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第21話 立太子の儀でひと悶着起こす事になる。
Chapter-26
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「それは?」
姉弟子が取り出したのは、ひと組のイヤリングだった。
俺は少し大きめのジェエルが嵌ったそれを指差して、訊ねる。
「これをつけていると、ある程度の範囲でだが、魔法を使おうとする人間がいたら感応する事ができるんだ」
イヤリングを手にしたまま、姉弟子は、そう言った。
「そんな便利な物があるんなら、なんで普段からつけてないんです?」
俺は、それを指差しながら、そう言った。
「実は発動するかなり直前のタイミングでないと感知できなくてな。実際に戦闘で使うとなると、発動体の様子を観察していた方が速いくらいなんだ」
「ああ、なるほど、正面切って戦う時にはあんまり役に立たないと」
きまり悪そうに苦笑しながら言う姉弟子に対し、俺も少し苦笑気味の表情で答えた。
「でも、それだけでなんとかなるかしら?」
「何が?」
キャロの言葉に、俺は訊き返す。
「私達は武器を持って入るわけには行かないわ、せいぜい、エミがショートソードを隠し持っていける程度よね、襲撃者が魔導師1人だったら良いけど、複数人の襲撃者が現れたとしたら、対処しきれないことも考えられるんじゃないかしら?」
確かに、キャロの言うことには一理ある。
複数でも、俺や姉弟子を狙って正面切ってかかってきてくれるなら、師匠クラスの無体なのでもない限り、何人かだったらなんとかなる。
だが、今回は俺達自身ではない、ガスパル国王とシグル王子を守らなければならない、そう言う戦いになるのだ。
そう言う意味では、一理はあるのだが……
「キャロさんや、なにか忘れていないかい?」
「忘れてるって、何をよ」
そう言い返してくるキャロに、俺と、更には姉弟子までもが、マントをひらひらとさせた。
「あー! その手があったのね!」
キャロは、あっさりそれに思い至ったらしく。ぽん、と手を叩いた。
そう、この中にみんなの武具も隠していけば、持ち込み禁止とかそんなのもへったくれもなくなる。
「まぁ、今回は仕方なくって意味で、やるけど、流石に時と場合は選ぶけどね」
俺は、苦笑しながら、そう言った。
「あとはシグル王子かガスパル王に、これを持っていてもらえると助かるのだが……」
姉弟子はそう言って、手のひらにそれを取り出した。
俺やミーラが使っていたものと同じ、魔法の遠隔発動体のクリスタルだ。
「これがあれば、魔導師に限らず、射撃で狙われたときに、シールドの魔法が使えるんだが……」
「姉弟子、それなら、良いものがありますよ」
俺は、そう言って、こんな事もあろうかと、というわけではないが、何かの役には立つだろうと思って、用意しておいたそれを、マントの中から取り出した。
「なるほどな。それは良い」
姉弟子も、ぱっと顔を明るくした。
翌日。
シャロン王城の使用人達がやってきて、朝食をいただくことになった。
「ふぁ……ぁ、なんだか気になって眠れなかったわ……」
「私もです」
「私も……」
キャロが眠たげな目を擦りながら言うと、ミーラとエミも、それに同じく、といった感じで、やはり眠そうな様子でそう言った。
「何だよみんな、別に俺達が襲われるってわけでもないのに、緊張したってしょうがないじゃないか」
ジャックが、ニコニコ笑いながらそう言った。
うん、こいつはマイペースで快眠したな?
