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2章 少年期
6話 掘り出し物
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━━━武器屋━━━
武器屋の前まで来た3人。
(見つけた時から思ってたけど…やっぱりボロい…)
「えっと…確認なんだが…本当にここで買うつもりかい?」
「…なんて言うかボロ…レトロな店ですね」
見た目は営業しているのか謎な店だが、カイトの直感がここに業物があるはずと言っていた。
(小説の定番だし!)
「入って見ましょうよ!」
「うん。まあカイト君が良いなら良いんだけど」
入店してみると、鋭そうな槍やバランスのおかしいハンマー、宝石のはまったガントレットなど様々な物が所狭しと置いてあるが、肝心の剣が見当たらない。
「不思議な店ですね。こんなに様々な武器があるのに剣が一本も置いてない…」
「きっと売り切れたのですわ!」
「どうする?カイト君」
困ったようにカイトに訊くポトス。
「と、とりあえず…店主に話を」
「分かった決めるのはその後にしよう。…すまない!誰か居るかい?」
バタンッ ガシャンッ
ポトスが店の奥に声をかけると何かが倒れたり落ちたような音がして、髭面の男が現れた。
「…なんだ?何か売りに来たのか?」
「いえ、武器を買いに」
「なら、さっさと選んで持って来い。……全くせっかく気持ち良く寝てたってのによぉ」
機嫌が悪いらしく、ぶっきらぼうな接客をする店主。
「あのぉ、剣が欲しいんですが…」
ピクッ
「ああ?…剣だぁ?うちにあるのがアレだって知って言ってんのかぁ?」
「あ、アレ?」
「店主。アレとは?」
「なんだ?知らずに来たのか…まあせっかくだし見せてやるよ。ちょっと待ってな…」
そう言って店主は店の奥に戻り、ガサゴソと何かを探して持ってきた。
「ほら、コイツだよ」
店主が持ってきたのは1m程の剣だった。
(何だろう…吸い込まれるような感じがする……)
「店主。これが?」
「ああ。2年前ぐらいに冒険者がダンジョンの宝箱から見つけたって売りに来た物だ!」
「これをお譲りしてもらうことは?」
「別に構わねえよ?扱えるならな?」
(テンプレ来たー!)
小説などで読んだことのある展開に内心テンションの上がるカイト。
「試してみて良いですか?」
「良いが、コイツは魔力が多くないと扱えないぜ?」
「大丈夫です!魔力には自身あるので!」
カイトはそう言って剣の柄を持って鞘から抜刀した。
ガクンッ
(あれ?…ステータス!)
名前 カイト・ドライ・アーク
年齢 5歳
種族 人間
適性属性 なし
加護 なし
称号 なし
HP 70 MP 200/1100
STR 70 VIT 60
DEX 60 INT 750
AGI 78 LUK 100
(っ!?魔力が殆ど吸い取られた!?)
「だ、大丈夫かい?」
「ほう…膝をついただけで済んだか…」
そんな声も聞こえないほどカイトは考えていた。
(流石にフィクションとは違うなぁ!こういうことがあると、改めて異世界に来たって感じがするよ!!)
「─!…─い!…おい!…やっと気づいたか。ったく…魔剣を握ったままニヤニヤしやがって」
「あ、ご、ごめんなさい!考え事してて…」
店主の声で現実に戻って来たカイトは顔が赤くなるのを感じた。
武器屋の前まで来た3人。
(見つけた時から思ってたけど…やっぱりボロい…)
「えっと…確認なんだが…本当にここで買うつもりかい?」
「…なんて言うかボロ…レトロな店ですね」
見た目は営業しているのか謎な店だが、カイトの直感がここに業物があるはずと言っていた。
(小説の定番だし!)
「入って見ましょうよ!」
「うん。まあカイト君が良いなら良いんだけど」
入店してみると、鋭そうな槍やバランスのおかしいハンマー、宝石のはまったガントレットなど様々な物が所狭しと置いてあるが、肝心の剣が見当たらない。
「不思議な店ですね。こんなに様々な武器があるのに剣が一本も置いてない…」
「きっと売り切れたのですわ!」
「どうする?カイト君」
困ったようにカイトに訊くポトス。
「と、とりあえず…店主に話を」
「分かった決めるのはその後にしよう。…すまない!誰か居るかい?」
バタンッ ガシャンッ
ポトスが店の奥に声をかけると何かが倒れたり落ちたような音がして、髭面の男が現れた。
「…なんだ?何か売りに来たのか?」
「いえ、武器を買いに」
「なら、さっさと選んで持って来い。……全くせっかく気持ち良く寝てたってのによぉ」
機嫌が悪いらしく、ぶっきらぼうな接客をする店主。
「あのぉ、剣が欲しいんですが…」
ピクッ
「ああ?…剣だぁ?うちにあるのがアレだって知って言ってんのかぁ?」
「あ、アレ?」
「店主。アレとは?」
「なんだ?知らずに来たのか…まあせっかくだし見せてやるよ。ちょっと待ってな…」
そう言って店主は店の奥に戻り、ガサゴソと何かを探して持ってきた。
「ほら、コイツだよ」
店主が持ってきたのは1m程の剣だった。
(何だろう…吸い込まれるような感じがする……)
「店主。これが?」
「ああ。2年前ぐらいに冒険者がダンジョンの宝箱から見つけたって売りに来た物だ!」
「これをお譲りしてもらうことは?」
「別に構わねえよ?扱えるならな?」
(テンプレ来たー!)
小説などで読んだことのある展開に内心テンションの上がるカイト。
「試してみて良いですか?」
「良いが、コイツは魔力が多くないと扱えないぜ?」
「大丈夫です!魔力には自身あるので!」
カイトはそう言って剣の柄を持って鞘から抜刀した。
ガクンッ
(あれ?…ステータス!)
名前 カイト・ドライ・アーク
年齢 5歳
種族 人間
適性属性 なし
加護 なし
称号 なし
HP 70 MP 200/1100
STR 70 VIT 60
DEX 60 INT 750
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(っ!?魔力が殆ど吸い取られた!?)
「だ、大丈夫かい?」
「ほう…膝をついただけで済んだか…」
そんな声も聞こえないほどカイトは考えていた。
(流石にフィクションとは違うなぁ!こういうことがあると、改めて異世界に来たって感じがするよ!!)
「─!…─い!…おい!…やっと気づいたか。ったく…魔剣を握ったままニヤニヤしやがって」
「あ、ご、ごめんなさい!考え事してて…」
店主の声で現実に戻って来たカイトは顔が赤くなるのを感じた。
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