだ?」
「ああ、そうだね。……えっと…あ、ここだよ」
そう言って地図を取り出して指を指すポトス。
「ちょっと待てよ…よし!武器とかの積み込みで時間はかかるが準備が出来たら向かう」
「分かった。向こうで待っているよ」
「あ、この辺に良い防具屋や道具屋はありますか?」
「おう、それならこの先にある防具屋と道具屋のくっついた店があるから、そこで買うと良い」
3人はお礼を言うと店を出て行った。
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