「ジャックはいつものこととして……アルヴィンは……」
「うん、ぐっすりだった」
うーん、俺、前世で若い頃は、皆と同じでクヨクヨして眠れなくなるタイプだったんだが、前世の最後の頃になると状況がどうあれ寝られる時に寝ないと冗談抜きで死ねる状況だったからな。
まぁ、実際死んだわけなんだけど。
「なんかアルヴィンとジャックが最初にコンビを組んだっていうのがよく分かるような気がするわぁ……」
「どういう意味かな」
「どういう意味だよ」
キャロの言葉に対し、俺とジャックはほぼ同時に声を上げていた。
「みんな、よく眠れたか?」
姉弟子が、自分が使っていた寝室から出てきながら、そう言った。
昨日のパーティードレスとは一転、男装とまでは言えないが、フォーマルで通るパンツルックだ。
ただ、耳には、昨日取り出していた、例の魔法感知のイヤリングがついている。
「なんだか……リリーさんもしっかり眠れているみたいですね……」
「流石……アルヴィンの姉弟子」
「それはどういう意味よ」
ミーラとエミが言うのに、姉弟子は脱力したような様子でそう言った。
「まぁ、確かに師匠の下にいた時に、寝られる時に寝ろとは仕込まれたけどな」
姉弟子は、食卓につきながら、どこか不敵に笑いつつ、そう言った。
「けどな、アルヴィンは違うぞー。元々こいつはどこでも図太く寝られるんだ。手足が伸ばせないようなところでも、平気で寝るしな。師匠が驚いてたぐらいだ」
「姉弟子、人を何だと思ってるんですか」
「よし、じゃあ、朝食がてら、打ち合わせと行きますか」
俺がそう言い、皆が食卓についた。
と言っても、とりあえず、できることは限られているんだけどな。
立太子の儀は、正午から始まった。
シレジアもアドラーシールム帝国同様、「五柱神聖教」を国教としている国である。
それそのものではないが、繋がりは、帝国の本祖派に近い。
教会の時計が正午を告げる鐘を鳴らす。
露天の大祭壇で、儀式が始まった。
「これより、シレジア王国シエルラ朝第4代国王、ガスパル・シムノン・シエルラの名において、王子シグル・カンテ・シエルラの立太子の儀を執り行う」
国王が、大祭壇の上の玉座に座る中、大祭壇の正面に侍従長が立ち、巻物の書物を取り出して、それを読み上げるようにしてそう告げた。
祭壇の中央へ向かって、階段が伸びている。
その途中途中に、儀仗兵が立ち、向かって右側にシレジアの伝統的国旗、左に王家の紋章の入った旗を、それぞれ構えている。
シグル王子は、それまで、片膝をつく姿勢で、大祭壇の一番下の中央に控えていたが、その宣言がされると、ゆっくり、階段を登っていく。
そのゆっくり上がっていくのが、今はいやにもどかしく思えた。
何事もなく、終わってくれれば、それで終わりなんだが。
俺は別に、シグル王子ではダメだと思ってはいない。
というか、そもそもこんなことに巻き込まれるのがめんどくさい。
別に俺達が帰った後で、お家騒動が起きるんなら起きるで勝手にしろという感じ。
ようやっと、シグル王子が、祭壇の最上段に上がり、国王と正対する。
国王が、立ち上がり、シグル王子は、そちらへと向かっていく。
2人が、お互いに手を伸ばせば、触れ合える、その距離にまで至った時。
「クリエイト・シールド」
「クリエイト・シールド」
「何っ!?」
姉弟子が、いや、俺も、驚いたように、声を出していた。
確かに、姉弟子は今、シールドの魔法を使った。
遠隔発動体のクリスタルを、スリングショット──パチンコと言ったほうがわかりやすいだろうか──を使って、ジャックに頼んで、式の前に祭壇の玉座の近くに飛ばしておいたものだ。
だが、ほぼ同時に、誰かが、別にシールドの魔法を使った。
ヒュンッ
火炎の球が、撃ち込まれた。フレイム・バレットだ。これは間違いない。
その火炎の球は、だが、もちろん二重の魔法のシールドに阻まれて、霧散した。
シュッ
群衆が、一体何が起きているのかと、どよめき出す。
それが、本格的な混乱になる前に、その中央を、エミが駆けていく。
「一体、何が起きているっていうの!?」
キャロが、混乱した声を出した。
俺も混乱しかけている。
姉弟子すら、一瞬、呆然としてしまっていた。
一体、何がどうなっているんだ。
みんなの武具を、出すべきなのか!?
ただ1人、エミだけが、一心不乱に、ガスパル王とシグル王子の下に駆けていっていた。
姉弟子が取り出したのは、ひと組のイヤリングだった。
俺は少し大きめのジェエルが嵌ったそれを指差して、訊ねる。
「これをつけていると、ある程度の範囲でだが、魔法を使おうとする人間がいたら感応する事ができるんだ」
イヤリングを手にしたまま、姉弟子は、そう言った。
「そんな便利な物があるんなら、なんで普段からつけてないんです?」
俺は、それを指差しながら、そう言った。
「実は発動するかなり直前のタイミングでないと感知できなくてな。実際に戦闘で使うとなると、発動体の様子を観察していた方が速いくらいなんだ」
「ああ、なるほど、正面切って戦う時にはあんまり役に立たないと」
きまり悪そうに苦笑しながら言う姉弟子に対し、俺も少し苦笑気味の表情で答えた。
「でも、それだけでなんとかなるかしら?」
「何が?」
キャロの言葉に、俺は訊き返す。
「私達は武器を持って入るわけには行かないわ、せいぜい、エミがショートソードを隠し持っていける程度よね、襲撃者が魔導師1人だったら良いけど、複数人の襲撃者が現れたとしたら、対処しきれないことも考えられるんじゃないかしら?」
確かに、キャロの言うことには一理ある。
複数でも、俺や姉弟子を狙って正面切ってかかってきてくれるなら、師匠クラスの無体なのでもない限り、何人かだったらなんとかなる。
だが、今回は俺達自身ではない、ガスパル国王とシグル王子を守らなければならない、そう言う戦いになるのだ。
そう言う意味では、一理はあるのだが……
「キャロさんや、なにか忘れていないかい?」
「忘れてるって、何をよ」
そう言い返してくるキャロに、俺と、更には姉弟子までもが、マントをひらひらとさせた。
「あー! その手があったのね!」
キャロは、あっさりそれに思い至ったらしく。ぽん、と手を叩いた。
そう、この中にみんなの武具も隠していけば、持ち込み禁止とかそんなのもへったくれもなくなる。
「まぁ、今回は仕方なくって意味で、やるけど、流石に時と場合は選ぶけどね」
俺は、苦笑しながら、そう言った。
「あとはシグル王子かガスパル王に、これを持っていてもらえると助かるのだが……」
姉弟子はそう言って、手のひらにそれを取り出した。
俺やミーラが使っていたものと同じ、魔法の遠隔発動体のクリスタルだ。
「これがあれば、魔導師に限らず、射撃で狙われたときに、シールドの魔法が使えるんだが……」
「姉弟子、それなら、良いものがありますよ」
俺は、そう言って、こんな事もあろうかと、というわけではないが、何かの役には立つだろうと思って、用意しておいたそれを、マントの中から取り出した。
「なるほどな。それは良い」
姉弟子も、ぱっと顔を明るくした。
翌日。
シャロン王城の使用人達がやってきて、朝食をいただくことになった。
「ふぁ……ぁ、なんだか気になって眠れなかったわ……」
「私もです」
「私も……」
キャロが眠たげな目を擦りながら言うと、ミーラとエミも、それに同じく、といった感じで、やはり眠そうな様子でそう言った。
「何だよみんな、別に俺達が襲われるってわけでもないのに、緊張したってしょうがないじゃないか」
ジャックが、ニコニコ笑いながらそう言った。
うん、こいつはマイペースで快眠したな?
「ジャックはいつものこととして……アルヴィンは……」
「うん、ぐっすりだった」
うーん、俺、前世で若い頃は、皆と同じでクヨクヨして眠れなくなるタイプだったんだが、前世の最後の頃になると状況がどうあれ寝られる時に寝ないと冗談抜きで死ねる状況だったからな。
まぁ、実際死んだわけなんだけど。
「なんかアルヴィンとジャックが最初にコンビを組んだっていうのがよく分かるような気がするわぁ……」
「どういう意味かな」
「どういう意味だよ」
キャロの言葉に対し、俺とジャックはほぼ同時に声を上げていた。
「みんな、よく眠れたか?」
姉弟子が、自分が使っていた寝室から出てきながら、そう言った。
昨日のパーティードレスとは一転、男装とまでは言えないが、フォーマルで通るパンツルックだ。
ただ、耳には、昨日取り出していた、例の魔法感知のイヤリングがついている。
「なんだか……リリーさんもしっかり眠れているみたいですね……」
「流石……アルヴィンの姉弟子」
「それはどういう意味よ」
ミーラとエミが言うのに、姉弟子は脱力したような様子でそう言った。
「まぁ、確かに師匠の下にいた時に、寝られる時に寝ろとは仕込まれたけどな」
姉弟子は、食卓につきながら、どこか不敵に笑いつつ、そう言った。
「けどな、アルヴィンは違うぞー。元々こいつはどこでも図太く寝られるんだ。手足が伸ばせないようなところでも、平気で寝るしな。師匠が驚いてたぐらいだ」
「姉弟子、人を何だと思ってるんですか」
「よし、じゃあ、朝食がてら、打ち合わせと行きますか」
俺がそう言い、皆が食卓についた。
と言っても、とりあえず、できることは限られているんだけどな。
立太子の儀は、正午から始まった。
シレジアもアドラーシールム帝国同様、「五柱神聖教」を国教としている国である。
それそのものではないが、繋がりは、帝国の本祖派に近い。
教会の時計が正午を告げる鐘を鳴らす。
露天の大祭壇で、儀式が始まった。
「これより、シレジア王国シエルラ朝第4代国王、ガスパル・シムノン・シエルラの名において、王子シグル・カンテ・シエルラの立太子の儀を執り行う」
国王が、大祭壇の上の玉座に座る中、大祭壇の正面に侍従長が立ち、巻物の書物を取り出して、それを読み上げるようにしてそう告げた。
祭壇の中央へ向かって、階段が伸びている。
その途中途中に、儀仗兵が立ち、向かって右側にシレジアの伝統的国旗、左に王家の紋章の入った旗を、それぞれ構えている。
シグル王子は、それまで、片膝をつく姿勢で、大祭壇の一番下の中央に控えていたが、その宣言がされると、ゆっくり、階段を登っていく。
そのゆっくり上がっていくのが、今はいやにもどかしく思えた。
何事もなく、終わってくれれば、それで終わりなんだが。
俺は別に、シグル王子ではダメだと思ってはいない。
というか、そもそもこんなことに巻き込まれるのがめんどくさい。
別に俺達が帰った後で、お家騒動が起きるんなら起きるで勝手にしろという感じ。
ようやっと、シグル王子が、祭壇の最上段に上がり、国王と正対する。
国王が、立ち上がり、シグル王子は、そちらへと向かっていく。
2人が、お互いに手を伸ばせば、触れ合える、その距離にまで至った時。
「クリエイト・シールド」
「クリエイト・シールド」
「何っ!?」
姉弟子が、いや、俺も、驚いたように、声を出していた。
確かに、姉弟子は今、シールドの魔法を使った。
遠隔発動体のクリスタルを、スリングショット──パチンコと言ったほうがわかりやすいだろうか──を使って、ジャックに頼んで、式の前に祭壇の玉座の近くに飛ばしておいたものだ。
だが、ほぼ同時に、誰かが、別にシールドの魔法を使った。
ヒュンッ
火炎の球が、撃ち込まれた。フレイム・バレットだ。これは間違いない。
その火炎の球は、だが、もちろん二重の魔法のシールドに阻まれて、霧散した。
シュッ
群衆が、一体何が起きているのかと、どよめき出す。
それが、本格的な混乱になる前に、その中央を、エミが駆けていく。
「一体、何が起きているっていうの!?」
キャロが、混乱した声を出した。
俺も混乱しかけている。
姉弟子すら、一瞬、呆然としてしまっていた。
一体、何がどうなっているんだ。
みんなの武具を、出すべきなのか!?
ただ1人、エミだけが、一心不乱に、ガスパル王とシグル王子の下に駆けていっていた。
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